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~異国の令嬢が現代で生活編~

~元ご令嬢の初登校~

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あれから3日後。
体調不良で学校を休ませてほしいと美桜の母に頼んでから結局3日も学校を休んだ。
母からは「勉強のし過ぎで熱も出るからほどほどにしてね」と珍しく心配された。
美桜の体で目が覚めてから現代の事を知るうえでやはり1日、2日では事足りなかったのでほぼ徹夜で高校生活に必要な知識を取り入れた。スマホやパソコンの使い方もお手の物だ。
最初のうちは見るものすべてに「な、なんですの、これは?!」と驚きの連続だ。
カノンが一番驚いたのはお菓子だ。なんと心地の良い甘さで口の中が幸せなこと。
一口食べただけで口角が緩み、目尻も下がり今まで食べたことのない甘さ。
そう、カノンの国にはお菓子が存在しないのだ。砂糖の原料である実はあるが形が大きい為使い道を知らず、ただ甘くましてや料理に入れるなんて…と使い道はないと皆が見向きもしない。カノンの国の甘いものと言ったら果物か蜂蜜ぐらいだ。
そんな国で育った為に今やカノンはお菓子の中でも特に和菓子のとりこだ。甘さが上品で見た目も美しい物ばかりと絶賛した。

それはさておき学校だ。クラスの皆の事も美桜のスマホにあった集合写真と学校からのスマホのグループトーク、名簿などでどうにか把握できた。この辺の地理も準備万端。時間割も確認しており持ち物も揃えた。
カノンは練習の成果もあり手馴れたように制服に着替える。ワイシャツ、チェックのスカート、紺のブレザーに女子はリボンかネクタイを選べるようで、美桜はどちらも持っていた。今日はリボンを着けてみる。
「いざ初登校ですわ!!」そう勢いよく玄関の扉を開けるカノンだった。

緊張しながら学校まで歩いてると、もうすぐ校門というところで正面からすごい勢いで走ってくる女子生徒が見えた。
「あーーーーー!!美桜ちゃん!眼鏡外しちゃだめだって言ったのにーーー!!美少女が丸見えじゃん!いろいろ目立つから内気な美桜ちゃんの心臓に悪いと思って伊達でも眼鏡の提案したのにぃ。」と少女がカノンの目の前まで来てほほを膨らましながら言う。美桜のスマホにあった中学からの同級生で原さんだ。美桜の一番の仲良しだ。
「申し訳ありません、原様。わたくし、なんだか最近眼鏡がないほうが落ち着きますの。これからはこの姿で過ごしていきますわ。ご提案、ありがとうございました。」とカノンはにこっと微笑みきれいなお辞儀をし原さんに伝える。
そう言われた原さんは「美桜ちゃんが貴族の勉強してたことは知ってたけど、ここまで貴族オーラが出るとは…」そう唖然としながらも本当に貴族が好きで努力したんだなと受け入れ、お互いにまだ挨拶してないことに気づき挨拶を交わす。
もちろん「「ごきげんよう」」のあいさつを。

「そういえば、美桜ちゃん、3日も学校を休んでたけど体調はもう平気?ノートとか困ったら見せるからね。あ、でも美桜ちゃんなら私なんかのノートがなくても大丈夫だよね」
「体調はもう大丈夫ですわ。ご心配お掛けしました。『なんか』だなんて、ご自分の事そんな風におっしゃらないでください。ノート、お言葉に甘えますね。」
原さんとしゃべりながら教室についたカノンは中にいるクラスメイト達に「ごきげんよう」と声をかける。
カノンの声にクラスメイト達は美桜の姿を見ると容姿や口調に皆が唖然とする中、カノンは思った。(あ、こちらの世界では挨拶が違うのよね。だから皆さん唖然としているのね。)
「コホン、おはようございます。皆様」
挨拶が違う事に唖然としていると思ったカノンは軽く咳払いをし挨拶を言い直し微笑むとクラス内がザワつき始めた。
一部では「雰囲気変わったね~」だとか、「美少女じゃん…」と誉め言葉をささやいてる。またある一部の男子は顔が赤い。
「あ~ぁ、美桜ちゃんの可愛いさにやられちゃった人もいるじゃん。」と隣で原さんがぼやいているがカノンは特に気にする様子もなく皆に向かって伝える。
「皆様、なんだかザワつかせてしまい申し訳ありません。高校デビューですの。口調等ご了承くださいませ。改めましてよろしくお願いしますね。」
(((高校デビューって変わりすぎだろ!ついに貴族を身に着けたか。)))
美桜が貴族の勉強をしている事を知ってたクラスメイト達は心の声が一致した。

ちょうどチャイムがなりホームルームや授業が始まっていった
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