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最後の異世界生活~美桜編~
~突然の…~
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美桜達がダリアやアザレアに苗植を終えてから一週間後。
この一週間の間、美桜やサントリナ、アイリスは孤児院に行き、孤児院の大人達とスリジエの花畑の手入れをしながら作れる数の苗を作ったり、枯れかけの花達を土に混ぜ、腐葉土を作ったり、麻の繊維の枯れた物を集めたりとせわしなく動いていた。
美桜達が作れるだけ作った苗は、街の人達と協力しながら、アザレアのまだ植えていない花壇に植えた。
残った苗はアザレアの次に許可が下りた街に植え、その街でも苗植の話題が広がっていた為、手伝いを申し出る人達で溢れた。
今回の苗植の段階では、保管分は確保出来そうになかったが、苗植は着々と進んでいき、植えていった花壇の手入れをしながら、今後、時間を掛けて花を国中に植えていき、美桜の考案のように保管し花の入れ替えを行っていく事になった。
無論、国民の職になるように手筈は整っている。
――応接室。
美桜やアイリス、サントリナの三人は食事を終え、応接室で今後の作業の話し合いをしていた。
「サントリナお姉ちゃんやアイリスさん、街の皆さんのおかげで作業もだいぶ早く進み、あとは開花を待つだけですね。あとは…今後の作業なのですが…。苗作りから手入れまで一連の作業は全部、職になって、街の人達が本格的に動いていくのですよね。もう、私達が出来る事はないんでしょうか…。」
「たしかに、思ったよりだいぶ早いわ。何事もなく順調に進んでよかったわ。私達に出来る事…。そうねぇ…。影からの支援…と言ったとこかしら…。けど…その辺はお父様やお兄様達がしてくださっているから実質やる事…ないわね…。」
「そういえば、最近、私達が街にずっと出掛けてばかりと言うのもあるとは思いますが、オリヴァー様やフロックス様、殿下を見かけませんわね。フローライト家でもお見掛けしないのは珍しいですわ。」
今後の作業の話し合いのはずが、話がそれつつあり、アイリスが疑問に思っていた事を口にした。
アイリスの疑問に答えたのはサントリナだった。
「お父様達なら王宮で泊まり込みで仕事をしていると執事のカクタスが言っていたわ。なんでも、他の街からの旅人…いえ、観光客…が多くなっているのだとか。もともと、炭鉱から発掘される鉱石を加工して貿易はしていたのだけれど、今回のスリジエの花の件やアザレアの件で国が賑わいを見せているから、他の国からの商人もノリに乗ってあちこちの国で話を広めているみたいなの。」
サントリナの説明に納得した表情を見せた美桜とアイリス。
アイリスはふと思い出したように、言葉を発した。
「それで街中に人の出入りが多かったのですね。そういえば、王都のダリアでアザレアの事がすごく話題になっていて、アザレアに訪れる人が増えたと言っていましたわね。ダリアの人達はオシャレや新しいものに目がないので、そう言った類のものが、人の口から広がるのは早いのですよね。」
アザレアに人が溢れるのは良い事だと美桜は少し誇らしげに話を聞いていた。
美桜はまたアザレアに行き、今度は何か出来る事はあるか話を聞きたいと思いをはせていた。
そうして、雑談をしながらしばしの休息とも言える一日を過ごしていた矢先の事だ。お茶のおかわりをもらいに、使用人がいるであろう廊下に向かおうとソファから立ち上がった途端、急に目の前が暗くなり、地面に座り込んでしまった。
美桜は自分に何が起こったか訳が分からず、体に力を入れ、どうにか立とうとするが、うまく力が入らず立てずにいた。
美桜の血色の良かった顔色が次第に青ざめ始めた。
そんな美桜の様子を見たサントリナやアイリスは慌てて美桜に駆け寄った。
声を掛けるが、美桜に届いているのかいないのか、反応が返ってこない。
そうして幾度か声を掛けていたが、美桜の意識が突然途切れ、その場に倒れた。
目の前で起こった突然の出来事にサントリナやアイリスまでも顔を青ざめ、慌てふためく。
だが、いつまでも慌てているだけではいけないと、自分に言い聞かせ、どうにか冷静を保とうとする二人。
サントリナは美桜の体を仰向けにし、アイリスは慌てて廊下に飛び出し、廊下にいた使用人に声を掛け、医者の手配を頼んだり、屋敷の手の空いている使用人を集めてもらうように頼んだ。
そうして、騒ぎを聞きつけた屋敷の使用人達が応接室に集まり、その中の一人が美桜を部屋に運ぶと、申し出る者がいたのでそのまま任せる事になり、残った者達は王宮にいるであろうオリヴァー達に連絡を出したり、医者の手配をしたりと、フローライト家は一時騒然となった。
この一週間の間、美桜やサントリナ、アイリスは孤児院に行き、孤児院の大人達とスリジエの花畑の手入れをしながら作れる数の苗を作ったり、枯れかけの花達を土に混ぜ、腐葉土を作ったり、麻の繊維の枯れた物を集めたりとせわしなく動いていた。
美桜達が作れるだけ作った苗は、街の人達と協力しながら、アザレアのまだ植えていない花壇に植えた。
残った苗はアザレアの次に許可が下りた街に植え、その街でも苗植の話題が広がっていた為、手伝いを申し出る人達で溢れた。
今回の苗植の段階では、保管分は確保出来そうになかったが、苗植は着々と進んでいき、植えていった花壇の手入れをしながら、今後、時間を掛けて花を国中に植えていき、美桜の考案のように保管し花の入れ替えを行っていく事になった。
無論、国民の職になるように手筈は整っている。
――応接室。
美桜やアイリス、サントリナの三人は食事を終え、応接室で今後の作業の話し合いをしていた。
「サントリナお姉ちゃんやアイリスさん、街の皆さんのおかげで作業もだいぶ早く進み、あとは開花を待つだけですね。あとは…今後の作業なのですが…。苗作りから手入れまで一連の作業は全部、職になって、街の人達が本格的に動いていくのですよね。もう、私達が出来る事はないんでしょうか…。」
「たしかに、思ったよりだいぶ早いわ。何事もなく順調に進んでよかったわ。私達に出来る事…。そうねぇ…。影からの支援…と言ったとこかしら…。けど…その辺はお父様やお兄様達がしてくださっているから実質やる事…ないわね…。」
「そういえば、最近、私達が街にずっと出掛けてばかりと言うのもあるとは思いますが、オリヴァー様やフロックス様、殿下を見かけませんわね。フローライト家でもお見掛けしないのは珍しいですわ。」
今後の作業の話し合いのはずが、話がそれつつあり、アイリスが疑問に思っていた事を口にした。
アイリスの疑問に答えたのはサントリナだった。
「お父様達なら王宮で泊まり込みで仕事をしていると執事のカクタスが言っていたわ。なんでも、他の街からの旅人…いえ、観光客…が多くなっているのだとか。もともと、炭鉱から発掘される鉱石を加工して貿易はしていたのだけれど、今回のスリジエの花の件やアザレアの件で国が賑わいを見せているから、他の国からの商人もノリに乗ってあちこちの国で話を広めているみたいなの。」
サントリナの説明に納得した表情を見せた美桜とアイリス。
アイリスはふと思い出したように、言葉を発した。
「それで街中に人の出入りが多かったのですね。そういえば、王都のダリアでアザレアの事がすごく話題になっていて、アザレアに訪れる人が増えたと言っていましたわね。ダリアの人達はオシャレや新しいものに目がないので、そう言った類のものが、人の口から広がるのは早いのですよね。」
アザレアに人が溢れるのは良い事だと美桜は少し誇らしげに話を聞いていた。
美桜はまたアザレアに行き、今度は何か出来る事はあるか話を聞きたいと思いをはせていた。
そうして、雑談をしながらしばしの休息とも言える一日を過ごしていた矢先の事だ。お茶のおかわりをもらいに、使用人がいるであろう廊下に向かおうとソファから立ち上がった途端、急に目の前が暗くなり、地面に座り込んでしまった。
美桜は自分に何が起こったか訳が分からず、体に力を入れ、どうにか立とうとするが、うまく力が入らず立てずにいた。
美桜の血色の良かった顔色が次第に青ざめ始めた。
そんな美桜の様子を見たサントリナやアイリスは慌てて美桜に駆け寄った。
声を掛けるが、美桜に届いているのかいないのか、反応が返ってこない。
そうして幾度か声を掛けていたが、美桜の意識が突然途切れ、その場に倒れた。
目の前で起こった突然の出来事にサントリナやアイリスまでも顔を青ざめ、慌てふためく。
だが、いつまでも慌てているだけではいけないと、自分に言い聞かせ、どうにか冷静を保とうとする二人。
サントリナは美桜の体を仰向けにし、アイリスは慌てて廊下に飛び出し、廊下にいた使用人に声を掛け、医者の手配を頼んだり、屋敷の手の空いている使用人を集めてもらうように頼んだ。
そうして、騒ぎを聞きつけた屋敷の使用人達が応接室に集まり、その中の一人が美桜を部屋に運ぶと、申し出る者がいたのでそのまま任せる事になり、残った者達は王宮にいるであろうオリヴァー達に連絡を出したり、医者の手配をしたりと、フローライト家は一時騒然となった。
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