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最後の異世界生活~カノン編~
~テスト勉強ですわ!~
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カノンが原さんのテスト勉強を見る事になった翌日の放課後。
カノンと原さん、峰岸君は空手部の部活が始まる時間まで教室で勉強をしていた。
「いのりちゃん、その公式間違っていますわ。その問題にはこの公式を使います。やり直しです。」
「う…うぅ…う~ん…。」
「「………。」」
「……解けましたわね。…次の問題…と、言いたいところですが…解き方が違いますわ。よって、解答が違いますわ。やり直しです。この解き方は―。」
「うぅ…。」
「「………。」」
「……ストップ、解き方…違います。」
「…………だぁーーーー!!!!!これで何度目ーーー??!!!この数学難しすぎるーー!!!!!」
カノンが、原さんに数学の解き方を教え、峰岸君は黙々と自分のテスト勉強をしていた。
そんな中、何度目かもわからない間違いを起こし、居ても立っても居られなくなった原さんが声をあげた。
原さんの勉強の具合に、カノンは呆れた表情を浮かべた。
「これで何度目…は、わたくしのセリフですわ。いったい、一つの問題を解くのに何度間違えるのですか。その問題、つい二日前に習ったばかりですわよ。」
「……二日前の記憶は…とうの昔に置いてきた。振り返りなどせぬ。」
「……そうですの。鳩並みの記憶力…恐れ入りましたわ。」
「うわーん!カノンさんが意地悪言うーー!!助けて峰岸君ーー!!」
「えっ…僕?!……うーん…今のは原さんが悪い。間違えたり、解けなかったりは良いと思うけど、お調子良い発言はNGだよ。」
「うぅ……ごめんなさい。」
原さんのお調子良い発言にカノンは少し意地悪な事を発し、助けを求めた峰岸君にさえ諭され、謝罪を伝えた原さんは、机に顎をのせ、少しいじけてみせた。
その原さんの様子を見たカノンは無言で立ち上がり、荷物を持って教室を出て行った。
「え…カノンさん?………み、峰岸君…どうしよう…私…カノンさん怒らせたかも…。部活前の時間、せっかく勉強見てくれているのに…。」
「………大丈夫だと思う…。カノンさんは…簡単に人を見放すような人じゃないよ。じゃないと、あの時、問題児に絡まれている僕を助けたりしない。」
カノンが出て行った教室の出入り口を寂しそうにみている原さんに、峰岸君は柔らかい表情で助けてもらった時の事を思い返しながら話した。
そうして二人がカノンの話をしていると、カノンが教室に戻ってきた。
原さんは先程の事で気まずさを感じ、俯いてカノンになんと声を掛けようか悩んでいると、頬に突如冷たいものを感じて驚いた。
「頑張った脳に糖分をどうぞ。」
カノンはそう言って、優しい笑みを浮かべ、原さんの頬に飲み物を当てた。
原さんが自分の頬に当てられた飲み物を受け取り見ると、それはパックのイチゴミルクだった。
「これを…買いに…。ごめんなさい…私…。」
カノンの優しさに少し目頭を熱くした原さん。
その様子にカノンは、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「いいのですわ。わたくしも…教え方が間違ってました。ごめんなさい…。解けるまで、何度でもお付き合いします。ですが、反復で解くのも忘れてはいけませんわよ。」
「…はい。カノン先生!再度、よろしくお願いします!」
「はい!お任せください!飴とムチの如く今度こそ、モチベーションを意識した勉強法を実施します!!…と、意気込んだのは良いのですが、そろそろ部活のお時間ですわ。また明日にしましょう。」
「えっ…もぅそんな時間?!部活前に本当にありがとう!!」
「ふふっ…お疲れ様でした。原さん、峰岸君、また明日。」
「「うん、また明日!」」
カノンの背中を見送り、原さんと峰岸君は帰る支度を始めた。
そんな中、原さんがポツリと言葉をこぼした。
「…峰岸君の言う通り、大丈夫だった。……今日の出来なかった問題…出来るようにする…気持ちに応える。」
「…うん、カノンさんなら、受け止めてくれるよ。」
「ぃよーし!!イチゴミルク飲みながら頑張るぞーー!!待ってろ!テストー!!!」
原さんが気持ちを切り替え、意気込んだ様子に峰岸君は安心した表情を見せた。
二人は帰る準備が整い、帰路に着いた。
翌日の放課後。
カノンは、前日の夜に書いた原さん用の勉強メニューを渡した。
それと同時に、数枚の用紙を渡した。
「?カノンさん、勉強メニューはわかるけど、この紙…すごろく?」
「ふふっ…。『勉強』と考えると、楽しくないですが、『ゲーム』と考えると、楽しくなると思いまして。昨日、バラエティー番組で、すごろくで遊ぶ子ども達の様子が映ってましたので、勉強に活かせないかなと思ったのです。」
原さんはカノンから受け取ったすごろく用紙を見ながら説明を聞いていた。
各科目ごとに書かれたすごろくの用紙で、コマを置くマスは30問あり、マスの色は白いままだ。
だが、その白いマスは意図的なもので、サイコロを振って、出た目の分進む。
そのマスに書かれている数字と、別紙に書かれている数字を見る。
別紙にはマスの数字と、問題文が書かれており、問題が解けたら、白いマスを色塗りしていく。
そうしてゴールまで進むと、カノンからささやかなプレゼントがもらえる仕組みと言う訳だ。
白いマスが残った分は、ゴールの後に解いて全塗りするなり、始めからコマを進めて復習がてらに全塗りを目指すなりをする方針だ。
原さんは後者を選んだ。
ちなみに、すごろく用紙、問題用紙、解き方プラス解答用紙の三点セットとなっている。
これらを準備したカノンはさすがに少し徹夜をした。
説明を聞くうちに楽しそうなのと、カノンの手作りなのとで、原さんの勉強へのやる気が一段と上がった。
カノンと原さん、峰岸君は空手部の部活が始まる時間まで教室で勉強をしていた。
「いのりちゃん、その公式間違っていますわ。その問題にはこの公式を使います。やり直しです。」
「う…うぅ…う~ん…。」
「「………。」」
「……解けましたわね。…次の問題…と、言いたいところですが…解き方が違いますわ。よって、解答が違いますわ。やり直しです。この解き方は―。」
「うぅ…。」
「「………。」」
「……ストップ、解き方…違います。」
「…………だぁーーーー!!!!!これで何度目ーーー??!!!この数学難しすぎるーー!!!!!」
カノンが、原さんに数学の解き方を教え、峰岸君は黙々と自分のテスト勉強をしていた。
そんな中、何度目かもわからない間違いを起こし、居ても立っても居られなくなった原さんが声をあげた。
原さんの勉強の具合に、カノンは呆れた表情を浮かべた。
「これで何度目…は、わたくしのセリフですわ。いったい、一つの問題を解くのに何度間違えるのですか。その問題、つい二日前に習ったばかりですわよ。」
「……二日前の記憶は…とうの昔に置いてきた。振り返りなどせぬ。」
「……そうですの。鳩並みの記憶力…恐れ入りましたわ。」
「うわーん!カノンさんが意地悪言うーー!!助けて峰岸君ーー!!」
「えっ…僕?!……うーん…今のは原さんが悪い。間違えたり、解けなかったりは良いと思うけど、お調子良い発言はNGだよ。」
「うぅ……ごめんなさい。」
原さんのお調子良い発言にカノンは少し意地悪な事を発し、助けを求めた峰岸君にさえ諭され、謝罪を伝えた原さんは、机に顎をのせ、少しいじけてみせた。
その原さんの様子を見たカノンは無言で立ち上がり、荷物を持って教室を出て行った。
「え…カノンさん?………み、峰岸君…どうしよう…私…カノンさん怒らせたかも…。部活前の時間、せっかく勉強見てくれているのに…。」
「………大丈夫だと思う…。カノンさんは…簡単に人を見放すような人じゃないよ。じゃないと、あの時、問題児に絡まれている僕を助けたりしない。」
カノンが出て行った教室の出入り口を寂しそうにみている原さんに、峰岸君は柔らかい表情で助けてもらった時の事を思い返しながら話した。
そうして二人がカノンの話をしていると、カノンが教室に戻ってきた。
原さんは先程の事で気まずさを感じ、俯いてカノンになんと声を掛けようか悩んでいると、頬に突如冷たいものを感じて驚いた。
「頑張った脳に糖分をどうぞ。」
カノンはそう言って、優しい笑みを浮かべ、原さんの頬に飲み物を当てた。
原さんが自分の頬に当てられた飲み物を受け取り見ると、それはパックのイチゴミルクだった。
「これを…買いに…。ごめんなさい…私…。」
カノンの優しさに少し目頭を熱くした原さん。
その様子にカノンは、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「いいのですわ。わたくしも…教え方が間違ってました。ごめんなさい…。解けるまで、何度でもお付き合いします。ですが、反復で解くのも忘れてはいけませんわよ。」
「…はい。カノン先生!再度、よろしくお願いします!」
「はい!お任せください!飴とムチの如く今度こそ、モチベーションを意識した勉強法を実施します!!…と、意気込んだのは良いのですが、そろそろ部活のお時間ですわ。また明日にしましょう。」
「えっ…もぅそんな時間?!部活前に本当にありがとう!!」
「ふふっ…お疲れ様でした。原さん、峰岸君、また明日。」
「「うん、また明日!」」
カノンの背中を見送り、原さんと峰岸君は帰る支度を始めた。
そんな中、原さんがポツリと言葉をこぼした。
「…峰岸君の言う通り、大丈夫だった。……今日の出来なかった問題…出来るようにする…気持ちに応える。」
「…うん、カノンさんなら、受け止めてくれるよ。」
「ぃよーし!!イチゴミルク飲みながら頑張るぞーー!!待ってろ!テストー!!!」
原さんが気持ちを切り替え、意気込んだ様子に峰岸君は安心した表情を見せた。
二人は帰る準備が整い、帰路に着いた。
翌日の放課後。
カノンは、前日の夜に書いた原さん用の勉強メニューを渡した。
それと同時に、数枚の用紙を渡した。
「?カノンさん、勉強メニューはわかるけど、この紙…すごろく?」
「ふふっ…。『勉強』と考えると、楽しくないですが、『ゲーム』と考えると、楽しくなると思いまして。昨日、バラエティー番組で、すごろくで遊ぶ子ども達の様子が映ってましたので、勉強に活かせないかなと思ったのです。」
原さんはカノンから受け取ったすごろく用紙を見ながら説明を聞いていた。
各科目ごとに書かれたすごろくの用紙で、コマを置くマスは30問あり、マスの色は白いままだ。
だが、その白いマスは意図的なもので、サイコロを振って、出た目の分進む。
そのマスに書かれている数字と、別紙に書かれている数字を見る。
別紙にはマスの数字と、問題文が書かれており、問題が解けたら、白いマスを色塗りしていく。
そうしてゴールまで進むと、カノンからささやかなプレゼントがもらえる仕組みと言う訳だ。
白いマスが残った分は、ゴールの後に解いて全塗りするなり、始めからコマを進めて復習がてらに全塗りを目指すなりをする方針だ。
原さんは後者を選んだ。
ちなみに、すごろく用紙、問題用紙、解き方プラス解答用紙の三点セットとなっている。
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