陽のあたる場所【加筆訂正中】

たまゆらりん

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  玄関に入った途端、いきなり顎を鷲掴みにされた。
  強い力で強引にグイっと上に向かされ、フラついた体はドアまで追い詰められる。
  背中に冷たい金属のドアが当たり、胸に逞しい体が密着して、その両方に挟まれ身動きができない。

  そのまま、唇を覆うように無理矢理口付けられた。



  ーー陽人の温もり…が……



  唇に残っていた陽人の感触と熱が、一瞬で奪われた。大切な物をこれ以上奪われたくなくて、歯を食い縛り抵抗した。



「んんっ……」



  柊は怒りを孕んだ目をしながら、唇を優しく吸ったり食みながら、俺の身体を優しく弄ってきた。
  背中から始まって、耳の周り、首筋、胸の周り、腹部、腰と臀部を。わざと性感帯を外して、強弱をつけながらフェザータッチで、長い時間をかけてひたすら弄ってきた。
  ただ触られてるだけなのに、徐々に鼓動が早まってきた。身体中がゾクゾクとして変に敏感になって、性感帯でもないのに快楽を拾うようになってくる。



  ーー力…抜いちゃ……ダメだ……陽人の…守らなきゃ……



  抜けそうになる力……
  己を鼓舞して、辛うじて歯牙に力を入れる。
  柊に甘噛みされ続ける唇は熱を持ち、身体中燻り続けてる熱がじわじわと俺を追い詰める。



「気持ち悦くなってきてるんだろ。無理するなよ」



  ワイシャツの上からでもわかるくらいに、胸の尖りはツンと膨らみ勝手に主張していた。



  ーーやめっ………今、触られたら……!



  柊が尖りに触れるか触れないかの、ギリギリの場所を指で掠め、焦らすように周りをクルクルとなぞり始める。
  視界に入れば、そこから先の快楽を意識してしまう。目を瞑り、歯を食い縛る事だけに集中した。



「あぁっ…………!」



  指先で尖りを、ひと撫でされた。
  目を瞑っていたせいで余計に感度が高まり、たった一度、軽く触られただけなのに……
  甘い声を上げ、のけ反ってしまった。

  ハンターのように、その瞬間を狙っていた柊は、唇の隙間から舌を捩じ込み、無遠慮に咥内を犯した。



  ーー陽人……ごめん……キス…守れなくて…ごめん……



  俺の一方的な恋愛感情……
  向こうは、ただの友達としか思ってない。
  俺が誰とキスしようと、陽人には関係ない。

  そんな事わかっているのに、後ろめたい気持ちになり、心の中で何度も謝った。



  ーーせめて、身体だけでも……守らないと………



  リハビリとはいえ、陽人が俺と一線を越えるような事は、きっとないんだろうなって思ってる。

  この間は自己嫌悪で卑屈になっていた俺を、ただ慰めたくてした事だ。
  


  それでも………

  陽人とそうなった時の為に、少しでも綺麗な身体でいたかった。






「目、開けて……」



  瞼を開けば、嫌でも現実に戻された。
  先程までのキスの激しさを表すように、口の周りは濡れそぼり、唇は赤く腫れていた。



  そして、俺の瞳に映るのは、

  俺の求めてる相手じゃなかった。






「鍵、開いてるから。逃げるなら、逃げなよ」



  柊は冷たい笑みを浮かべ、淡々と言い放った。
  その言葉で、初めてドアに鍵がかけられてない事を知る。柊から逃げる事ばかりに気を取られてて、今の今まで玄関の鍵が開いてる事に気付かなかった。

  わざわざ、こんな事を言ってくるのは、逃げられないと思っているからだ。俺が弱いと思って油断している。



  ーー逃げる……絶対、逃げてやる……



「ンンッーーーー!」



  “逃げてやる”
  そう思っているのに…………

  強く抱き締められ、耳朶を甘噛みされた後、耳孔の中を舌でクチュクチュと掻き回される。
  卑猥な水音が脳内に響き、性感帯を直接嬲られ、悦楽が固い決意を脆くさせる。



「あっ、やめっ……!んんっ、あぅ………」



  脳天を貫くような気持ち悦さに、四肢の力は呆気なく抜け、柊に抱き抱えらて漸く立っていられる状態だ。

  散々焦らされて、性感を極限まで高められ、燻り続けた熱が 、敏感な耳を嬲る事で一気に溢れ出した。

  それと同時に、今まで触らなかった鋭敏な尖りやペニスを、集中的に狙い弄ってくる。




「あっ、あぁん……しゅう……やだぁ…………」



  この間みたいに、薬なんて使ってない。

  手錠で拘束されてる訳でもない。

  背中にあるドアを開ければ、いつだって簡単に逃げる事が出来る。



  ーー早く…逃げなきゃ……わかってるのに……



  快楽に身体中が痺れ、耳の中に厭らしい水音が響いて、正常な思考を邪魔してくる。



「ここにいれば、もっと気持ち悦くなれるよ…」



  悪魔の囁きが、理性のタガを外そうとする。



  柊は俺の襟元に手をかけると……

  制服のネクタイをスルリと解き、
  ワイシャツのボタンを、全部外して
  ベルトを外し、ファスナーを下げると
  下着ごとスラックスを一気に脱がした。



  力の入らない身体を、ぐるりと後ろ向きに返される。スチール製のひんやりとしたドアに、両手を付いてどうにか支えた。

  柊はジーンズのポケットから携帯用のローションを取り出すと、パッケージを破って指に付けた。

  突き出されるようになった無防備な双丘。その中心の窪みへゆっくりと指が侵入し、徐々に指を増やし解しながら、前立腺を指の腹で優しく擦ってくる。



「やぁぁぁ……んぐぅ……はぁっ、はっ……」

「柚希、どうする?逃げる?」



 “逃げる”

  そう答えようとすると、柊はわざと前立腺を狙って触ってくる。



「逃げたい?」

「んぁっ、うぅっ、ァア…ンン……」



  グリグリと、絶妙な力加減でそこを押し潰してくる。
  比例するように熱を持ったペニスは、濡れそぼりパンパンに腫れて、限界を迎えようとしていた。



  突然、柊は指の動きを止めてズルリと抜き去ると、昂り続け性を吐き出したくてピクピクする余裕のない俺のペニスを、射精を邪魔するように両手でギュッと強く握ってきた。



「柚希、どうする?柚希が決めて良いよ。逃げないでここにいる?」



  どうにか首を横に振って、嫌だと意思を伝えた。
  柊は「そう……」と冷たく言うと、左手でペニスの根本をきつく握りしめ、右手で上下に擦り始めた。



「アァ、ンァァ!」



  直接的な快楽に、身体はのけ反り悦ぶ。
  それなのに根本を締め付けられ、吐精する事を許されない。



「あっ、アァン……いやぁ…………」

「どうする?」



  鈴口はしとどに濡れそぼり、溢れ出した先走りが手淫の滑りを悦くし、余計に快感を高めていく。



「んっ、んん、ぅぐっ、アァ……」

「腰揺れてるよ」



  中途半端に弄られた中は、ジクジクと疼いて切なくなり、覚えてしまった快楽に満たしてくれるモノが欲しくて蠢いていた。



「………んぐっ、ァン、あっ……もっ………」

「何?」



  解放されない射精欲に、熱く熟れた奥の疼きに、身体も心も追い詰められる。



「…………ダ…メ………だ……か…ら………」

「それで?」



  背後から柊は手を止める事なく、鬼頭を手のひらでクルクルと撫でたり、指の輪で上下に扱いたりしてくる。



「……………へ……ん………に……なる………」

「どうしたい?」






  ーーー……はる…と………ごめん……ね……ーーー






「……イ……キ…………た……い…………」



  その言葉を聞き、柊が嬉しそうに鼻で笑ったのが聞こえた。



「イク時は一緒な。それまで我慢して」



  カチャカチャと音を立て、柊はジーンズの前を寛げ下げると、そそり立つ自身にローションをたっぷりとつける。
  射精出来ないように、再びペニスの根本をきつく握りしめられると、後孔に切っ先を宛がわれた。



「柚希……愛してるよ……」



  熱の籠った声で囁くと、空いてる手で細い腰を鷲掴みにして、後ろから勢いよく貫いた。









  その後も、俺は逃げる事なく、

  何度も、何度も、柊に抱かれた。



  陽人によって、温められた心が

  柊に抱かれる度に

  冷えて凍えていくのがわかった





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