陽のあたる場所【加筆訂正中】

たまゆらりん

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  暁はカフェラテを一口飲むと、真剣な眼差しで語り始めた。






※  ※  ※  ※



  僕と柊ちゃんは同い年の従兄弟同士で、白鷹学園の幼稚園から一緒だった。
  柊ちゃんの父親の弟が、僕の父さんなんだ。

  柊ちゃんと初めて会ったのは、幼稚園の入園式。   
    
  僕は県南に住んでいて、柊ちゃんは県北に住んでいて。
  初めて会う従兄弟に、すごくドキドキしていた。



  着慣れない幼稚園の制服を身に纏って、駐車場で顔を合わせた。

  柊ちゃんの第一印象は、眉目秀麗で凛としていて、とても利発そうだなって。
  受験を主席で合格して、新入園児代表の挨拶もしていた。
  かっこよくて、その日のうちに何人もファンになっている子達がいた。

  でも……
  三歳の子供とは思えないくらい……
  無表情で、どことなく影があって……すごく冷めている子供だった。



  入園式の帰り、父さんが伯父さんに「せっかく会えたんだから」って強引に食事に誘って、みんなで会食する事になった。
  うちの家族が白金市に来たら必ず寄る、中華料理店の個室で、丸いテーブルに僕の家族と柊ちゃんの家族は向かい合わせに座ったんだ。



「柊ちゃん大きくなったね。立派に育って。暁と仲良くしてあげね」



  父さんが柊ちゃんにそう言うと、「はい」と返事をして、僕を見て薄く笑った。



「実はおまえに頼みがあったから、ここに顔を出した。白鷹の理事長に話はつけてあるが、暁くんと柊を高校まで同じクラスにするようにしてもらった」



  父さんに向かって、伯父さんは話し始めた。
  突然聞かされた話に、父さんは困惑していた。
  白鷹学園の理事長は遠縁の親戚だから、色々と融通をきかせる事が出来た。



「今日は保護者代表で挨拶するから、仕方なく出席した。だが今後一切、白鷹の行事に出るつもりはない。だから、代わりにおまえ達夫婦が出席してくれ」

「はっ?何言ってるんだよ、兄さん……」

「こいつは透子を殺したんだ。そんな奴の為に、貴重な時間を割きたくない」

「自分の子供に、何て事言うんだよ!」

「何も間違った事は言ってない。こいつのせいで、透子は死んだ。生まれてこなければ……こいつが死んだら、良かったんだ」

「兄さん!」

「お義兄さん……やめてください……柊ちゃんの前で……そんな…酷い事……」

「大丈夫です。母さんは、僕が殺したんです。僕が生まれてきたせいで、死んじゃったから…………父さんは、お仕事ですよね?頑張ってきて下さい」

「……私はこれで、失礼する」



  僕は怖かったのと、柊ちゃんが可哀想で……
  大声で、わんわん泣いちゃって……
  母さんは、そんな僕を宥めながら、沢山涙を流していて。
  父さんは涙目で、柊ちゃんに何度も「ごめんな」って謝ってた。

  柊ちゃんは淡々とした声で「僕の方こそ、みんなに嫌な思いをさせて、ごめんなさい」って謝ってきた。
  そして「ここの料理、すごく美味しいです」って……

  作り物みたいな綺麗な顔で、ニコッと微笑んだ。


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