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閑静な住宅街に、けたたましくサイレンの音が鳴り響く。
赤色灯が光ったパトカーが、何台も道を塞ぐように、周りを取り囲んだ。
ドアが勢いよく開くと、何人もの警察官が一斉に柊へ駆け寄り、雪崩れ込むようにして柊を取り押さえた。
「樋浦柊、銃刀法違反で、現行犯逮捕する」
「ふざけんな!クソったれがっ!」
「おまえには麻薬取締法違反並びに傷害罪、恐喝罪、詐欺罪、風営法違反、児童福祉法違反の容疑がかけられている。現在、家宅捜索中だ。他にも余罪を追及している」
柊の両手に、無機質な黒い手錠がかけられる。
「この日の為に……みんなで柊の犯罪行為の証拠を集めて、ずっと警察に訴えてたんだ……」
陽人が捕らえられる柊を睨みながら、ポツリと呟いた。
「離せっ!クソっ!柚希が……!柚希ーーー!」
両腕を捕まれ、無理矢理立ち上がらせられた柊が、悲痛な声で俺の名前を呼んでいる。
「柚希……行こう……」
陽人に促され、柊に背中を向け歩き出した。
「…………行くなよ……柚希……置いてくなよ……柚希……頼む……柚希…………独りに……すんなよ……」
悲しそうな声で、何度も俺の名前を呼んでいる。
耳を塞ぎ聞こえないようにしながら、一歩一歩、前へ進み出す。
「………………ゆず…き…………行かないで……」
ーーーー『行かないで……!』ーーーー
幼い柊の声と、今の柊の声が重なる。
悲しそうにしがみつく、幼い柊の姿が脳裏に浮かんだ。
胸が引き裂かれるみたいに苦しくなり、足が動かなくなる。
「ごめん……陽人……。柊と……話がしたい……」
「……わかった。待ってる」
陽人から離れ、警察に拘束されてる柊へ、ゆっくりと近付く。
「少しだけ、話をさせて下さい。この人、絶対逃げないから。お願いします」
警察は少し難しい顔をしたけど、俺の真っ直ぐな目を見て「ちょっとだけだよ」と離れて行った。
柊が……
あの柊が、泣いている……
幼い柊の泣き顔じゃなくて、
二十歳の柊の泣き顔が、そこにはあった。
その顔を見てたら、俺も自然に泣いていた。
膝をついて泣いている柊を、立ったまま抱きしめた。
「柊……ごめんね……柊の気持ちには応えられない……ごめん……。柊の事、愛してくれる人がきっと現れる……柊もまた、誰かを愛せる日がきっと来るよ……」
手錠を嵌めた手で、俺のシャツを子供みたいに掴み、しがみついて離さなかった。
「今まで柊がしてきた事、許したいって思ってる……だから、罪をちゃんと償って…………そして、柊には、幸せになってほしい……」
大きくて威圧的で怖かった柊。
その柊が俺の腕の中で、とても弱々しくて……
とても小さく感じた。
「柊の事、大切に思ってる……恋愛感情とは違う、愛だけど………………愛してるよ、柊……」
俺が「愛してる」と言うと、柊は嗚咽を漏らしながら泣き始めた。
シャツは止めどなく流れる柊の涙で濡れ、大きな体は小さく震えていた。
子供を慈しむみたいに
何度も、何度も
優しく頭を撫でた。
柊の全てを受け入れ、
全てを許し、
愛おしみ
包み込むように、
抱きしめながら……
「愛してる……幸せになって……」
柊が幸せになってくれる未来を
只々、純粋に願った。
赤色灯が光ったパトカーが、何台も道を塞ぐように、周りを取り囲んだ。
ドアが勢いよく開くと、何人もの警察官が一斉に柊へ駆け寄り、雪崩れ込むようにして柊を取り押さえた。
「樋浦柊、銃刀法違反で、現行犯逮捕する」
「ふざけんな!クソったれがっ!」
「おまえには麻薬取締法違反並びに傷害罪、恐喝罪、詐欺罪、風営法違反、児童福祉法違反の容疑がかけられている。現在、家宅捜索中だ。他にも余罪を追及している」
柊の両手に、無機質な黒い手錠がかけられる。
「この日の為に……みんなで柊の犯罪行為の証拠を集めて、ずっと警察に訴えてたんだ……」
陽人が捕らえられる柊を睨みながら、ポツリと呟いた。
「離せっ!クソっ!柚希が……!柚希ーーー!」
両腕を捕まれ、無理矢理立ち上がらせられた柊が、悲痛な声で俺の名前を呼んでいる。
「柚希……行こう……」
陽人に促され、柊に背中を向け歩き出した。
「…………行くなよ……柚希……置いてくなよ……柚希……頼む……柚希…………独りに……すんなよ……」
悲しそうな声で、何度も俺の名前を呼んでいる。
耳を塞ぎ聞こえないようにしながら、一歩一歩、前へ進み出す。
「………………ゆず…き…………行かないで……」
ーーーー『行かないで……!』ーーーー
幼い柊の声と、今の柊の声が重なる。
悲しそうにしがみつく、幼い柊の姿が脳裏に浮かんだ。
胸が引き裂かれるみたいに苦しくなり、足が動かなくなる。
「ごめん……陽人……。柊と……話がしたい……」
「……わかった。待ってる」
陽人から離れ、警察に拘束されてる柊へ、ゆっくりと近付く。
「少しだけ、話をさせて下さい。この人、絶対逃げないから。お願いします」
警察は少し難しい顔をしたけど、俺の真っ直ぐな目を見て「ちょっとだけだよ」と離れて行った。
柊が……
あの柊が、泣いている……
幼い柊の泣き顔じゃなくて、
二十歳の柊の泣き顔が、そこにはあった。
その顔を見てたら、俺も自然に泣いていた。
膝をついて泣いている柊を、立ったまま抱きしめた。
「柊……ごめんね……柊の気持ちには応えられない……ごめん……。柊の事、愛してくれる人がきっと現れる……柊もまた、誰かを愛せる日がきっと来るよ……」
手錠を嵌めた手で、俺のシャツを子供みたいに掴み、しがみついて離さなかった。
「今まで柊がしてきた事、許したいって思ってる……だから、罪をちゃんと償って…………そして、柊には、幸せになってほしい……」
大きくて威圧的で怖かった柊。
その柊が俺の腕の中で、とても弱々しくて……
とても小さく感じた。
「柊の事、大切に思ってる……恋愛感情とは違う、愛だけど………………愛してるよ、柊……」
俺が「愛してる」と言うと、柊は嗚咽を漏らしながら泣き始めた。
シャツは止めどなく流れる柊の涙で濡れ、大きな体は小さく震えていた。
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何度も、何度も
優しく頭を撫でた。
柊の全てを受け入れ、
全てを許し、
愛おしみ
包み込むように、
抱きしめながら……
「愛してる……幸せになって……」
柊が幸せになってくれる未来を
只々、純粋に願った。
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