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第9話

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「いらっしゃいませ、何名様ですか?」



駅から歩いて3分ほどのカフェに入った。
お昼前ということもあってか、人足はあまりなく、比較的空いていた。

白野は店員に2人です、といい、一番奥の席に座った。
白野は俺が座ったのを確認してからメニューを手に取り、俺に渡した。
メニューを見るふりをしているが、なかなか頭に入らない。
ちらりと目線を白野に向けると、彼は少し笑いながら俺を見ていた。

「なっっ、、、!!なんだよ…」

ガタガタと椅子を鳴らし、飛び跳ねて驚いたからか、白野はふふっ、と笑った。

「そんな緊張しなくても。何もしませんよ」

そんなバレバレな緊張をしていたのか、と思うとまた顔が熱くなるのを感じた。
よくわからないが、白野といると寿命が縮んでいる気がする…と思った。
とにかくパフェどころではなかったので、ハズレなさそうなチョコブラウニーパフェを頼み、考えることを放棄した。

店員に頼んでからは少し間があり、携帯を触るふりをしていた。


「で、知りたいんですよね?なんで俺があんなことをしたのか」

急に口を開いたので、びっくりした。

「あ……当たり前じゃないですか…」

あちらから本題に入られるとは思いもしなかった。
白野といるのは寿命が縮む。
心の底からそう思った。
白野は俺をじっと見つめていた。



「俺が七瀬さんにあんなことをしたのは_____ 」

「お待たせしました。チョコブラウニーパフェと、メロンパフェです」

このタイミングで!?!?
と危うく声に出しそうになった。
白野も同じことを考えていたのか、2人で目線を合わせて、吹き出した。
ごゆっくりどうぞ、と言い残した女の店員はきっと悪気がないのだろうが、少し恨ませてもらう。

目の前に来たチョコブラウニーパフェは上にソフトクリームが乗っており、今日は少し気温が高かったので、ちょうどよかった。
一方、白野は盛りだくさんのメロンの食べにくさに苦戦していた。
SNS映えするパフェが人気のためか、食べやすさより見た目が重視されていて、男にとっては食べるだけで大変な作業になっていた。
あまりにガン見する俺の目線に気づいたのか、「あんま見んな」と少しいじけていて可愛かった。

「なんか、白野が初めて年下に見えた」

といったら、何か複雑な顔で微笑んだ。

「…言っても、いいですか。」

この言葉に、少し顔が強張ってしまった気がするが、先ほどより緊張は緩んでいた。
俺は何も言わず頷いた。

白野は、俺と目が合ったことを確認してから、重い口を開いた。





「単刀直入に言うと、俺、七瀬さんが好きなんだと思います」


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