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いつもの毎日
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「マイナス思考はやめなきゃね」
わたしは、大きく伸びをした。
カフェノートを学校鞄に詰めて制服に着替え階下に行くと今日もパンの香ばしい香りがふわふわと漂っていた。
「おばあちゃん、おはよう~」
「早乙女ちゃん、おはよう。早く朝ごはんを食べなさい。急がないと遅刻するわよ」
「奈央は? お母さんは?」
「奈央君は学校に行ったわよ。お母さんはぐぅぐぅいびきをかいて寝てるよ。食パンが焼けわよ」
おばあちゃんはそう言いながら食パンをわたしの目の前に置きそれからわたしのお気に入りの猫柄のマグカップに紅茶を注いでくれた。
「いただきま~す」
わたしは、食パンにバターとイチゴジャムをたっぷり塗り口に運んだ。
甘酸っぱいイチゴジャムとバターがじわりと口の中に広がりとても美味しかった。
「おばあちゃんは今日もゲートボールに行くの?」
「うん、もちろん行くわよ。優勝してみせるわよ」
「めちゃくちゃやる気満々だね」
「そりゃ、優勝が懸かっているんだからね」
おばあちゃんはそう言って力強く拳を握った。元気な老人で羨ましくなる。
「おばあちゃん、頑張ってね。じゃあ、いってきま~す」
いつもの会話をしてわたしは今日も学校に行くのだ。
学校では今日も先生のお経を唱えるような授業を受けた。早く授業が終わらないかなと頬杖をつき窓の外をぼんやりと眺める。
「星宮さん、星宮早乙女さん、窓の外に解答が貼ってありますか?」
「えっ? 解答?」
その声に振り返ると先生が鬼のような形相で立っていた。
「さあ、黒板に書かれている問題を解きなさい」
「へっ?」
「星宮早乙女さん、答えはへっ? 何ですか?」
「えっ? あ、あはは。分かりません」
わたしは、あははと頭を掻きながらごまかし笑いをした。
「星宮早乙女さん、笑ってごまかしても駄目ですからね!」
先生は顔を真っ赤にしてご立腹のようだ。
そんなわたしと先生のやり取りにクラスメイト達がどっと笑った。
なんだか最悪なんですけれど……。
「あはは~、めちゃくちゃウケる~んだけど」
ここは、旅行研究部同好会の部室だ。亜子ちゃんが机を両手でドンドン叩きながら爆笑している。
「亜子ちゃん、そんなに笑わなくてもいいじゃない」
わたしは、ぷくぷくと頬を膨らませた。
「だって、先生に授業中当てられて『へっ』って答えたんでしょ? 早乙女ちゃんめちゃくちゃ笑えるんだけど」
亜子ちゃんは机をドンドン叩きながら涙まで流している。
「ねえ、どうして知っているのよ?」
「菜々花ちゃんから聞いたよ。あの子教科書忘れたって借りにきたんだけどその時に聞いたよ」
「えっ? 菜々花ちゃんが酷いな~」
わたしの前の席に座っている菜々花ちゃんはおしゃべりだから困る。
「それはそうと祐介君とのカフェノートはどうなった?」
亜子ちゃんは笑い泣きした涙を手の甲で拭いながら言った。
「……どうなったって別に」
「ふ~ん、答えたくないんならいいけどね。菜々花ちゃんから聞いたんだけど、早乙女ちゃんノートを眺めて笑ったり眉間に皺を寄せたり、また笑ったりして顔がころころ七変化してるんだってね」
亜子ちゃんはそう言って前髪をかきあげた。
菜々花ちゃんはやっぱりおしゃべりだ。
「わたしがカフェノートにおじさんになった祐介君に会える日を楽しみにしているねと書いたら、祐介君から俺もいつか会える日を楽しみにしていますと返事が返ってきたよ」
わたしはそれだけ答えた。
わたしは、大きく伸びをした。
カフェノートを学校鞄に詰めて制服に着替え階下に行くと今日もパンの香ばしい香りがふわふわと漂っていた。
「おばあちゃん、おはよう~」
「早乙女ちゃん、おはよう。早く朝ごはんを食べなさい。急がないと遅刻するわよ」
「奈央は? お母さんは?」
「奈央君は学校に行ったわよ。お母さんはぐぅぐぅいびきをかいて寝てるよ。食パンが焼けわよ」
おばあちゃんはそう言いながら食パンをわたしの目の前に置きそれからわたしのお気に入りの猫柄のマグカップに紅茶を注いでくれた。
「いただきま~す」
わたしは、食パンにバターとイチゴジャムをたっぷり塗り口に運んだ。
甘酸っぱいイチゴジャムとバターがじわりと口の中に広がりとても美味しかった。
「おばあちゃんは今日もゲートボールに行くの?」
「うん、もちろん行くわよ。優勝してみせるわよ」
「めちゃくちゃやる気満々だね」
「そりゃ、優勝が懸かっているんだからね」
おばあちゃんはそう言って力強く拳を握った。元気な老人で羨ましくなる。
「おばあちゃん、頑張ってね。じゃあ、いってきま~す」
いつもの会話をしてわたしは今日も学校に行くのだ。
学校では今日も先生のお経を唱えるような授業を受けた。早く授業が終わらないかなと頬杖をつき窓の外をぼんやりと眺める。
「星宮さん、星宮早乙女さん、窓の外に解答が貼ってありますか?」
「えっ? 解答?」
その声に振り返ると先生が鬼のような形相で立っていた。
「さあ、黒板に書かれている問題を解きなさい」
「へっ?」
「星宮早乙女さん、答えはへっ? 何ですか?」
「えっ? あ、あはは。分かりません」
わたしは、あははと頭を掻きながらごまかし笑いをした。
「星宮早乙女さん、笑ってごまかしても駄目ですからね!」
先生は顔を真っ赤にしてご立腹のようだ。
そんなわたしと先生のやり取りにクラスメイト達がどっと笑った。
なんだか最悪なんですけれど……。
「あはは~、めちゃくちゃウケる~んだけど」
ここは、旅行研究部同好会の部室だ。亜子ちゃんが机を両手でドンドン叩きながら爆笑している。
「亜子ちゃん、そんなに笑わなくてもいいじゃない」
わたしは、ぷくぷくと頬を膨らませた。
「だって、先生に授業中当てられて『へっ』って答えたんでしょ? 早乙女ちゃんめちゃくちゃ笑えるんだけど」
亜子ちゃんは机をドンドン叩きながら涙まで流している。
「ねえ、どうして知っているのよ?」
「菜々花ちゃんから聞いたよ。あの子教科書忘れたって借りにきたんだけどその時に聞いたよ」
「えっ? 菜々花ちゃんが酷いな~」
わたしの前の席に座っている菜々花ちゃんはおしゃべりだから困る。
「それはそうと祐介君とのカフェノートはどうなった?」
亜子ちゃんは笑い泣きした涙を手の甲で拭いながら言った。
「……どうなったって別に」
「ふ~ん、答えたくないんならいいけどね。菜々花ちゃんから聞いたんだけど、早乙女ちゃんノートを眺めて笑ったり眉間に皺を寄せたり、また笑ったりして顔がころころ七変化してるんだってね」
亜子ちゃんはそう言って前髪をかきあげた。
菜々花ちゃんはやっぱりおしゃべりだ。
「わたしがカフェノートにおじさんになった祐介君に会える日を楽しみにしているねと書いたら、祐介君から俺もいつか会える日を楽しみにしていますと返事が返ってきたよ」
わたしはそれだけ答えた。
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