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第一章 古書カフェ店のスタートです
12 サーターアンダギーとさんぴん茶ですよ
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「さあ、お茶の時間ですよ。さんぴん茶を淹れて来ましたよ」
吉田さんが奥の調理部屋からお盆にハイビスカス柄のティーカップを載せて戻って来た。
ふわふわと爽やかな優しい香りが漂った。
「わ~い、さんぴん茶だ。わたしの大好きなお茶ですよ。あ、サーターアンダギーもある」
わたしは、木製の椅子に腰を下しながら、吉田さんがテーブルに並べてくれたサーターアンダギーに手を伸ばした。
「梅木さんは食欲旺盛ですね」
吉田さんは肩を揺らしてクスクスと笑った。
「あははっ、だって、美味しそうだったので……あ、いただきます」
「まったく真理子ってば寝ていたかと思うとすぐに食欲がわくなんて子供みたいだね」
みどりちゃんも口に手を当てて笑っている。
「ふん、子供みたいでいいもんね。美味しい食べ物を食べると元気になるんだから」
わたしは、にっこり笑いサーターアンダギーを食べた。
「もう、真理子ってば。あ、わたしもいただきます」
みどりちゃんもサーターアンダギーに手を伸ばした。
「さあ、いっぱい食べてくださいね」
吉田さんもサーターアンダギーに手を伸ばしてぱくぱく食べた。
沖縄で親しまれているおやつと言えばこのサーターアンダギーだ。小麦粉、砂糖、卵にそれから油で簡単に作れるらしいこのサーターアンダギーは球状の形をした揚げ物で真ん中に穴の開いていないドーナツに似ている。
沖縄に来たなら食べないとねという感じなんだけど、わたしも大好きでぱくぱくと食べてしまう。表面はちょっと固くてサクサクしていて中身はしっとりしている。
「うん、美味しい、もう一個食べていいですか?」
わたしは、吉田さんが返事をする前にサーターアンダギーに手を伸ばしぱくぱくと食べた。
「梅木さんみたいに美味しそうに食べてもらえると作った甲斐がありますよ」
吉田さんは口もとを緩めて嬉しそうに笑った。
「じゃあもう一個食べようかな、この素朴な味がいいですね」
わたしは、三個目のサーターアンダギーを食べた。美味しくて幸せだ。
「真理子ってば食べ過ぎだよ~」
みどりちゃんは呆れた表情でわたしを見た。
「いいじゃん。食べてる時って本当に幸せなんだから。とか言ってみどりちゃんも三個目じゃない?」
「あははっ、バレたか……」
わたしとみどりちゃんは顔を見合わせて笑った。そんなわたし達を吉田さんは目を細めて眺めていた。
サーターアンダギーもさんぴん茶も美味しくて幸せな時間がふわふわと流れていく。サーターアンダギーの甘くて香ばしい匂いとさんぴん茶の爽やかな香りに包まれてわたしは幸せだ。
「食べた、食べた。お腹がいっぱいになって満足しました。ごちそうさまでした」
わたしは、サーターアンダギーを五個食べて元気になれた。
「美味しかったです。わたしもお腹がいっぱいで幸せです」
みどりちゃんも満足そうに微笑んだ。
「梅木さんと並木さんの豪快な食べっぷりを見せてもらえた俺こそ幸せな気持ちになれましたよ」
吉田さんはさんぴん茶をごくりと飲みながら言った。
「真理子ってば五個も食べていやしいんだから」
「みどりちゃんだって四個食べたでしょう?
吉田さんなんて一個しか食べてないんだからね」
「あははっ、お二人ともたくさん食べてもらえて嬉しいから大丈夫ですよ」
吉田さんは可笑しそうに目尻を下げて笑った。
吉田さんが奥の調理部屋からお盆にハイビスカス柄のティーカップを載せて戻って来た。
ふわふわと爽やかな優しい香りが漂った。
「わ~い、さんぴん茶だ。わたしの大好きなお茶ですよ。あ、サーターアンダギーもある」
わたしは、木製の椅子に腰を下しながら、吉田さんがテーブルに並べてくれたサーターアンダギーに手を伸ばした。
「梅木さんは食欲旺盛ですね」
吉田さんは肩を揺らしてクスクスと笑った。
「あははっ、だって、美味しそうだったので……あ、いただきます」
「まったく真理子ってば寝ていたかと思うとすぐに食欲がわくなんて子供みたいだね」
みどりちゃんも口に手を当てて笑っている。
「ふん、子供みたいでいいもんね。美味しい食べ物を食べると元気になるんだから」
わたしは、にっこり笑いサーターアンダギーを食べた。
「もう、真理子ってば。あ、わたしもいただきます」
みどりちゃんもサーターアンダギーに手を伸ばした。
「さあ、いっぱい食べてくださいね」
吉田さんもサーターアンダギーに手を伸ばしてぱくぱく食べた。
沖縄で親しまれているおやつと言えばこのサーターアンダギーだ。小麦粉、砂糖、卵にそれから油で簡単に作れるらしいこのサーターアンダギーは球状の形をした揚げ物で真ん中に穴の開いていないドーナツに似ている。
沖縄に来たなら食べないとねという感じなんだけど、わたしも大好きでぱくぱくと食べてしまう。表面はちょっと固くてサクサクしていて中身はしっとりしている。
「うん、美味しい、もう一個食べていいですか?」
わたしは、吉田さんが返事をする前にサーターアンダギーに手を伸ばしぱくぱくと食べた。
「梅木さんみたいに美味しそうに食べてもらえると作った甲斐がありますよ」
吉田さんは口もとを緩めて嬉しそうに笑った。
「じゃあもう一個食べようかな、この素朴な味がいいですね」
わたしは、三個目のサーターアンダギーを食べた。美味しくて幸せだ。
「真理子ってば食べ過ぎだよ~」
みどりちゃんは呆れた表情でわたしを見た。
「いいじゃん。食べてる時って本当に幸せなんだから。とか言ってみどりちゃんも三個目じゃない?」
「あははっ、バレたか……」
わたしとみどりちゃんは顔を見合わせて笑った。そんなわたし達を吉田さんは目を細めて眺めていた。
サーターアンダギーもさんぴん茶も美味しくて幸せな時間がふわふわと流れていく。サーターアンダギーの甘くて香ばしい匂いとさんぴん茶の爽やかな香りに包まれてわたしは幸せだ。
「食べた、食べた。お腹がいっぱいになって満足しました。ごちそうさまでした」
わたしは、サーターアンダギーを五個食べて元気になれた。
「美味しかったです。わたしもお腹がいっぱいで幸せです」
みどりちゃんも満足そうに微笑んだ。
「梅木さんと並木さんの豪快な食べっぷりを見せてもらえた俺こそ幸せな気持ちになれましたよ」
吉田さんはさんぴん茶をごくりと飲みながら言った。
「真理子ってば五個も食べていやしいんだから」
「みどりちゃんだって四個食べたでしょう?
吉田さんなんて一個しか食べてないんだからね」
「あははっ、お二人ともたくさん食べてもらえて嬉しいから大丈夫ですよ」
吉田さんは可笑しそうに目尻を下げて笑った。
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