44 / 75
第四章 新しい始まりの日
10 じゃんけん楽しかったと可愛らしいお客様
しおりを挟む
「お買い上げありがとうございました」
わたしはレジカウンターで半額と打った。お客さんの買った本は人生に勝利する哲学書なのかビジネス書なのかよく分からないけれどそんな内容の本だった。じゃんけんに見事に勝利しているじゃないのと思うと可笑しくなった。
「また来ますね。お仕事頑張ってくださいね」とお客さんは優しい笑顔で微笑んだ。
「はい、ありがとうございます。また是非来てくださ~い」とわたしは元気よく挨拶をした。
わたしとみどりちゃんはお客さんの後ろ姿を見送った。
「真理子、じゃんけんに見事に負けて笑えたよ。やっぱり人生に勝利する本なんて買う人はじゃんけんにも勝利するのかな~」
みどりちゃんは肩を震わせてぷるぷる笑っているんだから嫌な子だ。
「ふん、たまには負けることだってあるんだもんね」
わたしは、ぷくぷくぷくりーんこと膨れた。
いいもんね、本が半額になって喜んでくれたのだからまたご来店してくれることでしょう。わたしは前向きに考えることにした。
そのあとの店内はしーんとした。人生に勝利する本を買ったお客さんが帰ったあとはパタリと客足が途絶えた。
「真理子、そろそろ閉店にしようか」
「うん、そうだね。もう二十時になったね。わたしお腹が空いた~」
今日のお客さんは真奈ちゃんを入れて二人かと思うと寂しく感じるけれど、それでも大きく前進した。まだまだこれからだ。それよりも今はお腹が空いた。ご飯を食べよう。
シャッターを下ろした後わたし達はみどりちゃんが作ってくれた沖縄そばと豆腐チャンプルーをお店のテーブルで食べた。
みどりちゃんの作ってくれる料理はなかなか美味しくて箸が進む。
「この沖縄そば美味しいね。みどりちゃんは料理の才能があるかもね」
「えっ、本当に! 嬉しい、あ、でも何も出ないからね」
みどりちゃんはちょっと照れたように笑った。
その時、
にゃんにゃんにゃん、こっこっこー、わんわんわんわんと可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。
この声はと思うのとほぼ同時に店の裏口から可愛らしい動物のお客さんがご来店した。
「茶和ちゃん、ヤンバちゃん、チワワンちゃんだ~」
「こんばんは、にゃん」、「こんばんは、こっこっこー」、「こんばんは、わんわ~ん」と可愛らしい動物達は挨拶をした。
どうやらまりみど古書カフェ店には夜になると可愛らしい動物のお客さんがやって来るようでした。
わたしはレジカウンターで半額と打った。お客さんの買った本は人生に勝利する哲学書なのかビジネス書なのかよく分からないけれどそんな内容の本だった。じゃんけんに見事に勝利しているじゃないのと思うと可笑しくなった。
「また来ますね。お仕事頑張ってくださいね」とお客さんは優しい笑顔で微笑んだ。
「はい、ありがとうございます。また是非来てくださ~い」とわたしは元気よく挨拶をした。
わたしとみどりちゃんはお客さんの後ろ姿を見送った。
「真理子、じゃんけんに見事に負けて笑えたよ。やっぱり人生に勝利する本なんて買う人はじゃんけんにも勝利するのかな~」
みどりちゃんは肩を震わせてぷるぷる笑っているんだから嫌な子だ。
「ふん、たまには負けることだってあるんだもんね」
わたしは、ぷくぷくぷくりーんこと膨れた。
いいもんね、本が半額になって喜んでくれたのだからまたご来店してくれることでしょう。わたしは前向きに考えることにした。
そのあとの店内はしーんとした。人生に勝利する本を買ったお客さんが帰ったあとはパタリと客足が途絶えた。
「真理子、そろそろ閉店にしようか」
「うん、そうだね。もう二十時になったね。わたしお腹が空いた~」
今日のお客さんは真奈ちゃんを入れて二人かと思うと寂しく感じるけれど、それでも大きく前進した。まだまだこれからだ。それよりも今はお腹が空いた。ご飯を食べよう。
シャッターを下ろした後わたし達はみどりちゃんが作ってくれた沖縄そばと豆腐チャンプルーをお店のテーブルで食べた。
みどりちゃんの作ってくれる料理はなかなか美味しくて箸が進む。
「この沖縄そば美味しいね。みどりちゃんは料理の才能があるかもね」
「えっ、本当に! 嬉しい、あ、でも何も出ないからね」
みどりちゃんはちょっと照れたように笑った。
その時、
にゃんにゃんにゃん、こっこっこー、わんわんわんわんと可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。
この声はと思うのとほぼ同時に店の裏口から可愛らしい動物のお客さんがご来店した。
「茶和ちゃん、ヤンバちゃん、チワワンちゃんだ~」
「こんばんは、にゃん」、「こんばんは、こっこっこー」、「こんばんは、わんわ~ん」と可愛らしい動物達は挨拶をした。
どうやらまりみど古書カフェ店には夜になると可愛らしい動物のお客さんがやって来るようでした。
0
あなたにおすすめの小説
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる