久しぶりにおばあちゃんのお好み焼きが食べたいな

なかじまあゆこ

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おばあちゃんの願い

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「思い出したわ。わたしが神本さん達に頼んだのよ」

   おばあちゃんはそう言ってわたしの顔を真っ直ぐ見つめた。

「おばあちゃんがどうして?」

「それは、佐波ちゃんに元気になってもらいたかったからよ」

「……わたしに元気に?」

「うん、そうよ、わたしは佐波ちゃんが元気にしていてくれているとそれだけでとっても嬉しいんですもん」

  おばあちゃんは生きていた頃と変わらない笑顔をわたしに向けた。

  その笑顔が眩しくてわたしは目を細めた。

「わたしのこの丸くて可愛らしい耳に佐波ちゃんの思いと佐波ちゃんのおばあちゃんの思いが、ピピピーッと伝わってきたんだよ~」

  ひよこちゃんはそう言って楽しそうに笑った。

「おい、ひよこ。それはこの俺の三角形の可愛らしい耳にピピピーッと伝わってきたはずだけどな」

  神本さんは三角形の耳に手を触れ胸を張った。このイケメンで一見クールな神本さんが自身の三角形の耳を可愛らしいと思っていたなんてと考えると笑みが零れた。

  わたしが口元に手を当ててうふふと笑っていると、神本さんのアーモンドアイの綺麗な目と目が合った。

「あ、えっと……」

「佐波さんはどうして笑っているんですか?」

「いえ、神本さんはその耳を可愛らしいと思っていたんだな~と思うとなんだか可愛らしくって」

「あ、この耳ですか!」

  神本さんは自身の三角形の耳を触り、そして、ちょっと照れたように笑った。その顔が赤くなっているではないか。

  その表情が可愛らしくてまたもや笑ってしまった。

「ゴホン、この俺を笑うなんてちょっとびっくりしますよ。まあ、佐波さんが元気になってくれて俺も嬉しいですけどね」

「オーナーは意外と照れやなんだもんね~」

  ひよこちゃんはウッシッシと笑った。

「おい、こら!  ひよこ~」

  この場にいるみんなが優しい心を持っている人達なんだなと思うとわたしは嬉しくなり頬が緩んだ。
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