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狛犬と神様と祖父母と美味しいご飯の時間と笑いと涙
神様と狛犬がいる朝の食卓
しおりを挟む朝になり目を覚ますと、いつもと違う状況にわたしは一瞬驚いた。可愛らしい五歳くらいの男の子と女の子がスピスピスヤスヤとわたしの隣の布団で寝息を立てて寝ているのだから。
でもすぐに狛子と狛助だったと思い出した。
「むにゃむにゃ~おはよう~奈夜ちゃん」
狛子がうーんと伸びをし目を擦りながらむくりと起き上がった。
「狛子ちゃん、おはよう~」狛子の寝起きの顔は猫みたいで可愛らしいなと思った。
「奈夜ちゃん、朝ごはんの時間だね」
「えっ、起きてすぐにご飯の話をするんだね」
「うん、だって、奈夜ちゃんのおばあちゃんのご飯は美味しいんだもん」
なんて話をしていると、
「むにゃむにゃ~奈夜ちゃん、狛子ちゃんおはよう。朝ごはん食べた~い!」
狛助が目を擦りながら起き上がりすぐに言った言葉がこれだ。
ああ、可愛らしいけど食いしん坊な二人(二匹)だ。呆れてしまう。
ご飯だ、ご飯だとうるさい狛子と狛助と一緒に食事の間に行くと、赤と紺のチェック柄の前開きパジャマ姿の神様がご飯を食べていた。
「おっ、奈夜ちゃんにそれから狛子と狛助おはよう。朝ごはんも美味しいぞ」
神様はご飯を頬張りながら言った。
「お、おはようございます。神様、早起きなんですね……」
「まあな、俺は神様だから早起きなのさ」
神様はそう言って得意げに笑った。
「神様、おはようございま~す!」と狛子と狛助も声を合わせて挨拶をした。
「う~ん、奈夜ちゃんのおばあちゃんのご飯はめちゃくちゃ美味しいぞ」
神様は口元にご飯つぶをくっつけ幸せそうな表情だ。
「神様ありがとうございます。褒めて頂き光栄ですよ」
おばあちゃんは神様の左隣に座りほくほくな笑顔を浮かべた。そして、神様の右隣にはおじいちゃんがニコニコお日様のような笑顔を浮かべ座っている。
もう神様を挟みなんとも言えない不思議な光景がそこに広がっていた。
「さあさあ、みんなも朝ごはんにしましょうね」
おばあちゃんが炊飯器からしゃもじでお茶碗にご飯をよそってくれた。そして、わたしと狛子と狛助の目の前に湯気の立ったご飯を置いた。
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