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華夜ちゃんの友達

お弁当だ~神様達ってば笑ってしまうよ

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  華夜ちゃんの『決まり』と言った一言で今わたしと華夜ちゃんと二橋さんはお弁当袋を片手に中庭へ向かっている。

  もちろん神様と狛犬達も当たり前のようにお弁当袋を振り回し付いてきてる。

「今日のお弁当は何かな?  タコさんウインナー入ってるかな?」

「ハンバーグ入ってるかな?」

  狛子と狛助がぴょんぴょん飛び跳ねるように歩きながら言った。

「ホッホッ、奈良漬は入っておるかな?」

  神様までくふふと笑いながら言う。

「本当にみんな食いしん坊なんだから」

  わたしは楽しそうにお弁当袋を振り回し歩く神様と狛犬達を見て思わず声に出してしまう。

  あっ!!  しまったとわたしは思ったんだけど、華夜ちゃんも「うふふ、神様も狛犬ちゃん達も本当に食いしん坊なんだから笑っちゃう」と言いすぐに口に両手を当て慌てた素振りを見せた。

「ねえ、華夜ちゃんに町屋さん誰が食いしん坊なの?  華夜ちゃん神様に狛犬って何かな?」

  二橋さんが首を傾げわたしと華夜ちゃんの顔を見た。

「あ、えっと、何でもないよ」とわたしと華夜ちゃんはほぼ同時に言った。

「えっ!  でも食いしん坊だとか神様に狛犬って聞こえたんだけどな。それって何かな?  漫画とか小説の話かな?  あ、それとも神様や狛犬のぬいぐるみじゃないよね?」

  そう言って二橋さんは怖い顔でわたしを睨む。うわーどうしてわたしのことだけ睨むのよと言いたくなる。

「神様のぬいぐるみって失礼なお嬢さんだな」

  神様がぽつりと呟くのでわたしは笑いそうになってしまったけれどなんとか堪えた。

「狛犬のぬいぐるみはきっと可愛いよね」
「うん、僕達ってばキュートだもんね」

  狛子と狛助はお弁当袋を振り回しながらぴょんぴょん飛び跳ね喜んでいる。

  もう、キュートって笑いそうになるじゃない!  わたしは笑いを堪えながら華夜ちゃんに視線を向けると奥歯でギュッと噛みしめ笑いを堪えているような表情になっている。肩はぷるぷる震えている。

「ちょっと二人ともわたしに隠れて秘密のぬいぐるみとかお人形を持っているんじゃないよね?」

  二橋さんは顔を上気させご立腹のようだ。

  特に何も隠してはいないけれど、ただ神様と狛犬達がわたし達にくっついてきているだけなのだ。そう言いたいけれど言えない。
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