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華夜ちゃんの友達

不思議なお弁当

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「タコさんウィンナーのお礼にコロッケをプレゼントしたのじゃ」

  神様は奈良漬をパリパリ食べながらホッホッと笑っている。

  いやいや神様それは良いことですが風子ちゃんがびっくりしますよと言いたくなるけれど言えない。

「あれ?  奈夜ちゃんのお弁当箱に入っているコロッケとこのコロッケ似ているね」

  風子ちゃんはわたしのお弁当箱にあるコロッケをじっと見ながら言った。

「えっ!  あ、ほ、本当だね。不思議だね」

  わたしは答えながら内心ビクビクしていた。それなのに神様は涼しい顔でホッホッと笑っているのだから頭にくる。

「わたしもお礼にピーマンをあげようかな」
「僕はにんじんをあげようかな」

  狛子と狛助がとんでもないことを言いながらぴょんぴょんと飛び跳ねているではないか。

  もう勘弁してくださいよと思っていると狛子と狛助はわたしの気も知らずピーマンとにんじんをぽいぽいぽーいと風子ちゃんのお弁当箱に入れるのだった。

「えっ!?  わたしのお弁当箱にピーマンとにんじんが入っているんだけど!!」

  風子ちゃんは目を丸くしてお弁当箱を見ている。もうわたしは知りませんから。

 「風子ちゃんがわたしのピーマンを喜んでくれているよ~」
「僕のにんじんも大喜びだよ」

  狛子と狛助はそう言ってきゃははと笑う。

  どう見ても喜んでいるようには見えない。風子ちゃんは今も首を傾げお弁当箱を食い入るように眺めているではないか。

「このピーマンとにんじんは空から落っこちてきたのかな?  ねえ、奈夜ちゃんどう思う?」

  風子ちゃんはお弁当箱から視線をわたしに移しじっと見る。そんなことわたしに聞かれても困るよ。

「さ、さあ?  どうしてかな?  わたしもわからないよ」

「ふ~ん、そうなのね」風子ちゃんは言いながら今度は視線をわたしのお弁当箱に向けた。

  そうなのだ。わたしのお弁当箱にはピーマンとにんじんとそれからキャベツの炒め物が入っている。

  これは完全に疑われているよ。わたしは犯人扱いされているではないか。あんまりだよ。

  狛子と狛助は楽しそうに笑いながらおにぎりをぱくぱく食べている。

「ねえ、奈夜ちゃん。その炒め物美味しそうだね」

  風子ちゃんはわたしのキャベツとピーマンとにんじんの炒め物をじーっと見ている。

「あはは、うん、美味しそうでしょう。わたしこの炒め物好きなんだよ」

  わたしはそう答えながらドキドキしてワキのから汗をかいた。

「へえ~そうなんだね。美味しそうな炒め物だね」

  風子ちゃんはそう言いながらわたしのキャベツとピーマンとにんじんの炒め物をやっぱりじーっと見ている。これは完全に疑っている表情だ。

「うん、わたしのおばあちゃん炒め物得意なんだよ」これは嘘じゃない。おばあちゃんの炒め物は最高に美味しいのだから。

「そうなんだね。でももしかしたらピーマンとにんじんが苦手なんじゃないのかな?」

  風子ちゃんはそう言って笑った。

「そんなことないよ。わたしはピーマンもにんじんも好きだよ」

  ピーマンやにんじんが苦手なのはあの狛犬達ですよと叫びたくなる。

  だって、狛子と狛助は炒め物のキャベツを美味しそうにぱくぱく食べているんだもん。
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