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退屈な授業と昼休み
しおりを挟む先生のお経を唱えるような授業は退屈だった。俺はふわぁーとあくびをした。
だけど、先生は猫なので、やっぱり可愛らしい。それだけが救いだ。
授業そっちのけで、先生の可愛らしいし姿を眺めている俺ってなと思うけれど。
「お~い、猫太君授業はちゃんと聞いているのかな~」
気がつくと先生が俺の机の前に立っていた。
「あ、すみません。聞いていな、あ、聞いていますよ」
俺は慌てて返事をした。
「本当かな? 退屈そうにあくびをしてそれから僕の顔を見ている気がするんだけどね」
先生はそう言って溜め息をついた。
「そ、そんなことありませんよ……先生の有難い授業はちゃんと聞いていますよ」
「そうかな? 先生の授業は有難いかな」
先生は嬉しそうに笑った。
まさか、お経みたいな授業ですよと答えることも出来ず俺はあははっと笑った。
そして、「はい……」と答える自分って馬鹿だよなと思う。
「そっか、では、猫太君、先生とマンツーマンの補習授業をしようではないか」
「えっ! そんな……馬鹿な」
「猫太君、どうしましたか?」
先生は肉球のある可愛らしい手を腰に当てて首を傾げた。その姿が可愛らしくてもふもふしたくなる。
「猫太君、聞いていますか?」
「あ、はい、聞いていますよ。マンツーマン補習ですね」
「はい、マンツーマン補習を開催してあげますよ」
言ってにやりと笑う先生は楽しそうだった。
俺の負けだ。おとなしく補習授業を受けますよ。
こうして、俺は補習授業を受けることになったのさ。
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