わたし異世界でもふもふ達と楽しく過ごします! もふもふアパートカフェには癒し系もふもふと変わり者達が生活していました

なかじまあゆこ

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トマト料理とシロッコちゃん

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「シロッコちゃん、トマト尽くしだね」

「うん、トマトは健康に良くて体の内も外も若々しく保つ為のリコピンっていう栄養素がたくさん含まれているんだもん。だからたくさん食べなくちゃにゃん」

  シロッコちゃんはそう言いながらテーブルにトマトサラダが盛られたサラダボウルを並べた。

「若々しさを保つってシロッコちゃん何歳なの?」

  見た感じシロッコちゃんは若そうなもふもふ猫なんだけれど……。それと、この世界の猫はわたし達の地球に住んでいる猫より長生きするのかなと考えた。

「わたしは、二十歳だよ」

「えっ!  二十歳ってシロッコちゃん高齢だね」

「こ、高齢って失礼だにゃん!  わたしは、まだ二十歳なのににゃん。十五歳からすると二十歳は高齢に見えるのかなにゃん?」

  シロッコちゃんは首を橫に傾げた。その姿はとてもキュートだった。

「あはは、満里奈ちゃんおかしいよ」

  笑ったのはケンだ。

「えっ?  ケン君何がおかしいの?」

「この世界の猫は地球の人間と同じくらいの寿命らしいぜ。なのにおばあちゃん扱いしているんだから笑うよ」

  ケンは肩を震わせて笑っている。

「だ、だって知らなかったんだもん!」

  わたしは頬をぷくりと膨らませた。

「あはは、満里奈ちゃんって面白い子だね」

  ケンは笑いながら「俺もご飯食べよっと」と言いながらわたしの左隣の席にどかんと腰を下ろした。わたしは、そんなケンの横顔をじっと見た。やっぱりムカつくよ。

「喧嘩はしないでね。トマトは鎮静作用もあるからイライラの解消にも効くかもにゃん」

「シロッコちゃん詳しいんだね。それはそうと二十歳で健康や若々しさに気を使っているの?」

「うん、若いうちから気をつけなきゃにゃん。なんてね、わたしの家はトマト農家でもあるからにゃん。まあ、健康も大事だし美容にもいいからにゃん」

  そう言ったシロッコちゃんは、よく見るとチューリップ柄のワンピースから真っ赤なトマト色のワンピースに衣装替えしているではないか。

「シロッコちゃん、もしかしたらお料理に服装を合わせているの?」

「もちろんそうだよ。トマト料理にはやっぱり真っ赤なワンピースだにゃん」

  そう言ってにゃははとシロッコは笑った。

  このもふもふ癒しの空間アパートカフェに住んでいるもふもふ動物や人は変わっているなと思った。それがまあ楽しくもあるのだけど。

「満里奈ちゃん、ニヤニヤしているけどどうしたの?」

「ううん、このもふもふ癒しの空間アパートカフェは楽しい場所だな~って思ったんだよ」

  わたしは満面の笑みを浮かべた。この世界に来て良かったなと思った。
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