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わたしと唯奈ちゃんは研修中です。そして可愛らしいお客さん

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  わたしと唯奈ちゃんはメニュー表を眺めうーんと唸った。

「にゃはにゃはにゃん。分からないことがあったらこのミケにゃん先輩に聞いてにゃん」

  ミケにゃんはメニュー表とにらめっこをしているわたし達の顔を見て得意げに胸を張った。

「ミケにゃんちゃんってば先輩風を吹かしているよね」

「うん、めちゃくちゃ先輩風を吹かしているね~」

  わたしと唯奈ちゃんは頷き合った。

「だって、ミケにゃんはもふもふカフェの先輩だもんにゃん。メニューを覚えないと接客出来ないよ。頑張ってにゃん」

「……ミケにゃんちゃんに頑張ってなんて言われたよ。あ、うん、頑張るね」

「メニューはメモをとると覚えやすいかもにゃん」

  ミケにゃんはそう言いながらメモ用紙をわたし達に渡してくれた。そんなミケにゃんの姿がなんだか格好よく見えた。

「ありがとう、ミケにゃんちゃん」

「ありがとう。ミケにゃん先輩らしいね~」

  唯奈ちゃんがメモ用紙を受け取りながらそう言うとミケにゃんは、満更でもない顔で「にゃはは、それほどでもないにゃん」

  そう言ってミケにゃんは照れたように頭をぽりぽり掻いた。もうミケにゃんってば可愛らしいのだから。

  その時、カランカランとドアベルが鳴った。

「あ、お客さんですにゃん!  いらっしゃいませにゃ~ん!」

  ミケにゃんは元気よくお客さんを迎えた。

「ミケにゃんちゃんが店員さんらしくなっているよ」

  わたしはいつものミケにゃんから想像出来ないしっかりしたその姿を見て正直少し驚いた。

「うん、いつものヨダレを垂らしたミケにゃんちゃんじゃないね」

  唯奈ちゃんもどうやら驚いているようだ。

  そして、来店したのは真ん丸な顔が可愛らしいもふもふな猫スコティッシュフォールドのお客さんだった。

  なんて可愛らしいお客さんなんでしょうか。
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