笑顔になれる沖縄料理が食べたくて

なかじまあゆこ

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おばぁの家に行く前に

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「じゃあ、おばぁの家に行こうか」

「うん、愛可のおばぁに早く会いたいよ。だけど、その前にスーパーでお菓子を買いたいよ。愛可、お菓子買って~」

「ちょっと、きらりちゃんってば、さっき船の中でお弁当を食べたよね」

「えへへ、食べたよ。でもね、お菓子は別腹なんだよね」

  きらりちゃんは、そう言ってニヒヒッと笑った。

「……あのね。それにわたしは、きらりちゃんのお母さんでもお姉さんでもないんだからね」

  わたしは、ニヒヒッと笑うきらりちゃんの顔をじっと見て言った。

「だって、わたし船の乗船券を買ってスッカラカンなんだもん。可哀想だと思わないの? 
 小学生がスッカラカンなんだよ」

「……もう分かったよ。お菓子くらい買ってあげるよ」

「やったー流石、愛可だね~」

「じゃあ、行こうか」

  わたしは、嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるきらりちゃんをちらりと見て溜め息をついた。

  わたし達はスーパーへてくてくと向かった。因みに座間味島にコンビニはない。

「お菓子、お菓子、楽しみだな~ってば楽しみだな」

  きらりちゃんは鼻歌を歌いながらわたしの後をついてくる。まるで年の離れた妹みたいで憎たらしいけれどなんだか可愛らしいのだ。

「ここだよ、着いたよ。」

「うふふん!」

「まったくもう。何がうふふんなんだかね」

   わたしは、くるりと振り返りにんまり笑うきらりちゃんの顔見て、それからドアに向き直り中に入った。

  店内は地元の人や観光客などで賑わっていた。冷房がよく効いているのですーっとした。

「わっ、品揃え良さげだね~」

  きらりちゃんは嬉しそうに店内を見渡している。

「さあ、早く選んでね」

「は~い!  何を食べようかな?」

  きらりちゃんは跳ねるように歩き出した。

「ちょっと、きらりちゃんってば」

  わたしは、きらりちゃんの肩をぽんぽんと軽く叩いた。

 すると、きらりちゃんはくるりとこちらに振り返った。

「うん?  愛可どうしたのかな?  今ね、お菓子を選んでいるんだよ」

  きらりちゃんの手には買い物カゴが握られている。

「……それは分かっているんだけど、どうして買い物カゴの中がお菓子でてんこ盛りなのかな?」

「えっ?  だって、お菓子を選んでいるんだもん。あ、もずくチップって美味しくないかな?  やっぱり紅芋チップの方が美味しいよね?」

  きらりちゃんは、買い物カゴの中に手を突っ込みながら言った。

「……きらりちゃん」

「ん?  何?」

「何じゃないわよ。誰がそんなにたくさん買うと言ったのよ。お菓子は一個だけにしてよね」

「……えっ!  そんな~せっかくたくさん選んだのに酷いよ」

  きらりちゃんは顔を歪めてわたしの顔を見るけれど、酷いのはどっちなのよ。

  その時。

「愛可ちゃん」とわたしを呼ぶ声が聞こえてきた。
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