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ゴーヤチャンプルーを食べよう
しおりを挟むわたしがテーブルに出しておいた南国風のお皿にゴーヤチャンプルーが盛り付けられた。
「愛可ちゃん、ゴーヤチャンプルーに鰹節をふりかけてくれるかい」
おばぁがわたしに鰹節の袋を渡した。
わたしは、受け取った鰹節の袋を開けゴーヤチャンプルーに鰹節をふりかけた。
「わ~い! 完成だね」
鰹節をふりかけたことでわたしもゴーヤチャンプルー作りに参加できた気持ちになり嬉しくなった。
おばぁの作る料理をじっと見ていた昔のわたしがここに帰って来たそんな風に感じた。
「さて、冷めないうちに食べようね」
おばぁはそう言いながらいつの間にか用意していた山盛りご飯をテーブルに置いた。
「わぁ~ご飯が山盛りだよ」
きらりちゃんはぴょんぴょん飛び跳ね喜んでいる。
「たくさん食べようね。おばぁの料理久しぶりだな」
わたしも飛び跳ねそうになったけれどぐっとこらえ笑った。
わたし達は食卓についた。
「いただきま~す」
久しぶりに食べたおばぁのゴーヤチャンプルーは美味しかった。
「おばぁ、ゴーヤがシャキシャキしていて美味しいよ。このゴーヤの苦味もまた美味しいね」
「ホホッ、そうかい。それは嬉しいね。おばぁは愛可ちゃんの笑顔を見ることができて幸せだよ」
おばぁは頬をゆるりと緩めてわたしの顔を見ている。そんなおばぁを見るとわたしは、幸せな気持ちになった。
「ちょっと苦いけど美味しいよ~」
きらりちゃんもそう言い笑顔でゴーヤチャンプルーを食べている。
「きらりちゃんも美味しいかい。ありがとうね。そう言ってもらえると嬉しいよ」
おばぁもゴーヤを口に運んだ。
シャキシャキしたゴーヤに大きく切った島豆腐、そして、ご飯とよく合いたくさん食べられる。
ほっぺたが二つでは足らないほど美味しくて幸せだ。
「愛可ちゃんは本当に幸せそうにご飯を食べてくれるね」
おばぁのその言葉が懐かしくてなんともいえない気持ちになった。
「わたし、おばぁの料理だったらいくらでも食べられるよ」
「うふふ、そうかい。おかわりするかい?」
「うん、おかわりするよ」
この会話。そう、おばぁと幼い日にしていたこの会話が懐かしくてまるであの日に戻ったみたいで、嬉しくてなんともいえない気持ちになった。
「は~い! わたしもおかわりしま~す」
きらりちゃんもお皿を差し出しながら言った。
「きらりちゃんもおかわりをしてくれるんだね。今日のおばぁは幸せだよ」
おばぁは顔をしわくちゃにして笑いながらきらりちゃんが差し出したお皿とわたしのお皿をお盆に載せた。
こんなに喜んでもらえるのだったら毎年遊びに来ていたらなと思った。だけど、まだまだおばぁは元気でいてくれるはずだ。
これからおばあちゃん孝行をしようとわたしは心に誓った。
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