二度目の勇者は我が道を行く

眠たいカラス

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…狙ってたんですけどね?

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「ギャハハハ!」

まぁ、そうして欲しくてこの依頼板クエストボードを見ていたので「獲物が釣れた」んだけどな。

「うるさっ…」

挑発しておくとそのうち手を出…

バキッ

「ナメてんじゃねぇぞ!クソガキィ!」

と言ってビールの入った木製のグラスをユウキに向かって投げた。
彼の食事が置かれていたテーブルは一部が砕け、木片が散らばっている。
ユウキは投げられたグラスをビールがこぼれないようにキャッチして中身を飲み干し、グラスだけを投げ返した。
ユウキの投げたグラスに反応が出来なかった男はみっともなくグラスが頭に当たり後ろに倒れた。
冒険者ギルド支部の中は爆笑の渦に包まれた。

「ガートンだっぜぇ!」

という声がそこらじゅうから聞こえるのと同時に…

「いいぞ!新人!もっとやれ!」

という声も聞こえてくる。
ガートンと呼ばれた男は砕けたテーブルを握り潰しながら起き上がり、腰につけていた剣を抜いた。
真剣を抜く…という行為はお前の命を奪うということを意味する合図だ。
訓練で使われる木剣とは違う。

「ガートン!それは…!」

「おいおい、キレすぎだって…!」

「うるせぇ!ガキがナメやがって…ぶっ殺す!」

同じテーブルに座っていた仲間の制止も聞こうとしなかった。

「はぁ…先に抜いたのは君だからね?」

ユウキも短剣を抜き、構える。
ガートンの左手はなにかを握っているのか血がポタポタと垂れている。
恐らく、テーブルの握り潰した破片を投げて目潰しをするつもりなのだろう。
左手からなにかを投げたのと同時に斬りこんでくる…が、ユウキは近くにあったテーブルをガートンの方に投げて走る。
ガートンの投げたテーブルの破片はテーブルに弾かれ、テーブルを叩き切ったガートンはユウキの姿を見失うと両足に激痛が走り、転倒した。
ユウキの姿はいつの間にかガートンの後ろ側にあった。
ユウキがガートンの方に近づくとガートンの仲間と思われる者達がガートンの前に膝を付いて謝罪をした。

「頼む!酔っ払っていただけなんだ!許してやってくれ!」

「…金をやるから許してくれないか?」

「あのなぁ…」

「頼む!」

そう言ってガートンの仲間は土下座をした。
もう一人も腰を90度に曲げて謝罪をしてきた。
当の本人も四つん這いのような形で謝罪をした。
ユウキが一歩踏み出すと腰を曲げていた仲間がガートンの前に移動する。

「…なんだ?」

「これ以上は許して貰えないだろうか…ガートンを止められなかった俺たちがこんなことを言うのはおかしいが…頼む…」

「勘違いをするな…どけ」

ユウキはガートンの仲間を押しのけると四つん這いになっているガートンの前に立つ。
ガートンは四つん這いのまま顔だけを上げてユウキを見た。
ユウキはガートンの目の前の床にガートンの剣を刺す。

「返しとく。続けるか?」

「…いや、やめておく。すまなかった」

「そうか…よろしい!んじゃ、ビール飲んで悪かったな!これやるからチャラにしてくれ!」

「えっ…?」

そういってユウキはガートンの前にポーションを置いた。
ユウキはポーションの栓を抜くと…

「ささっ、グイッと言っとこーぜ」

ガートンはユウキの目を見るとポーションを掴んで一気に飲み干した。

「に、苦ぇ…」

「良薬口に苦し…っていうだろ?」

「あれ?足が…痛くねぇ」

「これでチャラな?」

「あぁ…助かった」

「なんだ…俺が年下のガキって言葉を本気にするわけないだろ?」

「年下…?ちょっと待て…俺は18だぞ?」

「…年下だろ?俺は20だ」

『……はぁ!?』

冒険者ギルド支部の中に居た全員が同時に驚いた。
そんなに若く見えるかねぇ…一応日本でもお酒が飲めるんだよ?
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