1 / 5
序章
子供の私と子供の君達
しおりを挟む
子供の私は、同じ村の子供の君達と今日も遊ぶ、
ここはスールズ、山奥の村商人も滅多に来ることのない
忘れられた村。
村全体でも100人もいない、そんな中で同年代の私たちは今日も4人で遊ぶ、
「おい、セラ~早く来いよ~!!」
赤い髪のまるで太陽のようにキラキラした笑顔をこちらに向ける彼は私たちのリーダー、ビタークレス。普段はクレスと呼ばれている。
「クレスが少し待ってやれよ」
青い髪の彼は知性にあふれたその眼差しで私に振り返ってほら、と手を差し出す。名前はジェンソン
「そんなに急いでも特に何かあるわけじゃないんだから、ゆっくり行こうよ、セラに合わせてあげないと」
緑の髪型はまるでさわやかな木々を連想させる、そんな彼は呆れたように私の隣で歩幅を合わせくれている
「ありがとう、ムーラン、ジェンソンも私に歩幅を合わせるのってむしろ疲れるよね。」
ジェンソンの手を取りながら目の前の膝丈くらいまである石を超えたのはセラフィーナ4人組の中では妹位置にいる少女で肩下まで伸びた銀色の髪が靡いた。
村を囲うようにある山は王都に住まう人たちにとっては少し厳しい環境だと思うけど、私たちにとってはまさに庭のようなものであった、ウサギを追いかけては、木々の陰でかくれんぼをして、時にはゴブリン程度の低級の魔物であるならば私たちにとっては大した相手ではない、
「うっし、今日はじゃあ薬草を探そうぜ!」
「薬草?」
クレスは腰に両手をあてて頷いた
「じいちゃんが最近、村で薬草が足りなくなってきたって言ってたしどうせなら俺たちでたくさん集めて
持って帰ってやろうぜ!!」
「それって、クレスが頼まれたおつかい....とかじゃないのか?」
ジェンソンが疑わしい目をクレスに向けた、同様にムーランも怪しいと声をもらした
「うっ…」
クレスは気まずそうに視線を泳がしている。時より、ちらりとこちらに視線を向けている、
助けてほしいんだろうな、、、
「ま、まあ、薬草は村の人たちのためにもなるし、一人で探すよりもみんなで探したほうが効率もいいだろうし、
みんなで集めよう!」
「さすが、セラ!!そうそう!!俺はそれが言いたかったんだよ!!」
うんうんと何度も相槌を打っては彼らからの視線をごまかそうとしている
そんなクレスに二人は、はぁとため息をこぼしている
「いいように使われているだけな気がするが」
「セラの言ってることは理解はできますけどね、、、まあいいか」
「よしっ!じゃあとりあえず、必要な薬草は3種類なんだけど、」
そう言うとクレスは腰についている袋から紙を取り出した
やはり最初から手伝わせる気があったようだ
「うーん、こっち2つは群用地がそこら中にあるから見つけやすそうだけど、」
「ゼラニウム…しかも黄の色って......山頂だよね、確か」
「山頂だな」
「おう、山頂だな!」
「…アハハッ………」
ジェンソンとムーランは再び視線を赤髪の彼に向けた
「うっ……」
「山頂までってなると、そりゃあセラを急かすわけだね」
「ま、まあまあ……」
「「はぁ……」」
「ため息ばっかついてると、幸せが逃げるぞ」
「「誰のせいだよ」」
クレスは聞こえてないフリをしてるのかそれともほんとに聴こえていないから、多分聴こえてないことは無いんだろうけど、薬草の群生地の一つへと歩みを進めた
「おい、誰かあのバカをどうにかしろ」
「今に始まったことじゃないでしょ…っと、セラ、そろそろ行けそう?」
急かされて早歩きだったことから少し息は切れていたが、ジェンソンとムーランにはお見通しのようだった、多分きっとクレスも気づいては…いるのだろうか分からないが、小休止には丁度よかった
「うん、ありがとう。早いところ動かないと山頂に着いても降りる時には陽が暮れてしまうだろうし、急がないとだね」
そういうと3人は何やかんや恨めない自身らのリーダーの後を追ったのだった。
「これで二つ目の薬草も足りそうだね」
ムーランは手に持った袋の中を見ながら言った
一つ目の群生地と二つ目の群生地を慣れた足取りで私達は山を登った、一つ目の群生地で採取をしてるときに山頂目指して、そこから降りる様に群生地を巡ればいいのでは?とジェイソンが言ったが、我らがリーダーは考えなしの様に次なる群生地へと向けてもう進んでいた
「もう行っちゃてる…よ?」
困った顔を隠せないムーランは私に疲れてない?と問いかけてくれた
「うん、大丈夫だよ。採取した薬草もムーラン達が持ってくれてるから」
「このペースで行くなら日が暮れる前には村に帰れそうだな」
ジェイソンは空に浮かぶ陽の位置を見ながら言う
「そうだね、ここまでゴブリンにも遭遇してないし順調に行けば間に合いそうだね」
「ま、とりあえず行こう。僕たちのリーダー様はもう…あんなところにいるから…」
ムーランが呆れた視線を寄越した先にはだいぶ進んだであろう赤い頭が自分たちより少し上の高低差の場にいた
「全く、勝手なやつだな…」
「そう言いながらもジェイソンはクレスのこと憎めないものね」
セラが笑いながら言うとジェイソンは参ったと言わんばかりに肩をすくめて先に行った
ここはスールズ、山奥の村商人も滅多に来ることのない
忘れられた村。
村全体でも100人もいない、そんな中で同年代の私たちは今日も4人で遊ぶ、
「おい、セラ~早く来いよ~!!」
赤い髪のまるで太陽のようにキラキラした笑顔をこちらに向ける彼は私たちのリーダー、ビタークレス。普段はクレスと呼ばれている。
「クレスが少し待ってやれよ」
青い髪の彼は知性にあふれたその眼差しで私に振り返ってほら、と手を差し出す。名前はジェンソン
「そんなに急いでも特に何かあるわけじゃないんだから、ゆっくり行こうよ、セラに合わせてあげないと」
緑の髪型はまるでさわやかな木々を連想させる、そんな彼は呆れたように私の隣で歩幅を合わせくれている
「ありがとう、ムーラン、ジェンソンも私に歩幅を合わせるのってむしろ疲れるよね。」
ジェンソンの手を取りながら目の前の膝丈くらいまである石を超えたのはセラフィーナ4人組の中では妹位置にいる少女で肩下まで伸びた銀色の髪が靡いた。
村を囲うようにある山は王都に住まう人たちにとっては少し厳しい環境だと思うけど、私たちにとってはまさに庭のようなものであった、ウサギを追いかけては、木々の陰でかくれんぼをして、時にはゴブリン程度の低級の魔物であるならば私たちにとっては大した相手ではない、
「うっし、今日はじゃあ薬草を探そうぜ!」
「薬草?」
クレスは腰に両手をあてて頷いた
「じいちゃんが最近、村で薬草が足りなくなってきたって言ってたしどうせなら俺たちでたくさん集めて
持って帰ってやろうぜ!!」
「それって、クレスが頼まれたおつかい....とかじゃないのか?」
ジェンソンが疑わしい目をクレスに向けた、同様にムーランも怪しいと声をもらした
「うっ…」
クレスは気まずそうに視線を泳がしている。時より、ちらりとこちらに視線を向けている、
助けてほしいんだろうな、、、
「ま、まあ、薬草は村の人たちのためにもなるし、一人で探すよりもみんなで探したほうが効率もいいだろうし、
みんなで集めよう!」
「さすが、セラ!!そうそう!!俺はそれが言いたかったんだよ!!」
うんうんと何度も相槌を打っては彼らからの視線をごまかそうとしている
そんなクレスに二人は、はぁとため息をこぼしている
「いいように使われているだけな気がするが」
「セラの言ってることは理解はできますけどね、、、まあいいか」
「よしっ!じゃあとりあえず、必要な薬草は3種類なんだけど、」
そう言うとクレスは腰についている袋から紙を取り出した
やはり最初から手伝わせる気があったようだ
「うーん、こっち2つは群用地がそこら中にあるから見つけやすそうだけど、」
「ゼラニウム…しかも黄の色って......山頂だよね、確か」
「山頂だな」
「おう、山頂だな!」
「…アハハッ………」
ジェンソンとムーランは再び視線を赤髪の彼に向けた
「うっ……」
「山頂までってなると、そりゃあセラを急かすわけだね」
「ま、まあまあ……」
「「はぁ……」」
「ため息ばっかついてると、幸せが逃げるぞ」
「「誰のせいだよ」」
クレスは聞こえてないフリをしてるのかそれともほんとに聴こえていないから、多分聴こえてないことは無いんだろうけど、薬草の群生地の一つへと歩みを進めた
「おい、誰かあのバカをどうにかしろ」
「今に始まったことじゃないでしょ…っと、セラ、そろそろ行けそう?」
急かされて早歩きだったことから少し息は切れていたが、ジェンソンとムーランにはお見通しのようだった、多分きっとクレスも気づいては…いるのだろうか分からないが、小休止には丁度よかった
「うん、ありがとう。早いところ動かないと山頂に着いても降りる時には陽が暮れてしまうだろうし、急がないとだね」
そういうと3人は何やかんや恨めない自身らのリーダーの後を追ったのだった。
「これで二つ目の薬草も足りそうだね」
ムーランは手に持った袋の中を見ながら言った
一つ目の群生地と二つ目の群生地を慣れた足取りで私達は山を登った、一つ目の群生地で採取をしてるときに山頂目指して、そこから降りる様に群生地を巡ればいいのでは?とジェイソンが言ったが、我らがリーダーは考えなしの様に次なる群生地へと向けてもう進んでいた
「もう行っちゃてる…よ?」
困った顔を隠せないムーランは私に疲れてない?と問いかけてくれた
「うん、大丈夫だよ。採取した薬草もムーラン達が持ってくれてるから」
「このペースで行くなら日が暮れる前には村に帰れそうだな」
ジェイソンは空に浮かぶ陽の位置を見ながら言う
「そうだね、ここまでゴブリンにも遭遇してないし順調に行けば間に合いそうだね」
「ま、とりあえず行こう。僕たちのリーダー様はもう…あんなところにいるから…」
ムーランが呆れた視線を寄越した先にはだいぶ進んだであろう赤い頭が自分たちより少し上の高低差の場にいた
「全く、勝手なやつだな…」
「そう言いながらもジェイソンはクレスのこと憎めないものね」
セラが笑いながら言うとジェイソンは参ったと言わんばかりに肩をすくめて先に行った
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる