最強天才俺「やれやれ……俺の出番ってわけか」

道楽時計

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第六話 誰もお前を知ろうとしない

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ヒュウー 

少女「…………」 

?「さあ、飛ぶのです! ここから飛び降りるのです!」 

少女「…………」 
少女「お父さん……イケメンくん、友ちゃん……ごめんなさい、ごめんなさい」ポロポロ 

?「ああ、まったく、貴女がいなければ三人ともまだ元気に生きていたでしょうに! 貴女と関わらない世界で!」 
?「貴女の傲慢、エゴが殺したようなものでしょう!」 
?「さあ、その罪を、今こそ償うときです! 飛び降りるのです!」 

「その必要はないぜ」 

?「む? どなたですか?」 

最強天才俺「やれやれ……俺の出番ってわけか」 

?「貴方は……」
少女「だれ?」 



?「貴方、なぜここに?」 

最強天才俺「天才だからだ」 

少女「え? え?」 

最強天才俺「さあ、覚悟しな悪党。俺のパンチ、下衆とカスには少し効きすぎるぜ?」 

?「ふふ……言ってくれますね。人間如きが、このぼくに何をしようと?」 

少女「お、おじさん、名無しさんの名前を知ってるの?」 

最強天才俺「は? そんなくだらんもん知らんわ」 

?「……少々驚かされましたが、ただの馬鹿でしたか」 



最強天才俺「おらおらおらぁっ!」ヒュンヒュンッ 

?「そんなパンチ……躱すまでもなオガァッ!?」 
ゴスゴスゴスッ 

最強天才俺「歪(ひずみ)を感じてくれば……小学校に居座るただのロリコン下級精霊か、くだらん」 

?「ぼ、ぼくがロリコン下級精霊だとぉっ! 人間の分際で舐めた口をッ!」 
?「いいだろう! 全力で相手をしてやるっ!」スゥー 

最強天才俺「遅いっ!」ゲシッ 

?「無駄ですよ。ぼくの名前を知らない貴方からは、今のぼくに干渉できません」スカッ 

最強天才俺「……ほう」 

?「ぼくを馬鹿にして、楽に死ねると思わないでください」ニタァッ 

最強天才俺「ふんっ!」ブンッ 

?「当たらないって言ってるでしょうが! くらえ、針山地獄!」 
ザザザザザッ 

少女「な、なにもないところから急に針が……」 

?「さあ、その鬱陶しい強がりもそこまでですよ」 

最強天才俺「……ふむ、そこそこの威力だな。ちょっと血が出たぞ」ペロッ 

?「……なるほど、甚振るのは無理らしい」 

少女「あ、『あ』から始まる名前かも、しれないって……」 

最強天才俺「あ? アホの坂田か?」 

?「どこまでも舐め腐った態度を……」 



?「貴方の頑丈さはわかりました」 

最強天才俺「そりゃ光栄だ坂田さん」 

?「ですがっ! そんな低次元な話は関係ない!」ブゥンッ 

最強天才俺「お? 光る剣?」 

?「死ねぇっ! 空間ごと破壊してやる!」ズンッ 

最強天才俺「むぐっ!?」 

少女「お、おじさん!」 

?「……どうして、空間が斬れたのに生きてるんですか?」 

最強天才俺「俺が最強だからだ」 



最強天才俺「最強天才パンチ」ブンッ 

?「だからそんなパンチなぞオブジェ!!」グシャッ 
?「……な、なんで」 
?「まさかぼくの、ぼくの名前を?」 

最強天才俺「だからそんなくだらないもん知るかっつうの」 
最強天才俺「なぁーにが、名前が知られない限り無敵だ。どこの構ってちゃんだよ。どんなけ詮索してほしいんだよ」 
最強天才俺「お前みたいなクソヤローは、誰からも名前ひとつ覚えてもらえず孤独にひっそり死んでいくのがお似合いだぜ」 
最強天才俺「お前が必死にコツコツ小学生相手に積み上げた『名無しさん』の名も、今日を境に消えるんだよ」 

最強天才俺「どれだけ必死に隠されようが、お前みたいな嫌な奴の名前、誰が知りたがるかっつうの」 

?「こ……この……言わせておけば……」 

最強天才俺「最強天才キック」フンッ 

?「ヒデブゥッ!」ゴシャッ 



?「……ふ、ふふ、ぼくでは貴方に敵わないようですね、それは認めましょう」 
?「ですが、ぼくの勝ちです。ぼくの遺した傷跡は、決して癒えやしない! 世界は何も変わっちゃいない!」 
?「貴方がどれだけぼくを殴ろうと、それはただの憂さ晴らしにもなりやしない!」 

天才最強俺「…………」 

?「ぼくは貴方のいない平行世界に跳ぶことにしましょう」 
?「そこでまた同じことを繰り返すだけですよ! この世界からは引いてあげましょう!」 

?「それではお嬢ちゃん、お幸せに。クァーファッハッハッ! クゥワーハッハ!」 

天才最強俺「行くならさっさと行けよ。こっちはお前の面なんか見たくねぇっつってんだろ」ブンッ 

?「アゴゥッ!」ゴキィッ 



少女「き、消えた……名無しさんは……死んだの?」 

最強天才俺「いや、アイツの言う通り俺のいない平行世界に逃げただけだ」 

少女「…………」 

最強天才俺「殺してほしかったか?」 

少女「そんなの……わかりません」 

最強天才俺「でもな……お嬢ちゃん。あいつの悪行をなかったころにならできるぞ?」 

少女「え?」 

最強天才俺「空間を斬ったり他世界へ逃げたりしていただろう? 平行世界を混ぜこぜして好きな世界を創るのが、あいつのプレゼントの正体だ」 
最強天才俺「俺なら……捻じれを戻し、元の世界に変えることができる」 

少女「ほ、本当ですか?」 

最強天才俺「ああ、本当だとも」 
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