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第五話 遂に訪れる運命の出会い!(やっとですか!)
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「どうも、テトです! 僕は現在…熊に襲われている最中です!」
耳の尖っている人達の村から何とか逃げ出した僕は、森を彷徨っていると…突然目の前に大きな熊に出くわしました。
ところがその熊は、腕が4本ある熊で…しかも僕が居る枝まで木を登っているではありませんか‼
さすが僕達の世界とは違う…異世界?
…というのかな?
熊は僕達の世界でもこれ位に大きいけど、腕は4本もありません。
そして木を登る事もありません。
緑色の人達に喰われそうになるのを回避して、植物に食べられそうになり、助け出されたと思ったら耳の尖った人達に処刑されそうになり…それも回避出来たと思いましたが、どうやらこれが最期の時の様です。
捕まりたくなくて高い枝に昇って回避をしようとすると、4本の腕のある熊は更に迫ってきます。
そしてそれ以上、枝の無い場所まで登っているのに…熊はもう少しで僕に届きそうな勢いです。
「誰か~~~本当に助けてくれ~~~~~~~~!!!」
僕はありったけの声で叫びました。
すると下の方から声がしてきました。
「そこの木の上にいる奴、何があった?」
「腕が4本ある熊が迫って来ているんです!」
「そうか! なら木を根元から倒すからどこかにしがみ付いて居ろ‼」
「へ? 倒す⁉」
下にいた声の主は、枝で見えないけど木に何かをしている様な感じだった。
ドン! ドン! という衝撃が僕の方に伝わって来た。
こんなに大きな大木を切るとなれば、斧でも使っているのだろうと思ったのだが…そもそも、そんなに早くこんな大木を倒せるのだろうか?
「すいません、出来れば急いで…熊がもうそこまで迫ってきているので!」
「えぇぃ! 急かすんじゃない‼」
僕は下にいた声の主に怒られてしまった。
なるべく下にいる声の主が集中出来るように声を発するのを辞めた。
そして熊の爪が僕の足に触れるかどうかの場所に迫って来ると、下の声の主は言った。
「よし、木が倒れるぞ! しっかり掴まっているんだ‼」
僕は言われた通りに木にしがみ付いた。
すると大木はメキメキと音を立てて倒れていくのだが…その方向が僕の背中に向かって倒れて行ったのだった。
「このままでは僕も下敷きに遭う⁉」
そう思った僕は、体を反転させて木の反対側に移った。
すると木は倒れて行き…熊は木から落ちて物凄い音が地面に響いたのだった。
僕は下の声の主が言った通りに、木を手放す事が無く最後までしがみ付いてたのだった。
そして僕は木から手を離してお礼を言おうとその人を見た。
僕より少し高い身長に、胴長で短足。
手には巨大な斧を持っていて、髭面のお爺さんに見えたのだった。
「助けて戴き有り難う御座います。 助けてもらっておいてこんな事を聞くのは失礼かもしれませんが…」
「なんじゃ? 何でも聞いてもみろ!」
「では…僕の事を食べたりしませんよね?」
「誰が喰うか!」
「気に入らなければ処刑を…とか?」
「ワシを何処の野蛮人だと思っている⁉︎」
「良かったぁ~この世界に来てから二度殺されそうになったり、二度喰われそうになったからね。」
「お前は今迄…どんな人生を送って来たんだ?」
僕はこのお爺さんに今迄の経緯を話した。
両親に見捨てられ、親戚の家では無碍に扱われ、この世界に来たら役立たずは要らんと言われて崖から突き落とされて…
「そして高い場所から落とされましたが、なんとか生きていたと思ったら…話の通じないブサイクな緑色の人に捕まって鍋に入れられて喰われそうになって…」
「ゴブリンじゃな! アイツらは自分より弱い男を喰う習性があるからな。」
「そこから逃げ出せたかと思ったら、今度はウツボカズラに似た巨大な植物に捕まって喰われそうになり…」
「食人植物か…アイツらはツタに触れた者を捕食するからな。」
「その後に顔は綺麗だけど性格が悪い耳の尖った人達に助けられたけど、何故か捕まって牢屋に入れられて…」
「エルフじゃな! アイツらは気位が高くて、多種族を見下すといういけ好かない奴らよ!」
「牢屋から自分の特殊能力…というのかな? それを発動させたら、耳の尖った人達の大事な御神木というのを倒してしまい…」
「エルフ族の長老の木をか? よく生きていたな…」
「そしてそこから逃げ出せたかと思ったら、今度は熊に襲われそうになったので急いで木に登っていたら、その熊も木をよじ登ってきて…」
「熊? あぁ…魔熊じゃな! 変異種の魔獣だ。」
「その後にあなたに助けて戴きました。 本当にありがとうございます!」
「なんというか…過酷な人生の連続だな? よく生きられたな…これでは開口一番に喰うとか処刑とか言った意味が分かるというものじゃ!」
お爺さんは頭を押さえながら僕を見た。
そして僕にこう言った。
「お前…ワシのところに来るか? その様子じゃ頼る相手もいないじゃろ?」
「本当ですか? 有り難う御座います、お爺さん!」
「ワシはギムじゃ! ドワーフ族の鍛治職人のギムじゃ!」
「僕はテトと申します。」
「テト…じゃな! とりあえずワシの家に案内するが…その前に」
ギムは斧を使って熊を解体し始めた。
そして肉と爪と革だけ確保すると、その他はそこに放置した。
ギムは僕を家まで案内してくれたのだった。
そしてギムは僕に食事を用意してくれて、無我夢中で食べた。
食べ終わると眠くなって、倒れる様に眠ったのだった。
思えば…城から追い出されてからと言うもの、気が休まる時が少しも無かった。
僕は安心感からか、爆睡してしまったのだった。
これから僕は、ギムと一緒に暮らす事になる。
そういえば、クケコお姉ちゃんとかどうしているかな?
耳の尖っている人達の村から何とか逃げ出した僕は、森を彷徨っていると…突然目の前に大きな熊に出くわしました。
ところがその熊は、腕が4本ある熊で…しかも僕が居る枝まで木を登っているではありませんか‼
さすが僕達の世界とは違う…異世界?
…というのかな?
熊は僕達の世界でもこれ位に大きいけど、腕は4本もありません。
そして木を登る事もありません。
緑色の人達に喰われそうになるのを回避して、植物に食べられそうになり、助け出されたと思ったら耳の尖った人達に処刑されそうになり…それも回避出来たと思いましたが、どうやらこれが最期の時の様です。
捕まりたくなくて高い枝に昇って回避をしようとすると、4本の腕のある熊は更に迫ってきます。
そしてそれ以上、枝の無い場所まで登っているのに…熊はもう少しで僕に届きそうな勢いです。
「誰か~~~本当に助けてくれ~~~~~~~~!!!」
僕はありったけの声で叫びました。
すると下の方から声がしてきました。
「そこの木の上にいる奴、何があった?」
「腕が4本ある熊が迫って来ているんです!」
「そうか! なら木を根元から倒すからどこかにしがみ付いて居ろ‼」
「へ? 倒す⁉」
下にいた声の主は、枝で見えないけど木に何かをしている様な感じだった。
ドン! ドン! という衝撃が僕の方に伝わって来た。
こんなに大きな大木を切るとなれば、斧でも使っているのだろうと思ったのだが…そもそも、そんなに早くこんな大木を倒せるのだろうか?
「すいません、出来れば急いで…熊がもうそこまで迫ってきているので!」
「えぇぃ! 急かすんじゃない‼」
僕は下にいた声の主に怒られてしまった。
なるべく下にいる声の主が集中出来るように声を発するのを辞めた。
そして熊の爪が僕の足に触れるかどうかの場所に迫って来ると、下の声の主は言った。
「よし、木が倒れるぞ! しっかり掴まっているんだ‼」
僕は言われた通りに木にしがみ付いた。
すると大木はメキメキと音を立てて倒れていくのだが…その方向が僕の背中に向かって倒れて行ったのだった。
「このままでは僕も下敷きに遭う⁉」
そう思った僕は、体を反転させて木の反対側に移った。
すると木は倒れて行き…熊は木から落ちて物凄い音が地面に響いたのだった。
僕は下の声の主が言った通りに、木を手放す事が無く最後までしがみ付いてたのだった。
そして僕は木から手を離してお礼を言おうとその人を見た。
僕より少し高い身長に、胴長で短足。
手には巨大な斧を持っていて、髭面のお爺さんに見えたのだった。
「助けて戴き有り難う御座います。 助けてもらっておいてこんな事を聞くのは失礼かもしれませんが…」
「なんじゃ? 何でも聞いてもみろ!」
「では…僕の事を食べたりしませんよね?」
「誰が喰うか!」
「気に入らなければ処刑を…とか?」
「ワシを何処の野蛮人だと思っている⁉︎」
「良かったぁ~この世界に来てから二度殺されそうになったり、二度喰われそうになったからね。」
「お前は今迄…どんな人生を送って来たんだ?」
僕はこのお爺さんに今迄の経緯を話した。
両親に見捨てられ、親戚の家では無碍に扱われ、この世界に来たら役立たずは要らんと言われて崖から突き落とされて…
「そして高い場所から落とされましたが、なんとか生きていたと思ったら…話の通じないブサイクな緑色の人に捕まって鍋に入れられて喰われそうになって…」
「ゴブリンじゃな! アイツらは自分より弱い男を喰う習性があるからな。」
「そこから逃げ出せたかと思ったら、今度はウツボカズラに似た巨大な植物に捕まって喰われそうになり…」
「食人植物か…アイツらはツタに触れた者を捕食するからな。」
「その後に顔は綺麗だけど性格が悪い耳の尖った人達に助けられたけど、何故か捕まって牢屋に入れられて…」
「エルフじゃな! アイツらは気位が高くて、多種族を見下すといういけ好かない奴らよ!」
「牢屋から自分の特殊能力…というのかな? それを発動させたら、耳の尖った人達の大事な御神木というのを倒してしまい…」
「エルフ族の長老の木をか? よく生きていたな…」
「そしてそこから逃げ出せたかと思ったら、今度は熊に襲われそうになったので急いで木に登っていたら、その熊も木をよじ登ってきて…」
「熊? あぁ…魔熊じゃな! 変異種の魔獣だ。」
「その後にあなたに助けて戴きました。 本当にありがとうございます!」
「なんというか…過酷な人生の連続だな? よく生きられたな…これでは開口一番に喰うとか処刑とか言った意味が分かるというものじゃ!」
お爺さんは頭を押さえながら僕を見た。
そして僕にこう言った。
「お前…ワシのところに来るか? その様子じゃ頼る相手もいないじゃろ?」
「本当ですか? 有り難う御座います、お爺さん!」
「ワシはギムじゃ! ドワーフ族の鍛治職人のギムじゃ!」
「僕はテトと申します。」
「テト…じゃな! とりあえずワシの家に案内するが…その前に」
ギムは斧を使って熊を解体し始めた。
そして肉と爪と革だけ確保すると、その他はそこに放置した。
ギムは僕を家まで案内してくれたのだった。
そしてギムは僕に食事を用意してくれて、無我夢中で食べた。
食べ終わると眠くなって、倒れる様に眠ったのだった。
思えば…城から追い出されてからと言うもの、気が休まる時が少しも無かった。
僕は安心感からか、爆睡してしまったのだった。
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そういえば、クケコお姉ちゃんとかどうしているかな?
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