【完結】学校帰りに石蹴りしながら帰っていたら異世界召喚! 貧乏なので異世界の知識はありませんよ?

アノマロカリス

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第十三話 久々に味わう故郷の味…

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 「どうも、テトです! 僕は現在…宿のベッドで食べ過ぎて腹がはち切れそうになり苦しんでいます!」

 集落のドワンゴの御飯も美味しいけど、街の食堂の御飯はまた格別です。
 調味料をふんだんに使用しているし、何より葉物野菜が出て来る所だった。
 集落での食事でも野菜は出るが…肉の量に比べて野菜の量は少ない。
 育ち盛りの僕としては、肉は嬉しいけど…肉だけ多いというのは戴けなかった。
 だけど、ここには野菜が山盛りで来る!
 僕は今迄補えなかった野菜を喰いまくっていた。

 「テトよ…肉を喰わんと大きくなれんぞ?」
 「肉は好きだけど、今は野菜を食べたくてね。」
 「ウチの集落では野菜はあまり喰わんからなぁ…これからはテトの為に増やすか!」
 「ありがとう! ドワンゴ…父さん!」
 「と…父さん! 良い響きじゃ~~~!!!」
 「テトよ、ワシは⁉」
 「何? ギム父さん!」
 「ドワンゴ…父さんと呼ばれるのは、嬉しいな‼」
 「あぁ、ギムよ‼」
 「「「ワシ等は⁉」」」
 「あ…ギル父さん、グレッド父さん、ガルダ父さん。」
 「ワシ等の事も…父と呼んでくれる!!! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
 「女将! 今日は祝いじゃ! ジャンジャン料理と酒を持ってこい‼」
 
 5人の父さん達は、僕に父と呼んで貰って…嬉しくなって宴会をし始めたのだった。
 出される料理に舌鼓を打っていたが…僕には今一つ物足りないものがある。
 それは、この世界に来てから米を一切食べていない事だった!

 「どうしたテト? 食が進んでおらんな?」
 「いや、この食堂の御飯も美味しいんだけど、僕は…米が食べたいんだ。」
 「米? 米とはなんじゃ?」
 「米というのは穀物の一種で、小さな白い種の様な食べ物で…」
 「それならハクの事か? ハクならこの世界にもあるぞ! 主に鳥などの家畜の餌として使用されるが…」
 「え? この世界にも米ってあるの⁉」

 僕はドワンゴと一緒に宴会を抜け出して、市場の家畜の餌が売られている場所に行った。
 すると、米が…この世界ではハクが売られていた。
 
 「これじゃろ?」
 「そう、これこれ…でもこれって玄米だね?」
 「ゲン…? テトの欲しい物とは違うのか?」
 「えっと…この玄米を手に取ってこうやって揉んで行くと…周りの殻が取れて白い粒になる。」
 「コイツの中身って…こんなに白い物じゃったのか?」
 「そしてそれを炊いて食べるんだよ。」
 「たったこれっぽっちを炊くのか?」
 「ううん、これ位の量をね。」

 僕はドワンゴに、鍋の大きさの量をジェスチャーで伝えた。
 するとドワンゴは、ハクを全て購入してくれて5つの大袋になった…が?

 「玄米のままでも食べれない事は無いんだけど、殻は無い方が僕は好きなんだよね。」
 「なら、店主よ! 殻を削っては貰えんか?」
 「いや…この量を店主さんに任せるのは…」
 「大丈夫ですよ、我々エルフ族は魔法が使えますからね。 先程の白い粒にすれば良いのですよね?」
 「はい…ですが、この量ですよ?」

 店主のダークエルフは、袋の口を開けると風魔法で宙に米を舞い上がらせてから、揉みこむ様に削って行った。
 するとあっという間に殻が全て取れて、白米が袋に入って行った。
 
 「見事に白米と糠に分かれたなぁ…」
 「ハクの殻はヌカと言うのか? これは使い物になるのか?」
 「塩と水を加えて混ぜ込んでいくと、保存食に適した物に変わるんだよ。」
 「テトは随分詳しいのぅ? 作った事があるのか?」
 「家が貧乏だったからね…調味料も買えない事は無かったんだけど、節約の為に自作で作っていたんだよ。 他にも豆を塩で発酵させて味噌を作ったり、醤油を作ったりとね。」
 「醤油と味噌ならありますよ。 少々値が張りますが…」
 「欲しいのか、テトよ?」
 「出来れば…」
 「なら買おう!」
 「ありがとう、父さん!」
 「父さん…やはり良い響きじゃ! 他に欲しい物は無いか? 何度も父さんが買ってやろう‼」
 
 僕は他にも野菜を指さすと、それらも全部購入する事になったのだけど…ドワンゴの財布には全部を購入出来るお金は無かった。
 
 「ふむぅ…ちと足りんか? 店主よ、これで…買えんか?」
 「これは…レッドドラゴンの鱗ですか⁉」
 「ハードロッグズ山の主の鱗じゃよ。」
 「火炎竜フレマビューラの…ですか? 拾われた…にしては、どこも傷んではいませんね?」
 「ワシの…息子のテトが倒した。」
 「息子さんって、そちらのお坊ちゃんがですか⁉ 息子さんは、ドラゴンスレイヤーか何かですか⁉」
 「ドワンゴ父さん、ドラゴンスレイヤーって何?」
 「竜殺しの事をそう言うのじゃ。 冒険者にとっては、ドラゴンスレイヤーという肩書きは箔が付くからのぅ。」
 
 店主のエルフは僕を見て驚いていた。
 というか、こんな子供がドラゴンを倒したなんて信じているのかな?

 「こんな子供にドラゴンが⁉」
 「やっぱり、信じてないみたいだけど?」
 「こんな子供が…いや、でも…剛壁の英雄が嘘を言う訳は無いでしょうし…」
 「剛壁の英雄? それって?」
 「ワシ等の事じゃ! 集落に落ち着く前は、5人で旅をしていてな、様々な魔獣や魔物を討伐して行ったら、そう呼ばれる様になったんじゃ!」
 「父さん達は凄い人達だったんだね! 僕はそんな人達の…父さんたちの息子で鼻が高いよ!」
 
 ドワンゴは顔を赤くして涙を流しながら拳を握って感動している感じだった。
 僕が父さんという度に、皆も同じ仕草をして居るので余程嬉しいんだろう。
 
 「糠が手に入ったけど、糠床を作るとすると日数が掛かるなぁ?」
 「それなら…店主よ、闇魔法は使えるよな?」
 「発酵ですか? お任せ下さい!」

 僕は壺の中に糠を入れてから、粗塩と水を加えて混ぜ合わせた。
 それを店主が闇魔法の発酵をしてくれたので、立派な糠床が数分で出来た。
 僕はその中に先程購入した唐辛子を加えてから、ニンジン、ダイコン、キュウリを入れてから更に発酵して貰った。
 そして壺の蓋を開けると、ドワンゴは顔を顰めて言った。

 「何か…腐った様な匂いがするのぅ?」
 「これが糠漬けという糠の匂いなんだよ…まさか、こんなに早く完成するとは思わなかったけど。」

 僕は中から野菜を取り出してから水で洗って、僕とドワンゴと店主で味見をした。

 「これは…酒が進みそうじゃのぅ!」
 「適度な塩気に、野菜の味が…確かに酒に合いそうですね。」
 「このままで食べるには少ししょっぱいなぁ…やっぱり米と一緒に食べないと駄目かな?」
 
 僕がそう言うと、2人は呆けた顔をした。
 ドワンゴも店主も、ハクは家畜が食べる物だと思っていたので…今迄食べるという発想が無かったみたいで驚いていた。

 「お坊ちゃま…米とはハクの事ですよね? これはどうやって食べるのですか?」
 「テトよ、ハクの調理法とは難しい物なのか?」
 「米に…ハクを鍋に入れて水を加えてから弱火で炊くんだけど…それをやったら帰るのが遅くなるよ?」
 「あいつらは盛り上がっているから大丈夫じゃろう。 それよりも、ハクの調理法を見せてくれ!」
 「鍋はあるし、蓋もあるから…でも火が無いよ?」
 
 すると店主が、隣の店の屋台のコンロを借りたのだった。
 僕は米を研いでから、鍋に水を加えて火をつけた。
 母親が家を出て行った後は炊飯器で炊いていたけど、電気が止まった後は庭で焚火で米を炊いていたのでタイミングは何となく分かるのだった。
 だけどあの時は…米が炊いてもオカズなくて、塩を掛けたり、砂糖を掛けたり、ケチャップやソースを掛けて食べていたっけ?
 それに飽きてから図書室で食べられる野草という図鑑を見ながら山で取った野草を糠漬けにして食べたりと…
 人間、米と塩があればなんとかなる物だからね。
 米だけ食べている時に脚気になりかけたけど…野草で何とか回避できたんだっけ?

 暫くすると、鍋の蓋が少し開いて…御飯の炊ける前の良い匂いがしてきたのだった。
 
 「ほぉ? ハクを炊くと…この様な匂いになるんですね?」
 「でも、御飯と糠漬けだけだと味気ないなぁ? 他に何か…」

 僕は他の店で食材を探していると、生姜を発見したのだった。
 この世界の生姜は、人が食べる物ではなくこれも家畜の餌として使用されるという話だった。
 僕は生姜を貰ってから、生姜を荒い板で削ってから砂糖と醤油を混ぜた物を作りだした。

 「ドワンゴ父さん、お肉を少し貰える?」
 「肉ならあるが、何が良い?」
 「ここに来る前に捕まえたボアの肉があるよね? あれを薄くスライスして欲しいんだけど…」
 「料理屋の店主よ、調理台を少し借りるぞ!」
 
 ドワンゴは収納魔法から包丁とボアの肉を取り出してスライスした。
 僕はそのスライスした肉を生姜と砂糖が入った醤油ダレに浸けてからフライパンで焼いた。
 そう…作るのは、僕の大好きだった生姜焼きだ!
 生姜焼きのタレはもっと色んな物が入っていたけど、今はこれで良い!
 フライパンで焼いた肉にタレを少し混ぜて温める。
 そして炊けた米を器によそってから、生姜焼きを乗せてからタレを振り掛けると、生姜焼き丼の完成だ!
 久々に嗅ぐ香りに懐かしさを感じていた。
 そしてドワンゴも、エルフの店主も鼻をヒクヒクしながらその匂いを嗅いでいた。
 僕は調理台を借りた店主の分も合わせて4つ作ると、試食に入った。

 久々に食べる米…味は若干違うけど、米の触感が口の中に広がった。 
 そして久々に食べる生姜焼きの懐かしさ、塩気の帯びた漬物…僕は感動していると、ドワンゴ父さんとエルフの店主がその感動をぶち壊した。

 「何故だ! 水とハクだけなのに…何故、こんな甘みが出るんだ⁉ それに、この初めての触感に塩気の強い野菜がとてもよく合う‼」
 「それだけではない! 薄い肉にタレを付ける事により、味が染みてこんなに美味くなるとは⁉ それにこのハクにタレが掛かって…美味い‼」
 
 ドワンゴの料理を思い返すと、分厚い肉にソースが掛かっていたけど…肉が分厚すぎていて味が染みていなくてイマイチだったんだよね?
 ドワーフって味にこだわりが無いのかと思っていたけど、そういう訳でもなかったんだねぇ…
 僕達は生姜焼き丼を食べ終わると…その余韻に浸っていた。
 そしてエルフの店主が僕に詰め寄って来た。

 「坊ちゃま! この…糠漬けというのと、ハクの調理法を私に売って貰えませんか?」
 「これは売れる! 今まで以上に売れる!」
 「テトは料理の天才じゃ! また喰いたいぞ‼ 店主よ、ハクを入手したらまた売ってくれ‼」
 「いや、この調理法は世界を揺るがしますよ! 家畜の餌だと思っていた物がこんなに美味い物だったなんて…」
 
 これは何かやらかしたかな?
 3人の目の色が変わって…何か恐い。
 そして僕は、エルフの店主や調理台を借りた屋台の店主に、僕の知っている限りの調理法を伝授した。
 伝授…というか、実際に作らされてから食べるを繰り返していた。
 お陰で米がたくさん食べられて満足をしたが、帰りに腹が苦しくて動けなくなりドワンゴに運ばれて宿のベッドで横たわる羽目になった。

 そして後日…
 エルフの店主が出店したハクの炊いた物と糠漬けがヒットして、隣の料理屋の店主も今までにない程に儲けを出したという。
 僕が編み出した調理法じゃないんだけど、僕も幾らかの報酬を受け取ったので文句は無い。
 
 そして翌日…僕は運命のヒロイン?と出会う事になるのだった。
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