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第七話 理不尽な要求…

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 『ガイアグリーヴァよ、我は人間の支配を解く気はないぞ?』
 「安心しろ、俺もそんな事をしたりはしない。」

 俺は魔王ヴォルガゼノンに回復魔法を施しながら話をした。
 魔王ヴォルガゼノンは不服そうな声を発していた。

 『だが貴様は先程…条件を果たしたら我の支配を解くとか言っていただろ。』
 「条件を果たせたら…だ。焚き付けては見たが、恐らくそれは叶わないだろう。」
 『どういう事だ?』
 「単純に俺がこうなった原因は、国王にダナステルにかつての仲間達に…それに王国の兵士を3日後に生かして連れて来いと話した。」
 『確かにそう言っていたな。』
 「だが、コイツらが元凶とはいえ…国民達が仮に城内に侵入出来たところで奴等を生かしたまま連れて来れると思うか?奴等だって抵抗はするだろうし、国民達と兵士や騎士ではまともにぶつかれば兵士や騎士の方に軍配が上がるだろう。」
 『なら、初めから無理な話では無いのか?』
 「だろうな、だが…お前が出現してから勇者の敗北により国民達は次々と殺されて行った。これ以上の被害を被りたく無いと考えた国民達は恐らく死に物狂いで動くだろうな。だが、如何に死に物狂いであっても…国民達と王国の騎士や兵士が相手なら3日後という短い期間では無理だろう。半年とか1年後とかならともかくな、だからこの条件は初めから無理なんだよ。」

 死を直面した者が新たな力を覚醒する…なんていう話は滅多に無い。
 あったとしても誰かを守りたいとか強い思いがないと目覚める事はない。
 私利私欲の欲望で力を覚醒した者の話は恐らくは無いだろう。
 仮にあったとしたら、世の中はそんな人間で溢れかえっているはずだ。

 「だから俺達は傍観していたら良い。3日後に仮に集められたら…」
 『集められたら?』
 「集められたら魔王の支配を開放しても良いと考えている。」
 『だから我は…』
 「最後まで聞け!魔王の支配から開放すると言っただけで、魔王軍からの支配を開放する訳ではない。この国を誰が支配する為に配属させるかは分からんが…その者が残酷な方法で支配すれば良いだけの話だ。だから魔王の支配を開放というのはそういう意味だ。俺は別に魔王軍から開放させるとは言っていないからな!」
 『何という屁理屈を…だが、それなら納得だ!』
 「そもそも考えてみろ、たった3日で国民の…全部で何人いるかは分からんが、城内に突入して騎士や兵士を排除してから国王や王子、更には勇者パーティーだったメンバーを捕まえろというんだぞ?こちら側にしてみたら、大した力がない人間達が魔王城に突入して魔王や四天王達を取っ捕まえるのと大差がないんだぞ。そんな事がたったの3日で可能だと思うか?」

 例としてあげてはみたが、国王と魔王では話はかなり違ってくる。
 国民もどれだけ必死かによっては状況も変わるかもしれないだろう。
 国民の中には何も町民や商人だけという訳ではないしな。
 中には冒険者だって参加するはずだからだ。

 「さてと、3日後が楽しみだな。」

 果たして国民達は、俺の願いを叶えてくれるだろうか?
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