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第十一話ただで食材入手・後編
「さぁ、カニ玉…焼きガニ、茹でガニお待ち‼︎」
「「「「「え………?」」」」」
冒険者達は、目の前のテーブルに並べられている赤い物体に固まっていた。
…というのも、厨房で調理後の岩蟹の殻が部屋隅に積み上がっているからだった。
この世界では、蟹を食べたことがある物は…恐らくいない。
そもそも食べられるという事を知っている者もいない。
なので、積み上がっているからだった殻と、テーブルに置いてある料理を見て固まっているというのは、そういう事なのである。
「あの…大将、これ…喰えるんですか?」
「あぁ、喰えるぞ…というか、喰えないものを出したりするか!」
「そ、そうなんですね…」
冒険者の1人が恐る恐る焼きガニを手に取ると口に入れた。
すると冒険者は、頬を赤く染めてうっとりとした顔をしたと思ったら、急に真顔になって皆に言った。
「騙される所だった。 これは食べてはいけないものだった…ので、これは責任を持って………」
「お前がそう言うって事は、美味いんだな…これは?」
「いや、不味い……」
そう言いながら冒険者は、次に茹でガニに手を伸ばした。
それを口に入れると、またもうっとりとした表情を浮かべたが…真顔に戻ってから「不味い!」と言い出した。
「味の好みにうるさいお前が、不味いと言えば地面に叩き落とすだろうが! それを喰い終わってから2つ目に手を出すとか…ありえねぇだろ‼︎」
そう言い終わるや否や、他の冒険者が焼きガニに手を伸ばす。
…が、グルメの冒険者がその行く手を阻止した。
「本当に不味いから、お前達は喰わない方が良いぞ! これは、責任を持って俺が処理をするから‼︎」
グルメの冒険者は、腕で囲い込む様に蟹料理を隠し始めた。
そんな姿を見ていれば、他の冒険者達もその料理が不味いものではない事くらい察しが付く。
冒険者達はグルメの冒険者を蟹料理から引き剥がし、その隙に蟹料理を口に運ぶ。
そして、しばしの沈黙の後に……冒険者達は、揃って叫んだ。
「「「「不味い‼︎」」」」
「俺の料理は、そんなに不味かったか?」
「いや、美味いです!」
「美味すぎて……これしかないのがまずいんですよ。」
「こんなのを喰わされたら、また喰いたくなりますって‼︎」
どうやら、絶賛だったみたいだ。
良かったよ、この世界の人間の口にあって。
「しかし、この味…森で捕まえて焼いて喰った、フォレストタランチュラに味が似ているなぁ?」
「あぁ、見掛けが違うから判りづらいが、岩蟹とフォレストタランチュラは同種だぞ。」
「「「「「えぇ⁉︎」」」」」
俺からすれば、蟹を喰うことがあっても蜘蛛は喰わん。
地球にいた時に、それを知った後に暫く蟹が食えなかったからなぁ?
「なら、フォレストタランチュラも調理次第では…」
「いや、それは無理だろうな。 岩蟹は主食は岩塩だからこの味が出せるが、フォレストタランチュラが岩塩を喰うという話は聞かんだろ?」
「あ、確かに…」
「それに、無くなるのを心配しているみたいだが、この料理はまだ1匹目だからな。」
詰んである殻は、他の料理を作っている最中の物だ。
体長が1.5mもある蟹で身がたっぷり詰まっていて、こんなに少ない量の筈がない。
俺はこの後にも、俺の知る限りの蟹料理を振る舞った。
こうして…俺の店のプレオープンは終わったのだが?
その後の俺の店の噂が、「ゲテモノだがクソ美味い店」と言われる様になった。
タランチュラを食う奴等に言われたく無いぞ。
「「「「「え………?」」」」」
冒険者達は、目の前のテーブルに並べられている赤い物体に固まっていた。
…というのも、厨房で調理後の岩蟹の殻が部屋隅に積み上がっているからだった。
この世界では、蟹を食べたことがある物は…恐らくいない。
そもそも食べられるという事を知っている者もいない。
なので、積み上がっているからだった殻と、テーブルに置いてある料理を見て固まっているというのは、そういう事なのである。
「あの…大将、これ…喰えるんですか?」
「あぁ、喰えるぞ…というか、喰えないものを出したりするか!」
「そ、そうなんですね…」
冒険者の1人が恐る恐る焼きガニを手に取ると口に入れた。
すると冒険者は、頬を赤く染めてうっとりとした顔をしたと思ったら、急に真顔になって皆に言った。
「騙される所だった。 これは食べてはいけないものだった…ので、これは責任を持って………」
「お前がそう言うって事は、美味いんだな…これは?」
「いや、不味い……」
そう言いながら冒険者は、次に茹でガニに手を伸ばした。
それを口に入れると、またもうっとりとした表情を浮かべたが…真顔に戻ってから「不味い!」と言い出した。
「味の好みにうるさいお前が、不味いと言えば地面に叩き落とすだろうが! それを喰い終わってから2つ目に手を出すとか…ありえねぇだろ‼︎」
そう言い終わるや否や、他の冒険者が焼きガニに手を伸ばす。
…が、グルメの冒険者がその行く手を阻止した。
「本当に不味いから、お前達は喰わない方が良いぞ! これは、責任を持って俺が処理をするから‼︎」
グルメの冒険者は、腕で囲い込む様に蟹料理を隠し始めた。
そんな姿を見ていれば、他の冒険者達もその料理が不味いものではない事くらい察しが付く。
冒険者達はグルメの冒険者を蟹料理から引き剥がし、その隙に蟹料理を口に運ぶ。
そして、しばしの沈黙の後に……冒険者達は、揃って叫んだ。
「「「「不味い‼︎」」」」
「俺の料理は、そんなに不味かったか?」
「いや、美味いです!」
「美味すぎて……これしかないのがまずいんですよ。」
「こんなのを喰わされたら、また喰いたくなりますって‼︎」
どうやら、絶賛だったみたいだ。
良かったよ、この世界の人間の口にあって。
「しかし、この味…森で捕まえて焼いて喰った、フォレストタランチュラに味が似ているなぁ?」
「あぁ、見掛けが違うから判りづらいが、岩蟹とフォレストタランチュラは同種だぞ。」
「「「「「えぇ⁉︎」」」」」
俺からすれば、蟹を喰うことがあっても蜘蛛は喰わん。
地球にいた時に、それを知った後に暫く蟹が食えなかったからなぁ?
「なら、フォレストタランチュラも調理次第では…」
「いや、それは無理だろうな。 岩蟹は主食は岩塩だからこの味が出せるが、フォレストタランチュラが岩塩を喰うという話は聞かんだろ?」
「あ、確かに…」
「それに、無くなるのを心配しているみたいだが、この料理はまだ1匹目だからな。」
詰んである殻は、他の料理を作っている最中の物だ。
体長が1.5mもある蟹で身がたっぷり詰まっていて、こんなに少ない量の筈がない。
俺はこの後にも、俺の知る限りの蟹料理を振る舞った。
こうして…俺の店のプレオープンは終わったのだが?
その後の俺の店の噂が、「ゲテモノだがクソ美味い店」と言われる様になった。
タランチュラを食う奴等に言われたく無いぞ。
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