俺は、こんな力を望んでいなかった‼︎

アノマロカリス

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第十四話 同郷…?

 ある時に、客からこんな話をされた。
 冒険者ギルドカード取得試験で女性の合格者が現れた事。
 その者が、黒髪の女の子という事を。

 「黒髪…か、この世界では珍しいみたいだしな?」

 話がこれだけなら、少し珍しいという話で終わる。
 だが、その後に言われた話によって、状況は変わって来る。

 「その黒髪の女の子なんだが、此処からサーヴィル山の麓にある場所にアリカという村があって、そこで雑貨屋を経営しているという話なんだが。」

 冒険者ギルドカードを取得していれば、様々な特典で無理して働かなくても良いというのに。
 俺と一緒で物好きも居たもんだよなぁ?
 …だが、そうでは無かった。
 話を聞いていくうちに、その店では、この世界では今迄に無い……いや、地球ではあって当たり前の物が売られているという話だった。

 「ちょっと待て、どこをどう考えても…その黒髪の女の子って、日本人だよなぁ。」

 多分……いや、絶対に間違えが無い。
 この世界には、固形石鹸はあっても液体石鹸は無い。
 しかも、動物性の膠を使用しているから、かなり油臭い匂いがする。
 生活魔法のクリーンや、浄化魔法のピュリフケーションが使えない者達の必需品だった。
 それが、液体石鹸から花の様な匂いがするだと?
 
 「それ以外にもなぁ、その店にはポーションと呼ばれる…薬草とは違い、液状の治療薬が売っているという話なんだ。」

 ポーションと聞いて確信に変わった。
 この世界にも、学者は存在するという話だが…回復薬の液状化は、何度試しても成功しなかったという話だった。
 製法を知る者でも無い限り成功は無い。
 しかもそれが、10代の少女ともなれば尚更だ。

 「その店では、他にどんな商品がある?」
 「えーっと…とにかく種類が多いからなぁ、あったかい風と冷たい風が出るどらいやーという魔導具と……」

 あ、間違い無く同郷者だ。
 温風と冷風が出る魔導具を作れる人間はいるだろう。
 だが、その魔導具の名前を、わざわざドライヤーなんて名称は付けないんだろ。

 「あ、子供用の誘拐防止対策用の魔導具で、糸を引っ張ると大音量の音が鳴るという…」
 「防犯ブザーだろ、それ…」

 確か、サーヴィル山の麓と言っていたよな?
 そっち方面の依頼って、ほとんど無いしなぁ。
 しかも、何かあれば…その女の子が解決するだろうな、俺と同じギルドカードの取得者だし。
 
 「店が軌道に乗ってきた所で離れる訳にもいかんしなぁ?」

 …が、気になっているのは確かだった。
 ただ、それは…今すぐにどうこうしなくても良いだろう。
 機会はいつか巡って来るんだしな。

 まぁ、その少女とは、そう遠く無い未来に会うことになる。
 意外な出会い方で…
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