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第三章 サーディリアン聖王国の章

第九話 新たな車、その名はシルロンダー(作れるとは思わなかった。)

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 【ガーディアンフォース】と表示された。
 ガーディアンは守護者で、フォースは力を意味するから、合わせると力の守護者となるのだが?
 しかもエクストラスキルが【金剛力】か…というか、エクストラスキルってアルカディア王女の話によれば、王族の中で稀に持っている人がいるという話ではなかったのか?

 「クリス、君はもしかして王族だったという話は無いか?」  
 「王族かどうかは解らにゃいにゃ…ただ、遠い祖先が魔を封じ込めた者だったという話は聞かされたにゃ。」
 
 ジョブとエクストラスキルしか見てなかったので、クリスに頼んでもう1度舐めさせてもらった。

 クリス・クリスティン(Lv51) ミ・スラク族 17歳
 ジョブ【ガーディアンフォース】
 スキル【閃光】 エクストラスキル【金剛力】
 
 【紅蓮の剛壁】という2つ名があり、数々の戦場で活躍をしていた。
 エクストラスキルの所為で、通常の武器や防具ではクリスの腕力に耐えられなくてすぐ壊れる。
 ギガントメイスとグレートシールド、紅のフルプレートは騎士団に入る際に支給された。
 武具には魔法の効果が掛かっている。

 猫人族では無かったのか。
 …っていうか、17歳?
 あれ? 計算が合わないぞ…?

 「クリス、何歳の頃に冒険者になった?」
 「12歳にゃ。 それで2年後に騎士になったにゃ。」
 「ギルドのランクは?」
 「Bランクにゃ!」
 「ガイウスと一緒か…。」
 「ダンより低いというのは、正直納得できないにゃ! でも、そのおかげであのクソ生意気な貴族を潰せたのは清々したにゃ!」
 「ギルド時代に悪用されそうになったというのは、バカスターだったのか。 あいつ本当にロクな事しない奴だったな。」

 目つぶしされて復活したガイウスは聞いてきた。
 
 「ダン、クリスが加入した… そろそろカイナンから次の旅に出発するのか?」
 「そのつもりなんだが、移動手段がない。 馬車が貰えるが、その国のギルドからの支給らしいから、その国でしか使えないらしい。」
 「…となると、ギルド本部があるグランディオ聖竜国に行って、自由に使える馬車を貰うのか?」
 「いや、シルフィンダーに変わる新たな乗り物を作ろうと思う。」
 「また使えなくなったりしないか?」
 「それは考えてある。 恐らく、シルフィンダーが使えなくなった理由は、異常な速度と空を飛べる機能が影響したのではないかと思うので、今回は速度はそこそこで、人数が乗れる馬車に近い形に設計しようと思う。」
 「…とはいえ、ここはエルヴの集落ではないから、工房を借りないと作れないぞ! 工房を借りるなら家賃がかなり高いぞカイナンの街では…」
 「それなんだが、ちょっと考えている事がある。 下手すると、家賃はタダで場所も貸してもらえる…が、面倒な奴が1人着いてくる可能性があるけど…。」
 「今回は手伝いはいるか?」
 「今回は別に良い。 シルフィンダーを作ったから、次の形や設計図は頭に入っているし、シルフィンダーのパーツは使えないけど、加工してないハルモニアやゴムの樹液はまだし使えるから。」
 「ただ、制作には最低でも1か月掛かる。 なので、ガイウスはレイリアとクリスを連れて依頼でも請けて待っていてくれよ。 僕はその間、その場所で寝泊まりするからさ。」
 「まぁ、お前の事だから心配はしないが、無理はするなよ。」
 「あぁ…」
 「ダン、頑張ってね!」
 「にゃんの事かわからにゃいが、頑張るにゃ!」

 材料はある、レイリアの魔力を込めた玉もある。
 僕は準備が終わってから、その日は早めに寝た。
 翌日、宿屋の朝食を食べてから城に向かった。
 昨日の今日で、城では何事かと思ったらしい。
 僕は、国王陛下に面会したいと門の騎士に言った。

 「ダン殿、今日は如何様か?」
 「今日は国王陛下にお願いがあって参りました。」
 「ふむ、申してもよ!」
 「昨日、僕はテルシア王国から出てからカイナンに着くまでの話をしましたよね?」
 「昨日の話だから覚えているが?」
 「その中で、馬を使わずに走るシルフィンダーの話をしました。」
 「あぁ、実際に見ていないので、俄かには信じられなかったが…」
 「今回はそれに代わる物を作りたいのですが、街の工房では借りる手続きや工程が満足に行えませんので、城の一角をお借りしたいのですが…?」
 「そういう事なら別に構わないが、人手や材料はどうするのだ?」
 「材料や人手は別に構いませんが、1人だけ協力を要請したい人がおります。」
 「この城の人間か?」
 「はい、第三王子のラインハルト殿下です。」
 「ラインハルトが協力するとは思えんが…?」
 「いえ、協力するはずです。 僕の新たな乗り物は、ラインハルト殿下には現段階では作れる物ではありませんが、いずれ作りだす乗り物の未来型と思えば協力は惜しまないと思います。 というか…」
 「というか?」
 「秘密で作っていれば、同じ城の中にいるのです。 どんなに秘密にしていても情報は洩れます。 その際に色々説明を求められて完成が遅れるのは避けたいので、あえて協力者として近くにいれば…」
 「なるほど、手間も省けるし協力を得て一石二鳥という訳か!」
 「…です。」
 「完成したら、勿論見せてはもらえるのだろうな?」
 「試運転もありますので、お乗せ致しますよ。」
 「場所の希望はあるか?」
 「屋内で割と広めの部屋が良いですね。」

 国王陛下は、僕の希望に叶う部屋は無いか、騎士に聞いてくれた。
 使ってない倉庫があるのだが、物が溢れかえっているという話だった。
 僕はそこに決めて、案内をしてもらった。

 「本当にここで平気か? ここを片付けるまでかなり日数が掛かりそうだが?」
 「大丈夫です。 【球体魔法】発動!」

 僕は【球体魔法】を使うと、倉庫の中の荷物は一瞬で玉になった。
 僕はそれを国王陛下に渡すと、不思議そうに玉を眺めてた。

 球体解除をして材料を部屋に置くと、早速作業に取り掛かった。
 国王陛下は、部屋を出て行き…しばらくするとラインハルト殿下が来た。
 僕はタブレットの設計図をラインハルト殿下に渡すと、色々説明を受けた。
 僕は説明すると、ラインハルト殿下は真っ白な本に色々書き込んでいた。

 基本構造はシルフィンダーと変わりない物なのだが、今回の形は四駆タイプだった。
 運転席も中央ではなく、普通の運転席タイプで作る事になった。
 アクセルとブレーキも完備している。
 最初のシルフィンダーを作った事により、改善点が生かせる設計になったのだ。
 そして、ギアシフトも1つ追加された。
 【P】・【R】・【D】以外に、【H】(ハイパー)という山道でも楽に上れる物を付けた。

 ~~~~~半月後~~~~~

 新たな車は、内部構造とタイヤを完成して次の形に取り掛かろうとしていた。

 「ダン殿、ここはフレームの角度や耐久性を生かすなら、前方のバランサーを弄れば良いのでは?」
 「それも考えたんだけど、あまりこちらに重心を置くとバランスが保てなくなる。 なので、これは中央の車体を安定させる為にはこうするとだな…」
 「なるほど! これで重心を安定させらせる訳ですね! なら、これはこうした方が良いのでは?」
 「確かにそうした方が効率は良いかもしれないな、殿下ナイスアドバイス!」

 僕とラインハルト殿下は、半月間一緒に作っているので、ラインハルト殿下の知識も詳しくなっていた。
 最初は質問攻めで作業が進まなかったが、1週間も過ぎると質問は無くなり話に着いて行けるようになっていた。
 僕とラインハルト殿下の出会いは最悪な物だったが、いまでは意気投合していた。
 
 ~~~~~さらに半月後~~~~~

 ついに完成した!
 形を大きく、装甲も厚くし…運転席側と後部座席以外はトラックの様な荷台スペースが確保している仕様になっている。
 形的には、ジープグラディエーターみたいな感じだった。
 起動用の紋章は、シルフィンダーに使っている物と一緒だった。
 というか単純に…シルフィンダーもシルロンダーも、僕以外に操縦が出来ないので鍵は1つで十分だった。
 起動すると、僕と殿下は感動していた。
 今回は風魔法だけではなく炎魔法も吹き出し口にセットしているので、威力が段違いだった。

 「ダン殿、ようやく完成だな! 僕にはこれと同じ物を作れるとは思えないので、やはり湯を炭で起動できる物を作ってみせる。 いつか、一緒に走りましょう!」
 「勿論だ! その時を楽しみに待っているよ!」

 ラインハルト殿下は、書き込んだ本をまとめると部屋を出て行った。
 物凄いやる気になっていて時間が惜しいみたいなので、また研究に没頭するのだろう。
 僕は【球体魔法】で新たな車…シルロンダーを収納した。
 
 「さて、完成したのは良いが…国王陛下に見せると言ったが、まさか街中で走らせる訳にもいかないしな…?」

 僕は王の間に行って、シルロンダーの完成を話した。
 国王陛下は、今か今かと楽しみにしていたみたいだった。
 国王陛下は、王妃殿下を連れて馬車でカイナンの街の入り口まで移動した。

 「では、行きますよ! 球体解除!」

 現れたシルロンダーに2人は驚きを隠せなかった。
 そして国王陛下を助手席に、王妃殿下を後部座席に乗せると、目的地は間所目掛けて走り出した。
 シルロンダーの最高速度は100㎞だ。
 あまり速度を早くすると、また封印させられる可能性があったからだ。
 それでも馬車よりも断然早い。
 1時間もしないうちに、間所に着いた。
 その間2人は車に酔った形跡はなく、ずっとはしゃいでいた。

 「これは凄いな! ラインハルトがこれに似た性能の物を作ろうとしていたのか…。 荒唐無稽な話だったので信用していなかったが、これならラインハルトに制作の許可をしても良いだろう。」
 「馬車で半日かかる距離をこんなに早く…! これなら欲しいですわ。」
 「では、戻りましょうか? ここで陛下が降りたりしたら間所がパニックになりかねませんし…。」

 僕はUターンして、カイナンの街に向かった。
 そして、2人を降ろすと別れの挨拶をして、2人は馬車のに乗り、城に帰って行った。
 僕も1か月ぶりに帰れるな。
 シルロンダーを【球体魔法】で収納して宿屋に帰った。
 
 1か月間の事情は知らないが、3人に異変が起きていた。

 「あの、レイリア… ガイウスとクリスに何があったんだ?」
 「あー… えっとね?」
 
 ガイウスとクリスは、二人だけの世界に浸っていた。
 どう見ても、イチャついているカップルにしか見えなかった。
 
 「最初はね、依頼を受けた時に連携が取れなくて最悪と言っても良い位に仲が悪かったんだけど… ある依頼を受けていた時に兄がクリスを庇って怪我をしてから、今までの最悪な関係が一転して…現在に至る…と。」
 「あぁ、俗に言う吊り橋効果というやつか… 」

 僕が帰ってきたのにも気付かず、二人だけの世界に浸っているな。
 ガイウスはクリスの肩を抱き、クリスはガイウスの顔にスリスリと顔を擦っている。
 僕は別にパーティ恋愛を禁止にするつもりはないが、こんな状態でこの先大丈夫なのかと不安を感じていた。
 …というのは、パーティでの立ち回りである。
 僕が描いた構成は、クリスが壁役のタンクの前衛で、僕とガイウスが中衛、レイリアが後衛で回復や支援、余裕があれば攻撃も…と考えていたのだが?
 
 「ガイウス、クリス… そろそろ僕が帰っている事に気付いて欲しいのだが…」

 僕が声を掛けると、2人は急に距離をあけた。

 「ダン、居たのか… 居るなら声くらい掛けろ!」
 「おかえりにゃ! 久しぶりだにゃ!」
 「気配にいち早く察知出来る2人が気付かない程にラヴな空気を醸し出している理由は、レイリアから聞いたけど、この調子で戦闘とか大丈夫なのか?」
 「その辺はしっかりやるにゃ!」
 「戦いでは問題なくこなせるから心配するな!」
 「ほぉ…?」

 しっかりやる…問題なくこなせるねぇ…?
 口ではそう言っているが、実際はどうなるのかテストしてみた。

 「では、まずガイウスに聞くぞ…クリスは盾役として攻撃を一身に受け持って貰う立ち回りになるが、敵からの攻撃で強い衝撃を受けていても見守ることは出来るか?」
 「それが役目なのだから、その辺の分別はある。」
 「まぁ、教科書通りの受け答えだな。 なら… 敵の攻撃で触手がクリスの鎧の隙間から入り、クリスの体中を弄ぶ様に巻き付き、クリスが悲鳴を上げても耐える事は出来るか? どんな状況であってもクリス自身で対処しないといけない事なのに、クリスが悲痛な叫び声を上げたり、ガイウスに助けを呼んでも耐える事は出来るか? 仮に助けに入ってもしたら、パーティの均衡が崩れて危険な状態になると分かっていてもだ!」
 「ぐっ…そんな状況になってみないと、なんとも言えないが大丈夫だ!」

 まぁ、そんな状況が早々起きるとは思えんが?

 「じゃあ、クリスに聞くけど… ガイウスが女性型モンスターに魅了を使われて骨抜きにされても自分の仕事は全う出来る自信はあるか?」
 「あちきはガイウスを信じているから大丈夫にゃ!」
 「なら… 魅了されている時に、コイツが最高の女だ! クリスなんかそこいらの盛りのついた雌猫と同じ様な物だ! 優しくやっていれば誰にでも懐くチョロい奴だったから都合が良かったんだ!…と言わされたとしても、冷静に対処出来るか? すぐに感情的になって怒りを表面に出すクリスに堪えることが出来るとは思えないけど?」
 「あちきはガイウスを………信じてるにゃ。」

 一瞬、間があったけど…?
 僕のテストした発言にクリスは、表には出ていなかったが怒っている様な感じがした。
 
 「僕は別にパーティ内での恋愛を禁止するつもりはないんだよ。 ただ、関係というか、結び付きが強くなれば強くなる程、些細なことで冷静さを失い感情的になって行動しかねなくなるからそこを懸念いているんだ。」
 「むぅ…」「にゃう~」

 別に怒ったつもりは無いのだが、ガイウスとクリスは気分が沈んでいた。
 後ろでやり取りを聞いていたレイリアは、僕に言って来た。

 「ダン、テストの内容が悪質過ぎて2人が可哀想… それに話が具体的過ぎて、経験あるの?」
 「あぁ、現在の勇者パーティ…幼馴染達は、3年前から現在に至るまで揉め事が多くてね。 仲裁役はいつも僕だった。 子供の頃なら一晩寝れば翌日にはケロッと忘れていたけど、今の年齢になるとな… 一晩位ではねぇ…。」
 
 僕は悪質なのは否定しなかった。
 恋は盲目… 夢中になると周りが見えなくなるのは、何処の世界でも変わらないであろうと思った。
 すると、2人は別れると言い出した。

 「別に別れろとまでは言ってない! 分別を弁えて行動しろと言っているだけだ! レイリア、助けてくれ!」
 「それは仕方ないんじゃ無いかな?」

 僕とレイリアは、2人から少し離れた所で話した。
 
 「ダンがいない間にクリスから色々聞いたんだけど、クリスは戦争孤児で…っていう話は知ってたよね? クリスはギルドに入る前と入った後は、恋愛なんかしている暇なんてなくて、騎士団に入ってもそれは変わらなかったんだって。」
 「まぁ、クリスは故郷に帰りたくてギルド時代は金を稼ぐ事に躍起になっていたとヴォルガン様に聞いたからな。」
 「それに兄もね、母様から聞いた話だと… 次期族長となる為に、恋愛や恋人を作らずに鍛錬や勉強に集中していたらしいの。 だからそんな感じで、自分の共感出来る相手の2人が出逢ってしまったら…」
 「なんだか、物語にありそうな話だな…」

 僕は2人境遇や束縛されていた生活から開放されてそうなった事は責めてはいない。
 ただ、公私混同を控えてくれと思っているだけだ。
 
 「レイリア、エルヴ族の掟とかで族長の妻になる人物は他種族でも構わないとか、同族のみしか許されないとかあるか?」
 「そんな掟は聞いた事ないなぁ? エルヴ族の集落の中には、人間と交わった人もいたと言うし… 」
 「このままだと、この関係が続けばそうなると思うよ。」
 「クリスが姉になるのね… 母様が許すかしら?」

 僕とレイリアは、ガイウスとクリスの元に戻ると、2人は先程までの態度が一転して寡黙になっている。
 お灸を据え過ぎただろうか?
 そんな事よりも、僕は2人にどうしても聞かないといけない事があった。
 多分、この話をした後に僕は2人に殴られるだろう。
 下手したら殺されるかもしれないが、聞かずにはいられなかった。
 僕はレイリアに事情を話して、回復魔法の準備に入ってもらった。
 僕だってこんな事は聞きたくない。
 こんな最低な内容の話を…。

 「ガイウスとクリス! 1つ聞きたい事がある! お前ら………」

 僕は左手の親指と人差し指で輪を作り、右手の中指で穴の中に指を通しながら…

 「もしかして、ヤッたのか?」
 「ダン、何を聞いてるの!?」

 レイリアは意味がわかったみたいで顔が真っ赤だったが、ガイウスとクリスは頭に「?」が浮かんでいた。
 もしかしてこの年齢で理解してないのか?
 この反応から察すると………? 
 うん、この2人に行為はないな…と確信した。
 つまりこの2人の恋愛行動は、ただの仲良し恋人ごっこという程度だった。
 なので特に気にする必要はないのである。
 
 「オイ、ダン! さっきのはどう言う意味だ!?」
 「あちきにもさっきの意味を教えて欲しいにゃ!?」
 「知らなくても良い、いずれ知る…」

 僕はそう答えると2人はレイリアに聞きにいったので、僕が頷くとレイリアも僕と同じ事を言って誤魔化した。
 
 「俺に隠し事は通用しないぞ、さぁ! どう言う意味か話せ!」
 「だから言ったろ、いずれ知るって… こんな事で精霊の加護なんて使うな!」

 僕は強引に話を終わらせた。
 意味を知ったら感情的になり易いこの2人からは多分…いや、絶対に殺される。
 それにガイウスの精霊の加護の対処法も分かってきた。
 それは「嘘をつかない」事と「余計な事は話さない」だった。
 
 そして僕は3人に言った。

 「1週間後にカイナンの街から出る、それまで準備期間とするので各自準備を怠らない事。」

 僕はレイリアを連れて、市場に行った。
 買い物もあるけど、レイリアにも協力をして欲しい事があったからだ。

 残り1週間…
 ちょっとしたハプニングが起きるだった。


 ~~~~~場所は変わって、太古の森~~~~~

 フェンリル・オルシェスは、森を彷徨っていた。
 兄妹とダンを探す為にだ。
 【太古の森】そこは森と名前が付いているが、原初の凶悪なモンスターが徘徊する危険なダンジョンだった。
 その為、フェンリル・オルシェスは場合によっては戦い敵を退けていた。
 そしてどう足掻いても勝てない敵には、隙を見て躱しながらやり過ごしていた。

 「待ってろよ、兄妹たち! 兄が助け行くぞ!!」
 
 残念だが、そこに君の求める物は無いのだよ!
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