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第四章 別大陸での活動の章

第三話 慱の封印(厄介な奴が復活したらしい)

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 ~~~~~漆黒の空間~~~~~

 ダン達がアイマァフールを倒した所を慱は見て拍手をしていた。

 「やり方がセコいが… まぁ、これも戦術だと思えばアリなのかな? やり方はセコいが…」

 慱は観察者がダンの封印を解除すべく奮闘していた。
 観察者の封印とは、幾重にも重なられた難解なパズルのような物だった。
 ダンもそうなのだが、少年慱も頭がズバ抜けて良かった。
 封印を解析しながら1度にに複数の解除を行なっていた。

 「それにしても、この封印は厄介だな…  パズルは得意な方だが、この難易度はバラバラにしたペタミンクスを正しく直す様な物だよ!」

 ペタミンクス… それはルービックキューブの最上位版のパズルである。
 慱はバラバラになったルービックキューブを元に戻すのは、ものの数分も有れば元に戻せるが、ペタミンクスの場合は9個の6面体のルービックキューブに比べたら遥かに数が多いのである。
 なので、慱も幼少の時は完成させるまでに数日を費やした。

 「これが完成すれば、ダンはまた新たに強力なスキルが手に入るから、魔王の配下の戦いに間に合わせる様に急がないとね。 次も十六鬼影衆とは限らないから…」

 慱は集中していて忘れていた。
 観察者はその場から消しはしたが、消滅をした訳では無いことに。
 慱の背後の近くで、観察者は姿を取り戻しつつあった。
 
 ~~~~~港町・トライへリアの酒場~~~~~

 ダン達は、アイマァフールを倒した後に、港町トライへリアに来ていた。
 港町の人々は、魔王の配下を倒した英雄ダンを一眼見ようと押し掛けた。
 だがダンは戦いで疲弊した事と腹が減っている事を話し、後日時間を設けると約束をして港町の人々は散って行った。
 
 「であれば、酒場にご案内差し上げます。 酒場の海鮮料理はこの国の一の料理ですから!」

 町長らしき男が僕達を酒場まで案内してくれた。
 僕等はテーブルに着くと、そこには既に町長が頼んでいたであろう料理が運ばれてきた。
 ホタテの様な貝と香草を添えた貝焼きにサザエの様な巻貝の蒸し焼き、小魚の姿焼きにメインは大きな魚の蒸し焼きだった。
 僕等は、料理を食べ始めた。

 《相棒よ、少し良いか?》
 《今じゃないと駄目?》

 魔剣アトランティカは、アイマァフールを倒した事により【念話】を取得した。
 なので、口に出して会話をしなくても良くなったのだ。

 《出来れば急ぎで頼みたい。》
 《まぁ、もう食べ終わるし良いか…》

 僕は食事を食べ終わると、席から立ち上がった。

 「どこかに行くのか? ダン…」
 「あーちょっと、船の確認をしにな。」

 勿論嘘だったので、ガイウスは反応した。
 だが、僕が理由もなく嘘を付く時は何かあると思って、何も言わなかった。

 「皆は食事を続けていてよ、ちょっと出てくるから。」

 僕はそう言って、【化粧】で変装して外に出た。
 こうでもしないと、酒場を出た瞬間に人が寄ってくるからだ。
 酒場を出ると、案の定…声を掛けようと出待ちをしていいた。
 だが、出てきたのが変装の僕だと知ると、散開していった。
 僕は歩いて出口に向かった。
 出口から外に出ようとすると、僕は呼び止められた。

 「お嬢さん、もうすぐ夜だ。 1人で外に出歩くような真似は出来ません。街の中に戻って…」

 僕は【化粧】を解いた。

 「これは英雄ダン様でしたか、何をしに外へ?」
 「実は先程の魔王の配下が気になっていてね。 気のせいなら良いんだけど、ちょっと嫌な予感がしてね。」
 「なら、警備兵を応援致しましょうか?」
 「僕はそんなに頼りなく弱そうに見えるのかな?」
 「いえ、滅相もありません!」
 「済まないね、悪いけど君達だと足手まといになり兼ねないからここで待っていて。」

 僕は走って丘の方を目指した。
 そして魔剣アトランティカを地面に突き刺した。
 この行為には意味があった。
 10日間前シルロンダーを収納してから、修業をしながら歩いていた時に僕等は10匹近くのグリーディ・ボアの群れに出くわした。
 僕は3匹ほど受け持ち、魔剣アトランティカでトドメを刺した。
 すると、みすぼらしい剣の形が進化して変わった。
 木刀レベルから、青銅クラスまで威力が向上したのだ。

 《相棒、食事している最中に済まなかった。 今回のアイマァフールの魂と経験値は、俺の進化が半端なく上がる!》

 魔剣アトランティカは、紫色の鈍い光を発すると形が変わり、片刃の歪な形の剣に進化した。
 クラスも青銅から鉄を越えて鋼のクラスに上がった。
 形以外は長さも重さの変わらないが、魔剣としてのが飛躍的に上がったのを感じた。

 《相棒、何か来るぞ! 気を付けろ!!》

 僕は魔剣アトランティカを地面から引き抜いて警戒した。

 『あっれ~~~? やっぱりここで間違いなかったんだねぇ~~~ アイマァフールの奴やられてやんのぉ~w』

 振り返るとそこには、翼の生えた頭が鹿で体は馬の体長3mのモンスターがいた。
 まぁ、喋る上に十六鬼影衆の1匹を呼び捨てにするくらいだから、こいつも十六鬼影衆の1匹なのだろう。

 「馬鹿の次はカバか…」
 『おい、人間…いや、この気配は勇者か?』
 「なんか良く間違えられるが勇者ではない。 だか、このアイマァフールを倒したのは僕と仲間達だ。」
 『へぇ~やるね~。 でもさぁ、こいつ力ばっかで十六鬼影衆の中で最弱なんだよねw』
 『ちなみに我はな…』
 「君の名前に興味は無い…」
 『いいねぇ~そういう反応… でもさぁ君一人で何が出来るんだい? 死にたくなければ仲間を呼びなよ! 待っていてあげるからさ!』
 「良く舌が回るね、この奇怪な姿のカバさんは。」
 『あまり調子に乗るなよ、人間風情が!! こんな力だけの馬鹿と我を一緒にするなよ。 我はなとっても残忍なんだよw 命乞いしても許さないからさぁ!!』

 良く話すカバさんは、力を込めると角が光りだした。
 僕は左手を上に挙げると、カバさんの全方位に100本の槍を出現させた。

 「百本の騎士槍ハンドレットランス躱してみてw」
 『なんだと、なんて数だ!?』

 僕は手を降ろすと、全方位の100本の槍がカバさんを貫いた。
 
 「ごめんねぇ、君の残忍な所を見られなくて…」
 『貴様…グフッ…頼む…見逃してくれ!』

 「君さぁ、命乞いをしても許さないとか言ってた奴を許すと思うかい? あ、1つ言っておくとね、君はアイマァフールより弱いよ。」
 『な…なん…だ…と…?』
 「アイマァフールの時は仲間がいないと倒せなかったんだもん。 君は僕1人で倒せる事を考えると、と~っても弱いね。」
 『調子に…乗りま…した! いの…ちだ…けは!』
 「君に1つ言っておくね、あ…これじゃあ2つ目か…」
 『な…んで…しょ…う?』
 「君と一緒でね、僕も残忍なんだ。」

 僕はカバさんの首を刎ねて、刎ねた首の額に魔剣アトランティカを突き立てた。
 
 《どう?アトランティカ…力得た?》
 《お…おぅ、奴の魂は取り込めた…が、相棒は本当は恐ろしい奴だったんだな?》
 《いや、アイツの場合だけだよ。 このアイマァフールは決して弱くは無かった。 僕も散々馬鹿にしていたが、でも1人で向かってきた敵には敬意をするんだけど、コイツはそれを笑ったからね。》
 《なんだ、演技だったのか! それにしても、串刺しとはえげつない攻撃をするな…》
 《そこなんだよね…パーティで行動していると、ガイウスと2人だけなら気にしなくても良いんだけど、女の子達がいるとねぇ…手加減とかしないと残忍な所を見られたら僕の評価が下がるじゃん。 だから気を遣うのよ。》
 《相棒…》
 《むぅ?》
 《どうしたのアトランティカ?》
 《また進化しそうだ!》
 《え? もう?》
 《いま倒したコイツもかなりの魂と経験値を持っていた。 アイマァフールより強いというのは嘘ではないらしい》
 《この剣の形は使い心地が良かったから、なるべくこの形に近い物でお願い!》
 《相棒も無茶を言う…》
 《あはは!》

 魔剣アトランティカは進化した。
 クラスはミスリルクラスで、剣の形にそれ程の変化はなかったけど、魔剣の固有スキルの【ブースト】と【次元斬】というのが手に入った。
 熟成と無属性魔法以外の攻撃系スキルだった。

 《さてと、コイツ等を残しておくと次も何か来そうだね。》
 《なら、海にでも放り込んでおけば良い。 海の魔物が処理してくれるだろう。》
 《僕1人で持って行けと?》
 《相棒、球体魔法があるだろう?》

 僕は2匹の十六鬼影衆の死体を球体魔法で収納すると、海に行って玉を海に向かって投げてから球体解除をした。
 良くは見えなかったけど、大型のモンスターっぽい姿が見えた。

 「さて、帰りますか…」
 
 僕は港町に向かって歩いた。
 町の中に行き、変装をしてない事に気付いた僕は、大勢の人達に囲まれた。
 だけど僕はこの時…気付いてなかった。  
 僕を見る様に遥か上空で翼のある大きな目玉が見ていた事に。

 ~~~~~漆黒の空間~~~~~

 「ダンの無属性魔法に対する多種多様性は恐ろしい物があるな、十六鬼影衆の1匹を1人で倒しちゃった。」

 慱は封印のパズルを解くのに専念し過ぎて油断をしていた。
 背後に観察者が姿を取り戻して立っていた事に…

 「おもちゃの分際で、好き勝手にやってくれるじゃないか!!」
 「!?」

 慱は振り向くと、観察者は再び封印を放った。
 慱は出来る限りの情報をギルドカードに転送して、スキルの封印をロックする処置をした後に再び封印された。
 観察者は再び戻って来た事と厄介者を封印出来た事に歓喜の声を上げた!

 「このおもちゃはね、強くなっちゃいけないんだよ。」

 観察者は操作をして、ダンの全スキルを封印しようとした。
 だが、いくつかのスキルは封印をロックされ、いくつかのスキルが封印された。
 
 「小癪な真似を…」

 ダンのスキルのいくつか…
 それは、【無属性魔法】と【闇魔法】と【修復】だった。
 これからの戦いがより一層不利になるスキルの封印だった。

 「まぁ、良い。 厄介な奴は封じたし、時間はたっぷりあるからねw」

 観察者はパネルを操作して、他のスキルのロックを外そうと作業を始めた。

 僕は大勢に囲まれて質問攻めに遭っていた。
 これは、何か切っ掛けでもない限り逃げる事は出来なさそうだった。
 すると、ギルドカードから凄まじい警告音がなった。
 周囲の人々もその音に驚いていた。
 僕は急いでギルドカードを確認した。

 「!?」
 
 僕は周囲を見渡し、謝罪をしながら人込みを掻き分けて出口に向かって抜けようとした。
 だが、周囲の人々は通してくれなかった。

 「すいません、ちょっと用事が出来てしまいましたので、また後日時間を作りますのでその時にお願いします。」
 「そんな事言って逃げるつもりなんでしょ? 騙されませんよ、絶対に逃がしません!」
 「今度質問するのはこっちだ!」
 「こちらの質問にも答えてもらいますよ!」

 以前も急に用事という事で抜け出したことがあったので、今回も嘘だと思われているらしい。
 だが、今回は冗談抜きに緊急なのだ。
 ギルドカードの文章をチラッとだが見ると、慱からのメッセージが入っていた。
 ギルドカードがこんな音を発した事がいままで一度もない。
 それだけ緊急な用事だと思ったのだ…が。

 「済まない、本当に緊急なんだ! 今回ばかりは頼む!!」

 僕は周囲の人達に頭を下げた。
 ところが…?

 「はいはい、出ました! 英雄ジョーク! もう騙されませんよ、観念してください!」
 「そうそう、この手で前回は逃げましたからね。 何度も引っ掛かりませんって、なぁ皆!」
 「そうだそうだ!」
 「必死になって物を言ったら逃げられると思わないで下さいよ!!」

 僕は必死に頭を下げてまでお願いしたが聞き入れて貰えなかった。

 「今回は本当に緊急なんです! お願いですから通してください!!」
 「だから騙されないと言っているでしょう!」
 「そうやって逃げようとするなんて…」

 仕方ない、悪名が広がるかもしれないがこの手を使うしかないか…

 「右手から豪炎、左手にも豪炎…複合統一魔法・爆炎滅殺陣…灰になりたい奴はこの場に残れ!! 急ぎだと言っているだろうが! 調子に乗っていると、この町ごと灰にするぞ!!!」
 
 町の人々は悲鳴を上げて一斉に逃げ出した。
 僕は炎を解除した後に外に向かう為に走った。
 そして外に出ると、ギルドカードの文章を読んだ。

 【ダン、油断した。 観察者が再び現れて封印を発動されたのでこのメッセージを送る。 全てのスキルを封印からロックしようとしたのだけど、時間が無くて全ては出来なかった。 恐らくだけど、【無属性魔法】・【闇魔法】・【修復】は封印されたと思う。 シルロンダーは死守出来たけど、シルフィンダーは封印された。 観察者の封印は前回破ったから、今度はかなり強力な封印を施されると思う。 なのできをつ………】
 文章が途中で終わっていた。
 それだけ緊急だったのだろう。

 「観察者の復活か…ロック出来たと言ってもいつ解除されるか解らないな。 慱…助けに行けないのが歯がゆいよ…」

 慱の事だから、復活するのに時間は掛かるだろう。
 今回は更に強力な封印と言っていたから、今後はスキルに頼った戦い方は避けた方が良いと思った。
 とりあえず、酒場に戻ってガイウス達に理由を話す為に歩き出した。
 途中、先程の町の人達がいたので、頭を下げて謝罪した。
 怯えた人、苦笑いをして誤魔化している人、愛想笑いをしている人がいたが、先程の様に僕に集まろうとはしなかった。
 怒りで人を怖がらせる行為はもうやめようと思った。
 だが、あの時は本当に急いでいたから…というのは理由にならないか。
 酒場に戻ると、町長は怯えながら僕に声を掛けてきた。
 
 「ダン様、先程は町の者達が失礼致しました。」
 「いえ、僕も大人げなかったです。 ただあの時はどうしても緊急な要件だったので、頭を下げて説得しても嘘だと思われて逃がしてくれなかったので、咄嗟に威嚇する様な真似を致しました。 誠に申し訳ありませんでした。」

 僕は酒場の入り口から少し入った所に行くと…

 「ガイウス、レイリア話がある来てくれないか?」

 …とテーブル席に座っている2人に聞こえる様に声を掛けた。
 普通だと、この位置からでは普通の人間には聞こえないのだが、エルヴは耳が良いので聞こえたみたいで、2人は席を立ってこちらに来た。

 「ダン、何があった?」
 「すまない、ここで話せる内容ではないので外に行こう。」

 僕はガイウスとレイリアを連れて堤防まで行った。
 ガイウスとレイリアには、僕の中に慱がいる話や観察者の話は既にしてあった。

 「実は慱が復活した観察者に封印された。 僕の中のスキルも【無属性魔法】と【闇魔法】と【修復】、それにシルフィンダーも封印された。」
 「なんだと!? なら、ダンのスキルもいずれは…」 
 「あぁ、可能性はある。 それに前回慱は自力で観察者の封印を破れたけど、今回は前回の様にいかないように強力な封印を施しているみたいだから、こちらから助けにでも行けない限り封印は破れないと思う。」
 「なら、この先の戦いがより一層厳しくなるな。」
 「ダンはこれからどうするの?」
 「生活魔法はまだ使えるから、今後は魔法に頼るのは最小限にして、魔剣を主に使って行こうと思う。」
 「魔剣アトランティカか…っていうか、形が変わってないか?」
 「本当だ、みすぼらしい形だったのに、歪な片刃の剣になってる。」

 理由を言えば心配させてしまうが…?

 「あ~~~、この話をしても良いのか迷うのだが…」
 「何だ?」
 「酒場で食事をし終わった後に、アイマァフールの所に行って魔剣が進化した後に、アイマァフールの死体を確認しに来た十六鬼影衆の1匹と出くわして倒した。」
 「はぁ? ダン1人でか??」
 「ダン…凄いね。」
 「倒した経験値を考えると、恐らくだけどアイマァフールより強かった。」
 「でも、お前はレベルが上がらないだろ? スキルのレベルでも上がったのか?」
 「いや、経験値の全てはアトランティカに全て譲ったら、2度目の進化をして更に性能が上がった。」
 「いやいや…ちょっと待て! どうやって倒したんだ?」
 「鬼影衆に無属性魔法で作りだした全方位の100本の槍で串刺し…」
 「えげつない倒したかするな…んで?」
 「動けなくなった奴にトドメを刺す為に、首を刎ねて額に剣を突き立てた。」
 「お前の無属性魔法は反則的だな…だが、その無属性魔法も今後は使えないのだろう?」
 「ダンの戦力が大幅に下がっちゃうね。」

 レイリアの発した言葉に傷付いた。
 決して悪気があった訳ではないよな?

 「レイリア、痛い所を付くね…でも、その通りだよ。」
 「それで魔法に頼らずに剣か、良い判断だと思う。」
 「それで、ダンはこれからどうするの? その為に私達を呼んだんでしょ?」
 「僕は武器の扱いに関しては、ガイウスやクリスには敵わない。 なのでしばらく別行動をしたいと思う。」
 「この国で剣の修業か?」
 「ダンと別れる事になるなんて…」
 「いやいや、まだだよ、まだ! とりあえず海を渡ってからの町で1か月ほど別行動するよ。」
 「その間、俺達は4人でギルドの依頼をこなしていれば良いのか?」
 「そうだね、ガイウスがリーダーとして導いてやってくれ…あ!」
 「ん? どうした?」
 「どうしたの?」
 「ガイウスは町から離れる事は無いよね?」
 「そうだな、当分は宿を拠点として活動するからな。」
 「なら、良かった。」
 「ん? なんだ?」

 街にいる間は大丈夫だろうか…?
 まぁ、その辺は何とかするか。

 「僕が離れている間に、ギルド依頼で泊まり込みの依頼だった場合、誰が食事を作るのかが気になったんだが…」
 「「あぁっ!!」」
 「確かにそれは盲点だったな…」
 「私達じゃ…アレになるかもしれないしね。」
 「あぁ、アレか… クリスは焼いても生でもイケると言っていたから料理は作れないだろうし、クリアベールはどうなんだろうね?」
 「ダン!! なるべく早く帰って来てくれ!!」
 「私もダンの御飯が無いと生きていけない。」
 「まぁ、まだ船旅まで日数があるから、それまでに何か対策するよ。」

 そして僕等は酒場に行ってクリスとクリアベールと合流すると、宿屋に泊まった。
 翌日…港では大変な事が起こっていた。
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