第4回恋愛小説大賞

第4回恋愛小説大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは「ストロベリー」「プラトリーナ」「Peewee 年下草食甘男子」「君にふる雨は、優しい雨であってほしい」「ナノティランヌス」の5作品。

最終的に編集部内で過半数の支持を得て、大賞に決定したのは「ストロベリー」。

確かな文章力もさることながら、構成が非常によく練られており、またシーンごとの表現・描写もセンスを感じさせるもので、最後までまったく飽きさせない、とても面白い小説であった。この作品が醸し出す90年代っぽい魅力が、現在の10代~20代の女性たちに受け入れられるものか検討し、出版化を目指したい。

また次に評価されたのは「プラトリーナ」と「Peewee 年下草食甘男子」。

「プラトリーナ」は「獣人」という設定がストーリーに充分にいかしきれてるとは言えないきらいがあるが、それを補ってあまりある魅力的な恋愛ロマンス小説であり、色気のある都会の年上男性と田舎で育った平凡なヒロインというキャラクターが一貫してぶれることなく、じりじりと進むその恋物語が大変多くの読者の共感を得ているものと高く評価された。読者賞受賞作としてアルファポリスから是非、出版をしたいと考える。

また「Peewee 年下草食甘男子」は文章力が高く、テンポよく読み進められる、良質の大人向けのラブコメであった。ただ、出版化するにはもう一歩なにか魅力的な要素が欲しいと感じられた。またタイトルの「草食男子」は宣伝コピーとしてはキャッチーではあるが、タイトルとして使用するのは、作品が面白いだけに逆に損をしていると感じた。

その他、「君にふる雨は、優しい雨であってほしい」はストーリーは粗が目立ち展開も強引だが、ティーン少女向けの青春恋愛作として、その粗さも含め非常に力強い魅力を放つものであった。またタイトルもそうした作品の魅力を的確に伝える、秀逸なものであり、とても良かった。

「ナノティランヌス」は、ほのぼのとした雰囲気をもつ、とても読みやすいラブコメ作で、同作を含め今回3作で参加した著者だが、いずれもオリジナル性を感じるレベルの高い小説で、なにかもう一つ魅力付けが出来れば大きく化ける可能性があるのではと感じた。

またここであげた候補作のほかに、エタニティブックスのレーベルから出版の可能性を感じる作品もいくつかあり、エタニティブックス編集部で検討し、個別にオファーや打診をしていきたいと思う。

応募総数 324作品 開催期間 2011年02月01日〜末日

ストロベリー

ミャタケイ

編集部より

設定・ストーリーともによく練られた、大変完成度の高い作品でした。物語の構成もよく考えられており、一見、何の関係もなかったような場面が次第に一本の線で結ばれていき、ひとつのラストへと読者を導いていく様は見事だと思います。また、その中でそれぞれの登場人物が、様々な事態に直面しつつも、目を逸らすことなくまっすぐに生きている様子がとても印象的でした。 編集部で是非、出版化を検討したいと思います。

プラトリーナ

七瀬礼帷

編集部より

あまり世慣れしていない田舎娘リーナと、大人の色気を感じさせるワイルドな都会男アルフォンソ。ぶれることなく終始一貫しているふたりのキャラクターとその関係がとても魅力的な作品でした。ふたりを襲う事件を背景にしながら、じれったいくらいにゆっくり進んでいく恋愛模様が読者をひきつけてやまないのだと思います。 アルファポリスから是非、出版をしたいと考えます。

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投票総数 2,141票 当選 10名