第4回歴史・時代小説大賞終了

第4回歴史・時代小説大賞

選考概要

編集部内で大賞候補作としたのは、「鬼の武蔵は、いやにて候 -岩崎城陥落-」「天下無双の居候 六左衛門疾る」「羨望剣犬笛」「照と二人の夫」「はとこ剣豪 おのれ釣徒 ~『何羨録』異聞~」「1333直義太平記」「暗闇坂お伽草紙」の7作品。選考の結果、圧倒的な支持を集めた「羨望剣犬笛」を大賞に選出することとした。


「羨望剣犬笛」は、金が払えないせいで遊郭に「居残り」となっている訳あり剣客を主人公とする短編。構成力が高く、展開のテンポが非常に軽妙だった。また飄々とした主人公と女達との静かで人情味ある交流や、緊迫感溢れる殺陣の描写などが時代小説を好む読者のツボを押さえており、ぜひ長編でも読んでみたい! と思わせる良作であった。

「鬼の武蔵は、いやにて候 -岩崎城陥落-」は、織田信長の配下、森長可を中心とした活劇作品。この時代設定の醍醐味ともいえる政治、戦の描写が少ないことに物足りなさを感じる面はあったものの、長可の豪快なダークヒーローぶりをはじめ、各キャラクターに戦国武将ならではの勢いを感じた。

「はとこ剣豪 おのれ釣徒 ~『何羨録』異聞~」は、実在の旗本をモデルとした釣りと剣の物語。他に類を見ない題材を取り上げ、読者のターゲット層をしっかり定めて設定が練られているが、ストーリー全体にもう少しメリハリと盛り上がりが欲しかった。

「暗闇坂お伽草紙」は軽妙さや可愛らしさを感じられる江戸時代のあやかしものであり、起承転結を意識したエンタメ性の高い読み物として仕上がっていた。ただ、テーマの割に幼さが目立ち、どういった層に読ませたいのか伝わりづらい点がマイナスとなった。

応募総数165作品 開催期間2018年05月01日〜末日

編集部より

妓楼に留め置かれた「居残り」である方治の飄々としつつも陰のある雰囲気が魅力的で、かつ遊郭という舞台も面白く、引きの強さを感じました! 登場人物達の心情・人情を感じさせるやりとりや剣術の緻密な描写もあいまって、非常に素敵な作品に仕上がっていると思います。また、方治が自らが助けた女と話し、過去と向き合うラストは胸に迫るものがありました。


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。戦国時代にタイムスリップした主人公が、織田信長をはじめとする個性豊かなキャラクターとともに天下統一を目指すストーリーがとても魅力的な作品でした。現代知識と母方の家系から受け継がれた陰陽師の力を活かしつつ、仲間と力を合わせながら戦国の世をたくましく生きる姿に、多くの読者が共感したのではないのでしょうか。

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