第8回ホラー・ミステリー小説大賞

第8回ホラー・ミステリー小説大賞

選考概要

1,269作の応募があった第8回ホラー・ミステリー小説大賞。その中で一次選考を通過したのは37作品。王道の怪異モノや、個性的なキャラによる探偵モノ、情緒ある人間ドラマが展開されるミステリー、デスゲームをテーマにした作品など、個性豊かな小説が集まった。とりわけ、募集時に力を入れてPRした「モキュメンタリーホラー」にチャレンジしてくれる意欲的な参加者が多く、昨今のブームの勢いを感じさせるとともに、選考にも熱が入った。

そこからさらに検討を進め、編集部内で大賞候補としたのは、「お客様が不在の為お荷物を持ち帰りました。」「『怪蒐師』――不気味な雇い主。おぞましいアルバイト現場。だが本当に怖いのは――」「蜃気楼に彼女を見たか」「電子探偵イデア~殺意に染まる白銀~」「最後の配信」「これはデスゲームを見守る簡単なお仕事です。」の6作品。

その上で、僅差ではあったが、不気味なストーリーとタイトルの秀逸さが支持を集めた「お客様が不在の為お荷物を持ち帰りました。」を大賞に選出。大賞には一歩及ばなかったものの、巧みなホラー描写が魅力の「『怪蒐師』――不気味な雇い主。おぞましいアルバイト現場。だが本当に怖いのは――」を優秀賞とした。その他、最終選考に残ったものの、惜しくも受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。

「お客様が不在の為お荷物を持ち帰りました。」は、誰もが身近に感じられる宅配便の再配達を起点として、次々と連鎖していく恐怖体験を描いたホラー作品。ぞくりとさせられる共感性の高い設定と、日常に潜む恐怖をさまざまな視点で描く優れた構成力が、編集部一同高評価だった。

「『怪蒐師』――不気味な雇い主。おぞましいアルバイト現場。だが本当に怖いのは――」
は、恐怖体験を買い取る怪しげなバイトに応募した大学生が、数々の怪異に遭遇していく連作短編ホラー。臨場感のある描写や個性的なキャラ、衝撃の結末に引き付けられた。

開催概要はこちら
応募総数 1,269作品 開催期間 2025年03月01日〜末日

編集部より

視点を変えながら謎が明かされていく構成が巧みで、ラストまで一気に読んでしまいました。身近な不在配達を題材としつつ、ぞくりとするような不条理ホラーに仕上がっていると思います。タイトルも秀逸で、不審な配達員が発する再配達時のお決まりの台詞は、日常に侵食してくるような不気味さを感じました。


編集部より

ポイント最上位作品として、”読者賞”に決定いたしました。一話完結の怖い話が淡々とした語り口で描かれ、正体の分からない恐怖にゾッとしました。幽霊や呪い、生きている人間の狂気など、さまざまな題材で短くテンポよく続けられる話が、読者を引きつけたのだと感じます。


編集部より

恐怖体験で高収入を得る怪しいバイト、他人の恐怖を収集する男イスルギ、一家惨殺の生き残りなど、ユニークな設定で、序盤から一気に世界観に引き込まれました。大どんでん返しのラストもカタルシスがあり、最後まで大変面白く読ませていただきました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

奨励賞

投票ユーザ当選者

投票総数 1,245票 当選 10名