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第4章 呉の進出
50 正義の実力
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豚狩村のお祭り会場を離れ、少し奥にある空き地で俺と正義さんは対峙した。
正義さんは相変わらずだらんとしており、隙だらけである。本当に戦う気があるんだろうか?
「あのー、本当にやるんですよね?」
「おー、いつでもいいぞー。そうそう、ルールを決めておこうか。右手で相手に触れた方の勝ちってことにしよう。あとはどんな手を使ってもおっけーだよん」
どんな手を使っても、か。でも正義さんを丸焦げにするわけにはいかないから炎系の魔法は使えないな。となるとーー
『私は魔道を行使し続ける
プッシュ・ウィンドウ』
シュー、という音と共に、俺の体は魔法の風を纏った。
「んん? 発動し続ける? すごいね、千の改編魔法の遣い手とは聞いてたけど、行使宣言まで改編しちゃうとは畏れ入ったよ」
「だから千個も使えませんってば」
今の魔道行使宣言は、俺の補助スキル『詠唱宣言省略』によって文言が変化している。次に俺が『魔道の行使を終了する』と宣言するまで、魔法名を唱えるだけで、瞬時に発動出来るようになる優れものだ。
また、プッシュ・ウィンドウは千春さんに教えてもらった風初級魔法だ。……教えてもらったというか、魔法を一度見せてもらいコン先生に再現してもらっただけだが。
[プッシュ・ウィンドウ]で風を纏い、次の命令で任意の方向へ風を飛ばす。
致死性もなくゴミ魔法と呼ばれているが、連続で使えるのであれば話は変わってくる。
「じゃあこっちからもいくぞー。」
正義さんはそういうと、だらだらとこっちに近づいて来た。なんて隙だらけなんだろう。さっさと終わりにしちゃおうか……な……? あれ?
(何だ? 隙だらけの筈なのに、攻撃のタイミングが図れない)
不思議だ。攻撃しようとした瞬間にふらっと予想外の方向へ体を動かされてしまうので、攻撃のタイミングを見失ってしまう。何だか呼吸を外されているような妙な感覚だ。
「どうしたー? 触っちゃうぞー」
(やば! ぼーっとしすぎた!)
攻撃のタイミングを図っている間に正義さんは手が届きそうな場所まで来ていた。もう考えるのは止めだ、攻撃してしまおう。
俺は正義さんの体を指差す。
『プッシュ!』
俺がプッシュ・ウィンドウに『命令』すると、魔力で固められた風の塊が指先から弾き出た。不可視の風の塊だ。鍛えてるとはいえ、ただの行商人に避けられる筈は無い…………え゛?
「おおっとー」
正義はくるりと半回転し、不可視の風を避けてしまった。
正義さんは相変わらずだらんとしており、隙だらけである。本当に戦う気があるんだろうか?
「あのー、本当にやるんですよね?」
「おー、いつでもいいぞー。そうそう、ルールを決めておこうか。右手で相手に触れた方の勝ちってことにしよう。あとはどんな手を使ってもおっけーだよん」
どんな手を使っても、か。でも正義さんを丸焦げにするわけにはいかないから炎系の魔法は使えないな。となるとーー
『私は魔道を行使し続ける
プッシュ・ウィンドウ』
シュー、という音と共に、俺の体は魔法の風を纏った。
「んん? 発動し続ける? すごいね、千の改編魔法の遣い手とは聞いてたけど、行使宣言まで改編しちゃうとは畏れ入ったよ」
「だから千個も使えませんってば」
今の魔道行使宣言は、俺の補助スキル『詠唱宣言省略』によって文言が変化している。次に俺が『魔道の行使を終了する』と宣言するまで、魔法名を唱えるだけで、瞬時に発動出来るようになる優れものだ。
また、プッシュ・ウィンドウは千春さんに教えてもらった風初級魔法だ。……教えてもらったというか、魔法を一度見せてもらいコン先生に再現してもらっただけだが。
[プッシュ・ウィンドウ]で風を纏い、次の命令で任意の方向へ風を飛ばす。
致死性もなくゴミ魔法と呼ばれているが、連続で使えるのであれば話は変わってくる。
「じゃあこっちからもいくぞー。」
正義さんはそういうと、だらだらとこっちに近づいて来た。なんて隙だらけなんだろう。さっさと終わりにしちゃおうか……な……? あれ?
(何だ? 隙だらけの筈なのに、攻撃のタイミングが図れない)
不思議だ。攻撃しようとした瞬間にふらっと予想外の方向へ体を動かされてしまうので、攻撃のタイミングを見失ってしまう。何だか呼吸を外されているような妙な感覚だ。
「どうしたー? 触っちゃうぞー」
(やば! ぼーっとしすぎた!)
攻撃のタイミングを図っている間に正義さんは手が届きそうな場所まで来ていた。もう考えるのは止めだ、攻撃してしまおう。
俺は正義さんの体を指差す。
『プッシュ!』
俺がプッシュ・ウィンドウに『命令』すると、魔力で固められた風の塊が指先から弾き出た。不可視の風の塊だ。鍛えてるとはいえ、ただの行商人に避けられる筈は無い…………え゛?
「おおっとー」
正義はくるりと半回転し、不可視の風を避けてしまった。
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