異世界ライフは前途洋々

くるくる

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閑話.結局エロい男たち

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 深夜、ギルド裏の倉庫には黙々とオークの解体作業を進めるベンの姿があった。

  この辺りにはゴブリン、オーク、ホーンラビットが多い。ゴブリンやオークは増えやすいので、見つけたら出来る限り討伐するのが冒険者の常識だ。

  ゴブリンやホーンラビットなら下級の冒険者でも倒せるがオークはそうはいかない。素早くは無いが皮が厚くて攻撃が効きにくい。力も強いので一撃受けたら場所によってはかなり危ない。その上単独では行動しない。だからひとりで討伐など少なくとも中級ランクの冒険者でなければ出来ないのだ。

  そのオークを、新人の女冒険者がひとりで狩ってきた。19体も。

 「…」

  思わず考え込んでしまい、いつの間にか手が止まっていた事に気が付いて再開する。

 「ご苦労さん、まだかかりそうか?」

  そう言って入ってきたのはギルドマスターのガズリー。

 「…もう一息ですよ」
 「そうか…19体、だったか?どんな傷だ?」
 「…オークは殆ど一撃ですね。パックリ半分に割れてんのもいる。余程の武器と腕がなきゃこうはいかないでしょう」
 「短剣は腰にあったな」
 「あれはメインじゃない、大剣かなんかあるはずです」

  ガズリーはベンの作業を眺めながら息を吐く。

 「だろうな…伊達にビキニアーマー着てねえか」
 「…あの女、何者なんです?本当に新人ですか?オークを一撃で倒すくらい強くて、魔物の状態から見ると魔力もかなり高い。オマケに新人にしちゃ冷静過ぎる」
 「確かに…アイテムバッグも無かったな。まあ解析持ちは偶にいるが…これが入るんだから魔力も高いか…だが新人なのは本当だ。仮登録しかしてない。正規の冒険者ならもう少しここに留まってほしい所だが…仕方ねえ」
 「まあ、そうですね…」

  話しているうちに作業が終わった。暫し沈黙。

 「「……」」
 「…イイ女だよな。綺麗だし…」
 「…かなり。見ました?あのケツ」

  ガズリーの唐突な一言を機にエロい話題になる。さっきまでの真剣さは何処に。

 「…見た。だが俺はあのオッパイがイイ」
 「ケツでしょう」
 「オッパイだ」
 「あの腰のくびれからのラインがイイんですよ」
 「いいや、あの何でも挟めそうなオッパイがイイ」

  どうでも良い会話は続く。

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