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神様は俺を見捨てちゃったのぉ!?
しおりを挟むな、なななんであの人が此処にいるのーッ!?今、海外にいるはずじゃ…ッ!
この場から逃げようとしたけれど…
ーーガチャッ!
それは叶わなかった。
「……何をしている?ウィリアムズ様がお待ちだ」
扉を開けて俺の腕を掴んだのは白銀の髪を後ろにリボンで束ね、目元に泣きぼくろのある黒スーツの… 青年だった。
「くすっ… 可哀想に。ジキル、彼が怯えてるではありませんか」
「セシール…」
そう返すジキルさんの目が怖い。
俺の腕を掴んだ人が、ジキル・ベオルギー。一人称が俺。
それで、俺に可哀想って言った人は、
セシール・ベオルギー。
一人称は"私"を使っていて、いつも敬語と甘ったるい笑みを浮かべている人… 俺も人のこと言えないけどねー。
だけど、
この二人、何から何までそっくりなんだよねぇ…
まぁ、双子だしね。確か、ジキルさんが兄でセシールさんが弟、だったはず…。
「はぁ…」
この双子からは逃げられない。しかもー 腕を掴まれたんじゃ逃げられないよー
諦めて、理事長室に足を踏み入れると革張りの椅子を背中にして誰かが座っていた。
今日は厄日かも…
なんて思っていたら、
ーーギィッ!
背中向けていた革張りの黒い椅子がゆっくりと…
こちらを向くように回転した。
『やぁ!待ってたよ。生徒会会計の望月くん』
そう言って、革張りの高級椅子に腰深く座り、脚を組んでデスクに手を置き、顎杖ついて目を細めて此方を見る…
「………ウィリアムズ理事長」
ふっ…
「………」
ニコリと笑みを浮かべる目の前のウィリアムズ理事長に思わず顔が引き攣った。
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