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子供の名前

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優也は悩んでいた産まれた子は四人。
名前を付けるのはこの国では父親の役目だった。
二人は人間。あとの二人は人獣。
何てつける?
性別は男子が二人女子が二人だった。
男の子は強く育って欲しいから強くなりそうな名前がいい。
女の子はおしとやかに育って欲しいと思った。
決して妹のようになってほしくない。
「・・・優也様・・・まだ御子お名前を付けてないんですか?」
紀藤は呆れながら言った。
「ああ、まだ悩んでいる」
優也は真剣に悩んでいた。しかし早くつけてやりたい。
そう考えていると自然と名前が浮かんだ。
人間の男の子はいさみ。女の子は古奈美こなみ
人獣の男の子はあらた。女の子は雪乃ゆきの
これをフォンに伝えると嬉しそうにしていた。
ようやく名前を決めてもらえたことが嬉しかったようだ。
「長くかかりましたね・・・優也王」
「本当ですよね、悠里さん」
悠里と紀藤は半ば呆れている。
だがそれも仕方のない事だった。
四人分の名前を決めなくてはいけなかったのだ。
さすがに時間もかかるだろう。
こうして無事に名前も決まった。
後はもう少し子供が大きくなってから”お披露目の儀”が待っている。
今はまだ母子共々安静にしておかなくてはいけないらしい。
「また王家や貴族の言葉でフォンが傷つかなければいい」
優也はそう呟いた。
その声はフォンに届いていた。
「私はもうあの頃の私じゃありません。何を言われても平気です」
その瞳には強い意思があった。
確かにあの頃のか弱い少女ではなくなっていた。
彼女は母親の顔になっていた。
「この子たちの事を悪く言う者は誰であっても許しません」
そう言ってにっこり笑ってみせた。
「・・・ああ、そうだな」
その笑みにつられ、優也も笑ていた。
(私には皆がついている。もうあの頃の私じゃない!この子たちは私が守ってみせる)
フォンは強くそう思った。
そこにいた皆がフォンの変化に気がついていた。
フォンは少女から女へと変わっていたのだ。
今回の”お披露目の儀”は大丈夫だろう。
これだけフォンが強くなったのだから。


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