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腐敗竜編
玉砕覚悟
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ドドドドドッ……!!
「ぐえっ……?」
「がぁああっ……?」
村の前に存在する丘から激しい音が聞こえ、村に存在する村人や王国の兵士のアンデット達が見上げると、
「――行くぞお前らぁあああああっ!!生きて帰れると思うなぁああああああっ!!」
「「ワルキューレに栄光あれ!!」」
そこには丘の上から飛び降りる無数のワルキューレ騎士団の姿が存在し、全員が武具を構えて空中で体勢を整え、地面に着地する。
「がぁああああああっ!!」
「うおぉおおおおおっ!!」
「ああぁあああああっ!!」
アンデットたちもすぐに迎え撃つように集結し、我先にと向かってくるワルキューレに怯まずに襲い掛かる。知能が低い以上、恐怖という感情も薄れており、中には足の遅い者を後ろから踏み台にしてまで突撃する者も存在する。
そして、徐々に距離は縮まり、まずは一番先頭を走る「テン」に向けて数匹のアンデットが飛びかかった瞬間、
「――剛天撃!!」
ズガァアアアンッ!!
「「「ぎぃいあぁああああっ!?」」」
漆黒の大剣を振るいあげ、純粋な肉体強化(アクセル)した腕力で薙ぎ倒す。単純な攻撃だが、その威力は地面にクレーターを生み出すほどだ。だが、吹き飛ばしても新手のアンデットが倒された屍を踏み台にしてテンに襲い掛かる。、
「お前ら!!」
「はい!!」
「お任せ下さい!!」
テンの両脇に並んでいた側近の女騎士が前に出ると、まるで「蜂」の針を思わせる形状の槍を突き出し、槍の柄に填め込まれている魔石を利用して無詠唱で魔法を発現させる。
「火炎槍!!」
ボウッ!!
「「ぎゃあぁあああああっ!!」」
激しく槍の先端が発火し、向い来るアンデットの群れを一気に貫く。聖属性の次にアンデットに効果が高い火属性のため、火に反応してアンデットたちの動きが止まる。その隙を逃さず、他のワルキューレたちも武器を振り上げ、それぞれ詠唱を行うと、
「火剣!!」
「水槍!!」
「雷斧!!」
「風矢!!」
ズドォオオオオンッ!!
「「がぁあああああああっ!?」」
次々と魔法が放たれ、アンデットたちを一掃していく。この調子ならば、もしかしたら腐敗竜の元に全員が無事に辿り着けるのではないかとテンが笑みを浮かべたとき、
「ぎええっ!!」
「なっ……くっ!!」
ガキィンッ!!
村人のアンデットを押しのけ、無数の兵士の格好をしたアンデットが襲い掛かり、女騎士達は咄嗟に防ぐ。恰好から察するに王国に派遣された兵士たちで間違いなく、死亡して尚も装備した武器を手放さずに襲い掛かってくる。
「このっ!!」
「がはぁっ!?」
ズバァアアアッ!!
すぐにワルキューレたちは彼らを斬り伏せるが、完全に行進の勢いを殺されてしまった。他のアンデットたちがそれを確認しんて息を吹き返したように立ち上がり、再度突進を仕掛ける。
「ちっ……失せな!!」
ズバァアアアアッ!!
「があっ……!?」
「げふっ……!?」
テンが大剣を振るうたびに数匹のアンデットの首が飛ぶが、相手はすくなくとも1000を超えており、どれだけ大剣を振っても新手が押し掛かる。何時の間にかワルキューレ騎士団は完全に周囲を囲まれてしまい、前線の騎士がアンデットを抑え込み、中央に居る騎士達が魔法を詠唱し援護を行うが、数の暴力には敵わない。
これが普通の人間相手ならばワルキューレに恐れて無闇な行動は取らないだろうが、アンデットの最も厄介な所は死を恐れないであり、知能が低いために単純な行動しか行えないが、どんな武器を所持していようが、どんな大軍で待ち構えていようが、彼等は躊躇なく襲い掛かる。
「くそっ……まだ半分も行ってないってのに!!」
前方にまるで小山を思わせる腐敗竜の巨体が確認出来るが、その距離はまだ100メートルも離れている。これでは「囮」の役目も行えず、テンは大剣を振るい上げながら一瞬だけ振り返り、配下の女騎士達の様子を伺う。
まだ犠牲者は1人もいないのが幸いだが、全員の顔色が悪い。ここまでたどり着くまでに随分と疲労しており、さらにはこの村全体に呪詛が充満し、まるで身体全体が水中に浸かったかのように動きにくい。先ほどのようにジャンヌがレーヴァティンを使用してくれれば楽になるだろうが、あまりに彼女に頼ると肝心な腐敗竜の浄化に支障が出る。
(ここであいつに頼るわけにはいかないねっ……!!)
テンはありったけの魔力を注ぎ込み、大剣に雷が迸り、柄の部分に埋め込まれた「黄色い魔石」が光り輝いた瞬間、
「斧雷!!」
ズドォオオオオンッ!!
「「「いぎゃあぁああああああああっ!?」」」
彼女が全身の筋肉を震わせて大剣を投擲し、一気に正面に群がっていたアンデットを貫く。今の一撃で100体近くのアンデットが薙ぎ倒され、前方に大きな道が生まれる。
「お前ら!!ついて来な!!」
「「はっ!!」」
テンはすぐ傍のアンデットの頭を鷲摑み、その怪力で振り回しながら前方を走り出す。その後にワルキューレの集団も続き、一気に腐敗竜の元に向かう。完全にワルキューレ騎士団の存在を無視しているのか、腐敗竜は背を向けたまま動かず、その様子が余計にテンを苛立たせ、
「舐めんじゃねえぞこらぁああああっ!!」
「「ぐぎぃいいいっ!?」」
両手に掴み上げたアンデットを振り回しながら、まるで人間ヌンチャクを思わせる動きで突進する。
「ぐえっ……?」
「がぁああっ……?」
村の前に存在する丘から激しい音が聞こえ、村に存在する村人や王国の兵士のアンデット達が見上げると、
「――行くぞお前らぁあああああっ!!生きて帰れると思うなぁああああああっ!!」
「「ワルキューレに栄光あれ!!」」
そこには丘の上から飛び降りる無数のワルキューレ騎士団の姿が存在し、全員が武具を構えて空中で体勢を整え、地面に着地する。
「がぁああああああっ!!」
「うおぉおおおおおっ!!」
「ああぁあああああっ!!」
アンデットたちもすぐに迎え撃つように集結し、我先にと向かってくるワルキューレに怯まずに襲い掛かる。知能が低い以上、恐怖という感情も薄れており、中には足の遅い者を後ろから踏み台にしてまで突撃する者も存在する。
そして、徐々に距離は縮まり、まずは一番先頭を走る「テン」に向けて数匹のアンデットが飛びかかった瞬間、
「――剛天撃!!」
ズガァアアアンッ!!
「「「ぎぃいあぁああああっ!?」」」
漆黒の大剣を振るいあげ、純粋な肉体強化(アクセル)した腕力で薙ぎ倒す。単純な攻撃だが、その威力は地面にクレーターを生み出すほどだ。だが、吹き飛ばしても新手のアンデットが倒された屍を踏み台にしてテンに襲い掛かる。、
「お前ら!!」
「はい!!」
「お任せ下さい!!」
テンの両脇に並んでいた側近の女騎士が前に出ると、まるで「蜂」の針を思わせる形状の槍を突き出し、槍の柄に填め込まれている魔石を利用して無詠唱で魔法を発現させる。
「火炎槍!!」
ボウッ!!
「「ぎゃあぁあああああっ!!」」
激しく槍の先端が発火し、向い来るアンデットの群れを一気に貫く。聖属性の次にアンデットに効果が高い火属性のため、火に反応してアンデットたちの動きが止まる。その隙を逃さず、他のワルキューレたちも武器を振り上げ、それぞれ詠唱を行うと、
「火剣!!」
「水槍!!」
「雷斧!!」
「風矢!!」
ズドォオオオオンッ!!
「「がぁあああああああっ!?」」
次々と魔法が放たれ、アンデットたちを一掃していく。この調子ならば、もしかしたら腐敗竜の元に全員が無事に辿り着けるのではないかとテンが笑みを浮かべたとき、
「ぎええっ!!」
「なっ……くっ!!」
ガキィンッ!!
村人のアンデットを押しのけ、無数の兵士の格好をしたアンデットが襲い掛かり、女騎士達は咄嗟に防ぐ。恰好から察するに王国に派遣された兵士たちで間違いなく、死亡して尚も装備した武器を手放さずに襲い掛かってくる。
「このっ!!」
「がはぁっ!?」
ズバァアアアッ!!
すぐにワルキューレたちは彼らを斬り伏せるが、完全に行進の勢いを殺されてしまった。他のアンデットたちがそれを確認しんて息を吹き返したように立ち上がり、再度突進を仕掛ける。
「ちっ……失せな!!」
ズバァアアアアッ!!
「があっ……!?」
「げふっ……!?」
テンが大剣を振るうたびに数匹のアンデットの首が飛ぶが、相手はすくなくとも1000を超えており、どれだけ大剣を振っても新手が押し掛かる。何時の間にかワルキューレ騎士団は完全に周囲を囲まれてしまい、前線の騎士がアンデットを抑え込み、中央に居る騎士達が魔法を詠唱し援護を行うが、数の暴力には敵わない。
これが普通の人間相手ならばワルキューレに恐れて無闇な行動は取らないだろうが、アンデットの最も厄介な所は死を恐れないであり、知能が低いために単純な行動しか行えないが、どんな武器を所持していようが、どんな大軍で待ち構えていようが、彼等は躊躇なく襲い掛かる。
「くそっ……まだ半分も行ってないってのに!!」
前方にまるで小山を思わせる腐敗竜の巨体が確認出来るが、その距離はまだ100メートルも離れている。これでは「囮」の役目も行えず、テンは大剣を振るい上げながら一瞬だけ振り返り、配下の女騎士達の様子を伺う。
まだ犠牲者は1人もいないのが幸いだが、全員の顔色が悪い。ここまでたどり着くまでに随分と疲労しており、さらにはこの村全体に呪詛が充満し、まるで身体全体が水中に浸かったかのように動きにくい。先ほどのようにジャンヌがレーヴァティンを使用してくれれば楽になるだろうが、あまりに彼女に頼ると肝心な腐敗竜の浄化に支障が出る。
(ここであいつに頼るわけにはいかないねっ……!!)
テンはありったけの魔力を注ぎ込み、大剣に雷が迸り、柄の部分に埋め込まれた「黄色い魔石」が光り輝いた瞬間、
「斧雷!!」
ズドォオオオオンッ!!
「「「いぎゃあぁああああああああっ!?」」」
彼女が全身の筋肉を震わせて大剣を投擲し、一気に正面に群がっていたアンデットを貫く。今の一撃で100体近くのアンデットが薙ぎ倒され、前方に大きな道が生まれる。
「お前ら!!ついて来な!!」
「「はっ!!」」
テンはすぐ傍のアンデットの頭を鷲摑み、その怪力で振り回しながら前方を走り出す。その後にワルキューレの集団も続き、一気に腐敗竜の元に向かう。完全にワルキューレ騎士団の存在を無視しているのか、腐敗竜は背を向けたまま動かず、その様子が余計にテンを苛立たせ、
「舐めんじゃねえぞこらぁああああっ!!」
「「ぐぎぃいいいっ!?」」
両手に掴み上げたアンデットを振り回しながら、まるで人間ヌンチャクを思わせる動きで突進する。
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