上 下
88 / 424
茹でたコンニャク

3

しおりを挟む
摩耶は息を切らせながら、ベッドに顔をうつ伏せて泣いている。腕の抓られた跡が赤紫に変色して痛々しい。。

だが、ナミはそんな摩耶を見ても平然としていた。

「まだだ、まだだよ摩耶。こんなもんじゃお終いにはならないよ。
お前を、私の命令を100%聞ける様になるまで徹底的に仕込んでやる。でなければ私の計画が台無しだからね!」

〝ナミの計画!?〝

美菜と摩耶はこの言葉に同時に反応した。

「あの。。ナ、ナミさんの計画って何ですか?」

美菜が知りたいことを、摩耶が代わりに訊いたが、ナミは答えなかった。

「そんな事はまだ知らなくていいんだよ。そんな事より。。」

ナミは摩耶の泣き顔をじっと見つめながら言った。

「今日はさ、この前お前が話していた高校の教育実習性の。。なんて言ったっけ?」

「友里先生。。ですか?」

「そうそう。あの音楽室の話。お前も酷い事するよなあ。血も涙もない奴だ。
でもねえ。。話を聞いていたら、私も似たような事をやりたくなってねえ。」

そう言うと、ナミは再びキッチンに入り、小さな鍋を1つ運んできた。

そして摩耶に近づき、鍋の蓋を開けた。部屋の中に湯気が立ち上る。

「摩耶、お前のその綺麗な背中にこれを貼ってやるよ。」

ナミがそう言って、鍋の中身を摩耶に見せた。

鍋の中、湯気の向こうで沢山の何かがグツグツと茹だっていた。

それは。。

薄切りにされたコンニャクだった。
しおりを挟む

処理中です...