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【本幕・第6章】あねとん堰止め乱撃っ 前編!
2.帰国子女で猫かぶり少女なんですかっ!
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五月一八日、月曜日の午後五時過ぎ。正直な気持ちを吐露しよう。
姉二人やその周辺の女性のおかげで、俺の女体免疫力は高いと言える。
しかし、この状況はなんだ。居眠りしていたのか、音楽を聴いていたのか、自分を慰める行為にふけっていたのかは知らない。迅速に立ち去りたいが、行く手を阻むように女生徒が尻を突き出している。
「来栖さんだっけ? その前にパンツ替えた方がよくない?」
「んなっ! そんなことを言ってるんじゃないの! さっきの動画で脅迫するつもりなんでしょ!? さっさと犯っちゃえばいいわ! 早くブスッと来なさい!」
「ブスっとっ来なさいて言われてもなぁ……」
「ズボっとでも、ズブっとでもいいから、早く済ませてよ!」
めくりあげられて、露出したベージュのパンツにシミが見える。
そもそも、俺は窓の外を撮影するために端末を構えていただけで、こんな奴が図書室最奥部で眠りこけてるのは想定外だ。
「俺、替えのパンツとシャツ持ってるからさ、これに穿き替えなよ」
少々、汗っかきなので普段から替えのシャツとパンツは携帯している。
というか、これを実際に取り出すのは、今回が初のケースだ。
替えの肌着の初出番が、見知らぬ女子への貸出となるとは……
「動画は!? 今の誰にも言わないって約束できる!?」
「ほら、俺の端末渡すから。もう削除済みだ。誰にも言わないに決まってるだろ」
「うん、確認した。外部メディアも入ってない。君のそれ、ボクサーパンツ? 新品ね」
「とりあえず、これ」
袋に入った新品の黒いボクサーブリーフを来栖に手渡すと、その場で穿き替え始めた。スカートで隠しているだけましだが、大人しそうな眼鏡っ娘は表の顔ということか。
パンツを穿き替え、髪を結い直して落ち着きを取り戻した来栖有紀は、昨日のコンビニや数日前の生徒会室で見た、大人しいぼっち少女の顔に変貌を遂げていた。
「ありがとう青山蒼太君。蒼太君って呼んでもいいのかな?」
「呼び方はなんでもいい。花穂姉ちゃんの友達が困ってるんだから助けただけだ」
「は? 青山花穂の友達? 弟の前で失礼だけど、あのクソ猫かぶり大っ嫌い!」
来栖は言い放った。俺の耳が正しければ、この女は我が姉花穂が大嫌いだと言っているようだ。しかも、猫かぶりさえ見抜かれている。こいつ、何者なんだ。
「ほんとに失礼な奴だな。姉ちゃんが猫かぶりって……」
「同族嫌悪よ。わかるの、青山花穂が学校で猫をかぶってるって。わたしも同じだから」
「……みたいだな。さっきの乱れた様子からすると、面の皮何枚だよって感じだ」
「絶対言わないでねっ! 性奴隷になれって言うならなってあげるからっ!」
再び俺の耳が正しければ、新しい単語が飛び込んで来たぞ。
なんだこいつは、大人しいのは見た目だけで、中身は危ない中二病患者じゃないのか。
「なに言ってんだよ。もう図書室閉めて、帰るから早くしてくれ……」
来栖から図書室の鍵を受け取った俺は職員室へ返却して校門を出た。
しばらく通学路を家の方角へ進んで行くと、背後から足音が聞こえる。
「あれ? 来栖さん?」
「来栖でいいわよ。有紀でもいいし」
「じゃ、来栖で。先輩なのにいいのか?」
「青山花穂から聞いてない? 君と同い年よ。わたしは一学年飛び級で去年編入した帰国子女、ドイツ系アメリカ人のクォーター。母方の祖父がアメリカ人なの」
「よくわからんが、すごいってことだな……」
一〇分程歩くと住宅が立ち並ぶ小道に入る。青山家が見えてきた。
振り返ると、来栖が本を読みながら歩いて来る。あいつもここが通学路のようだ。
隣りの家の前に到着したときだった。背中に読書中の来栖が衝突したのだ。
「蒼太君、邪魔。そこ、うちなんだけど?」
「は? お隣り……表札来栖!? お前ってお隣りさんだったのか!?」
「もう半年は住んでるんだけど? 早く入りなよ」
「え、なんでお前の家に?」
「パンツ洗って返す。時間ないの?」
気乗りはしないが、お隣さんへの挨拶がてら立ち寄るか……
玄関に入ると靴を脱ぐ前に、来栖はいきなりパンツを脱ぎ始めた。
そして、下駄箱に手をついて、図書室のときのように生尻を突き出したのだ。
「さあ、犯しなさいっ!」
姉二人やその周辺の女性のおかげで、俺の女体免疫力は高いと言える。
しかし、この状況はなんだ。居眠りしていたのか、音楽を聴いていたのか、自分を慰める行為にふけっていたのかは知らない。迅速に立ち去りたいが、行く手を阻むように女生徒が尻を突き出している。
「来栖さんだっけ? その前にパンツ替えた方がよくない?」
「んなっ! そんなことを言ってるんじゃないの! さっきの動画で脅迫するつもりなんでしょ!? さっさと犯っちゃえばいいわ! 早くブスッと来なさい!」
「ブスっとっ来なさいて言われてもなぁ……」
「ズボっとでも、ズブっとでもいいから、早く済ませてよ!」
めくりあげられて、露出したベージュのパンツにシミが見える。
そもそも、俺は窓の外を撮影するために端末を構えていただけで、こんな奴が図書室最奥部で眠りこけてるのは想定外だ。
「俺、替えのパンツとシャツ持ってるからさ、これに穿き替えなよ」
少々、汗っかきなので普段から替えのシャツとパンツは携帯している。
というか、これを実際に取り出すのは、今回が初のケースだ。
替えの肌着の初出番が、見知らぬ女子への貸出となるとは……
「動画は!? 今の誰にも言わないって約束できる!?」
「ほら、俺の端末渡すから。もう削除済みだ。誰にも言わないに決まってるだろ」
「うん、確認した。外部メディアも入ってない。君のそれ、ボクサーパンツ? 新品ね」
「とりあえず、これ」
袋に入った新品の黒いボクサーブリーフを来栖に手渡すと、その場で穿き替え始めた。スカートで隠しているだけましだが、大人しそうな眼鏡っ娘は表の顔ということか。
パンツを穿き替え、髪を結い直して落ち着きを取り戻した来栖有紀は、昨日のコンビニや数日前の生徒会室で見た、大人しいぼっち少女の顔に変貌を遂げていた。
「ありがとう青山蒼太君。蒼太君って呼んでもいいのかな?」
「呼び方はなんでもいい。花穂姉ちゃんの友達が困ってるんだから助けただけだ」
「は? 青山花穂の友達? 弟の前で失礼だけど、あのクソ猫かぶり大っ嫌い!」
来栖は言い放った。俺の耳が正しければ、この女は我が姉花穂が大嫌いだと言っているようだ。しかも、猫かぶりさえ見抜かれている。こいつ、何者なんだ。
「ほんとに失礼な奴だな。姉ちゃんが猫かぶりって……」
「同族嫌悪よ。わかるの、青山花穂が学校で猫をかぶってるって。わたしも同じだから」
「……みたいだな。さっきの乱れた様子からすると、面の皮何枚だよって感じだ」
「絶対言わないでねっ! 性奴隷になれって言うならなってあげるからっ!」
再び俺の耳が正しければ、新しい単語が飛び込んで来たぞ。
なんだこいつは、大人しいのは見た目だけで、中身は危ない中二病患者じゃないのか。
「なに言ってんだよ。もう図書室閉めて、帰るから早くしてくれ……」
来栖から図書室の鍵を受け取った俺は職員室へ返却して校門を出た。
しばらく通学路を家の方角へ進んで行くと、背後から足音が聞こえる。
「あれ? 来栖さん?」
「来栖でいいわよ。有紀でもいいし」
「じゃ、来栖で。先輩なのにいいのか?」
「青山花穂から聞いてない? 君と同い年よ。わたしは一学年飛び級で去年編入した帰国子女、ドイツ系アメリカ人のクォーター。母方の祖父がアメリカ人なの」
「よくわからんが、すごいってことだな……」
一〇分程歩くと住宅が立ち並ぶ小道に入る。青山家が見えてきた。
振り返ると、来栖が本を読みながら歩いて来る。あいつもここが通学路のようだ。
隣りの家の前に到着したときだった。背中に読書中の来栖が衝突したのだ。
「蒼太君、邪魔。そこ、うちなんだけど?」
「は? お隣り……表札来栖!? お前ってお隣りさんだったのか!?」
「もう半年は住んでるんだけど? 早く入りなよ」
「え、なんでお前の家に?」
「パンツ洗って返す。時間ないの?」
気乗りはしないが、お隣さんへの挨拶がてら立ち寄るか……
玄関に入ると靴を脱ぐ前に、来栖はいきなりパンツを脱ぎ始めた。
そして、下駄箱に手をついて、図書室のときのように生尻を突き出したのだ。
「さあ、犯しなさいっ!」
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