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第一章 4月
お姉さまは有名人? ★9★
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それにしても、と志奈さんの言葉を改めて思い出す。
外部受験生は色んな上級生に目を付けられるというのは、やはり助言者制度のことをさしているのだろうか?
この様子だと、少しニュアンスが違う気がする。
バッチをくれた意味も分からないし、志奈さんに一度聞いてみた方がいいのかもしれない。
後で電話してみようと気持ちを決めて、遥先輩へと向き直った。
「そうすると、遥先輩となかに...花奏、ちゃんは、その助言者制度のペアのご関係なんですか?」
「私がペアの相手は、この子の助言者なのよ」
あ、あれ?分からなくなってきた。
戸惑っていると、顔に出ていたのか市原寮長はゆっくりと整理してくれる。
「私は四月から3年生。で2年生の子にペアの子がいるの。小牧と言うんだけど。その子もまた4月から助言者になるのよ。小牧は中等部から常葉学園出身でね、将来ペアを持つことがあれば、相手はこの花奏と前から決めていたそうよ」
そうなんだよ!と花奏さんは明るい声を上げる。
「去年、遥様とその小牧ひとみ様がペアになった時から、遥様の家系に入ったつもりでいたんだー。もうすっかり馴染んでるでしょう?」
確かにとても馴染んでいる。
それも去年からの関係と言われれば、納得だ。
ということは、中等部の頃から寮に出入りしていたんだろうか?
花奏さんならあり得るかもしれない。
「花奏ちゃんは、助言者にならなきゃ、とかプレッシャーとか感じないの?」
「全然?」
ケロリとした風に言うと、遥先輩は苦笑した。
「私はどこかの代で終わっても気にしないから。でも花奏は、中等部の新体操部のエースで高等部でも部活動に専念すれば結果を残すでしょうね。やる気もあるし、なるんじゃないかしら?」
えへっと花奏さんが笑顔で同意する。
「私、頑張りまーす!」
「まぁ、一年生がメンターになるのを目標にしなきゃいけないわけでもないから、気楽に頑張ればいいのよ」
ふわりと笑った遥先輩が目を細めて、花奏さんの様子をどこか愛おしそうに見つめた。
成長を見守ろうとする温かな眼差し。
なんだか、少し、羨ましく感じた。
外部受験生は色んな上級生に目を付けられるというのは、やはり助言者制度のことをさしているのだろうか?
この様子だと、少しニュアンスが違う気がする。
バッチをくれた意味も分からないし、志奈さんに一度聞いてみた方がいいのかもしれない。
後で電話してみようと気持ちを決めて、遥先輩へと向き直った。
「そうすると、遥先輩となかに...花奏、ちゃんは、その助言者制度のペアのご関係なんですか?」
「私がペアの相手は、この子の助言者なのよ」
あ、あれ?分からなくなってきた。
戸惑っていると、顔に出ていたのか市原寮長はゆっくりと整理してくれる。
「私は四月から3年生。で2年生の子にペアの子がいるの。小牧と言うんだけど。その子もまた4月から助言者になるのよ。小牧は中等部から常葉学園出身でね、将来ペアを持つことがあれば、相手はこの花奏と前から決めていたそうよ」
そうなんだよ!と花奏さんは明るい声を上げる。
「去年、遥様とその小牧ひとみ様がペアになった時から、遥様の家系に入ったつもりでいたんだー。もうすっかり馴染んでるでしょう?」
確かにとても馴染んでいる。
それも去年からの関係と言われれば、納得だ。
ということは、中等部の頃から寮に出入りしていたんだろうか?
花奏さんならあり得るかもしれない。
「花奏ちゃんは、助言者にならなきゃ、とかプレッシャーとか感じないの?」
「全然?」
ケロリとした風に言うと、遥先輩は苦笑した。
「私はどこかの代で終わっても気にしないから。でも花奏は、中等部の新体操部のエースで高等部でも部活動に専念すれば結果を残すでしょうね。やる気もあるし、なるんじゃないかしら?」
えへっと花奏さんが笑顔で同意する。
「私、頑張りまーす!」
「まぁ、一年生がメンターになるのを目標にしなきゃいけないわけでもないから、気楽に頑張ればいいのよ」
ふわりと笑った遥先輩が目を細めて、花奏さんの様子をどこか愛おしそうに見つめた。
成長を見守ろうとする温かな眼差し。
なんだか、少し、羨ましく感じた。
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