35 / 107
休暇申請します。and回想(ジークフリード)
しおりを挟む
あれから、コーサさんは良くしてくれます。
性格さっぱりしてて話し易いです。
コーサさんと2人の時は普通に喋ってます。
胸を強調してくるのは、変わりませんけどね……。
女子寮の中を案内してくれたり、王都の美味しいお店とかも教えて貰いました。
歳離れてるけど、女友達…………良い!
なので、ここ数日は副団長では無くコーサさんの付き人みたいになってました。
歩幅の大きいコーサさんの後ろを、てるてる坊主がちょこちょこと小走りで着いてく様は、騎士団でちょっとした話題に……。
珍しく団長の執務室のソファーでお茶してたら、団長に手招きされました。
副団長が居るので小声です。
「…………デイルが戻ってくるぜ。」
「…………でしょうね。この時期は仕方無いです。」
「フューネの祝日だからな~。」
「……それもあるんですけど、その前に……母の命日が……。父は当日に行くでしょうから、その前に休みが欲しいんですけど?」
と言ったら、頭をガシッと掴まれてグリングリンと回されました。
おおぅ、目が回る~。
仕上げにデコピンされました。
軽い結界のおかげで痛みは無いんですけど……ヒビが入りましたよ!結界に!?デコピンで!?
「……気にせず休め。祝日の3日間も休みだろ?ジークと初、夜会な?(ニヤニヤ)」
……結局、からかいたいんですね。
「ミリアは「病弱」ですから、1曲踊ったら帰りますよ。はぁ~、それより父のよく行く場所、教えて下さい。避けますから。」
この格好でもバレそうなのが、お父様の恐ろしいところです。
■■■ジークフリードの回想■■■
軍務大臣は凄かった。
予備動作も何も無く、目の前に現れ結界を壊された。
瞬時に展開した結界とは言え、軍務大臣も本気では無かった筈だから…………軽くへこんだ。
秘書官は変態だった。
きっとミリアの前では、秘書官面をしているんだろう。
変態だと注意した方が良いかも知れない。
次の日の朝、ミリアの部屋に行った。
母が使っていた部屋だ。
どう弄って良いものか分からなかったからそのままにしていたが、家具類は変わらないのに、繊細なレースが掛けられ、生花が生けられていた。
カーテンは淡い若草色。
変わったのはそれぐらいなのに、部屋全体が明るくなった。
知らない若い女性の部屋になっていた。
1ヶ所にぬいぐるみが積まれて山になっていた。
…………ぬいぐるみ、好きなのか?
お互いに干渉しないと言っても、全く何もしない夫に対して嫌味の1つや2つ有るかも知れないと緊張していた。
まさか、自分が不甲斐ないと泣き出すとは思っていなかった。
…………焦った。
予想外だったのも有るが…………可愛くて。
潤んだ瞳に震える長い睫毛で見上げられて、薄く開いた唇に目が行っ…………咄嗟に顔を背けて、頭撫でて急いで部屋から出た。
9歳も年下の少女に何を思った!俺!
平常心、平常心、平常心、平常心、平常心……。
そうしたら、今度は団長がミリアに背格好がそっくりな少女を連れて来た。
然も窓から……。
フラフラで吐き気を我慢しているところを見れば、団長がまた屋根を走って来ただろう事は予想出来た。
それに耐えたのだから、少女も只者では無い。
…………ミリアなら、耐えられないだろう。
病弱なミリア。
健康なミント。
同じ歳でこうも違う。
団長が自分より魔力が上だと認めた少女。
顔を頑なに見せようとしない少女。
口数が少ない少女。
俺の言葉に素直に頷く少女。
小隊を流れる様な魔法で簡単に倒してしまった少女。
トコトコと俺の元にやって来て、コテンと首を傾げる少女。
「…………帰って良い?」
……ああ、ミントがミリアだったら…………。
「……合格です。明日から宜しく。」
ミントの様に健康なら、俺の心労も減るのに……。
次の日コーサを紹介したら、コーサがミントにケンカを売った。
何故かミントの怒りが俺にも向いた気がした。
何か失言したか?
分からない。
「…………顔が見たければ、実力でやって見せてよ。フードを取れたら何でも言う事聞いてあげるわよ。おばさん。」
普通に喋った!?
それだけ怒ってるのか?
…………顔、見てみたい。
コーサ対ミント、はミントの圧勝だった。
まぁ、分かってた結果だ。
それからは、コーサと仲良くなって後ろを着いて回っている。
ちょこちょこ動く姿に癒される。
コーサと2人の時は、普通に喋ってる様だ。
団長とも、小声で普通に喋っている。
…………モヤッとする。
俺とも普通に話せと言いたくなる。
今日も団長と小声で話している。
フードで隠された顔に、ミリアの顔が重なる。
俺は…………ミリアと話したいのか…………?
性格さっぱりしてて話し易いです。
コーサさんと2人の時は普通に喋ってます。
胸を強調してくるのは、変わりませんけどね……。
女子寮の中を案内してくれたり、王都の美味しいお店とかも教えて貰いました。
歳離れてるけど、女友達…………良い!
なので、ここ数日は副団長では無くコーサさんの付き人みたいになってました。
歩幅の大きいコーサさんの後ろを、てるてる坊主がちょこちょこと小走りで着いてく様は、騎士団でちょっとした話題に……。
珍しく団長の執務室のソファーでお茶してたら、団長に手招きされました。
副団長が居るので小声です。
「…………デイルが戻ってくるぜ。」
「…………でしょうね。この時期は仕方無いです。」
「フューネの祝日だからな~。」
「……それもあるんですけど、その前に……母の命日が……。父は当日に行くでしょうから、その前に休みが欲しいんですけど?」
と言ったら、頭をガシッと掴まれてグリングリンと回されました。
おおぅ、目が回る~。
仕上げにデコピンされました。
軽い結界のおかげで痛みは無いんですけど……ヒビが入りましたよ!結界に!?デコピンで!?
「……気にせず休め。祝日の3日間も休みだろ?ジークと初、夜会な?(ニヤニヤ)」
……結局、からかいたいんですね。
「ミリアは「病弱」ですから、1曲踊ったら帰りますよ。はぁ~、それより父のよく行く場所、教えて下さい。避けますから。」
この格好でもバレそうなのが、お父様の恐ろしいところです。
■■■ジークフリードの回想■■■
軍務大臣は凄かった。
予備動作も何も無く、目の前に現れ結界を壊された。
瞬時に展開した結界とは言え、軍務大臣も本気では無かった筈だから…………軽くへこんだ。
秘書官は変態だった。
きっとミリアの前では、秘書官面をしているんだろう。
変態だと注意した方が良いかも知れない。
次の日の朝、ミリアの部屋に行った。
母が使っていた部屋だ。
どう弄って良いものか分からなかったからそのままにしていたが、家具類は変わらないのに、繊細なレースが掛けられ、生花が生けられていた。
カーテンは淡い若草色。
変わったのはそれぐらいなのに、部屋全体が明るくなった。
知らない若い女性の部屋になっていた。
1ヶ所にぬいぐるみが積まれて山になっていた。
…………ぬいぐるみ、好きなのか?
お互いに干渉しないと言っても、全く何もしない夫に対して嫌味の1つや2つ有るかも知れないと緊張していた。
まさか、自分が不甲斐ないと泣き出すとは思っていなかった。
…………焦った。
予想外だったのも有るが…………可愛くて。
潤んだ瞳に震える長い睫毛で見上げられて、薄く開いた唇に目が行っ…………咄嗟に顔を背けて、頭撫でて急いで部屋から出た。
9歳も年下の少女に何を思った!俺!
平常心、平常心、平常心、平常心、平常心……。
そうしたら、今度は団長がミリアに背格好がそっくりな少女を連れて来た。
然も窓から……。
フラフラで吐き気を我慢しているところを見れば、団長がまた屋根を走って来ただろう事は予想出来た。
それに耐えたのだから、少女も只者では無い。
…………ミリアなら、耐えられないだろう。
病弱なミリア。
健康なミント。
同じ歳でこうも違う。
団長が自分より魔力が上だと認めた少女。
顔を頑なに見せようとしない少女。
口数が少ない少女。
俺の言葉に素直に頷く少女。
小隊を流れる様な魔法で簡単に倒してしまった少女。
トコトコと俺の元にやって来て、コテンと首を傾げる少女。
「…………帰って良い?」
……ああ、ミントがミリアだったら…………。
「……合格です。明日から宜しく。」
ミントの様に健康なら、俺の心労も減るのに……。
次の日コーサを紹介したら、コーサがミントにケンカを売った。
何故かミントの怒りが俺にも向いた気がした。
何か失言したか?
分からない。
「…………顔が見たければ、実力でやって見せてよ。フードを取れたら何でも言う事聞いてあげるわよ。おばさん。」
普通に喋った!?
それだけ怒ってるのか?
…………顔、見てみたい。
コーサ対ミント、はミントの圧勝だった。
まぁ、分かってた結果だ。
それからは、コーサと仲良くなって後ろを着いて回っている。
ちょこちょこ動く姿に癒される。
コーサと2人の時は、普通に喋ってる様だ。
団長とも、小声で普通に喋っている。
…………モヤッとする。
俺とも普通に話せと言いたくなる。
今日も団長と小声で話している。
フードで隠された顔に、ミリアの顔が重なる。
俺は…………ミリアと話したいのか…………?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5,149
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる