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第5章 約束の地へ
action 9 復活
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あずみが、生きていた…。
その認識が全身に行き渡った時の感激を、わかってもらえるだろうか。
厚い黒雲の間から、突然陽が射してきたような、
身体の奥の奥から、突如として輝かんばかりの希望が立ち現れたような…。
おそらく一平も、同じ思いだったに違いない。
だから僕らは、それからというもの、アドレナリン全開で戦った。
相手はあの、異形のリサイクルゾンビたちである。
僕はM19を振り回し、撃って撃って撃ちまくった。
敵が元人間であろうことなど、頭から吹っ飛んでしまっていた。
希望が集中力を増強してくれたのか、弾は驚くほどよく当たった。
隣では一平が雄叫びを上げてレールガンを連射し、前方では今や銀色ベストの美女戦士と化した光が、長い黒髪をなびかせながらヨーヨーを縦横無尽に操っている。
そこに裸同然のあずみが飛び込んできた。
健康的な太腿が宙を舞い、リーチの長いストレートパンチが次々に繰り出され、ゾンビたちの頭蓋を立て続けに粉砕する。
そのたびに焼けて垂れ下がった布切れがめくれ、弾む生の乳房が飛び出した。
僕らがゾンビを殲滅するのに、5分とかからなかったに違いない。
「きっと帰ってくると思ってたよ」
戦いが終わると、死体の山を背に歩いてくるあずみに、光がそう声をかけた。
「あずみちゃんが、あの程度のことで、死ぬわけないもんね」
「やだなあ、光さんたら、死ぬだなんて」
あずみが声を上げて笑った。
「確かに予想よりずいぶん早く火が回ったんで、あずみ、ちょっと焦っちゃいましたけど、運よくすぐ近くにマンホールがあったし…。そのこと知ってて、お兄ちゃんがあずみのこと、試してるんだなって思って、つい、頑張っちゃいました」
そう言いながら、細い首を回して僕を見た。
僕は唖然とした。
その瞳のきらきらぶりからして、皮肉を言っているつもりは全然なさそうだったからだ。
だとすれば、なんという好意的な解釈。
なんという信頼の厚さ。
僕は、『走れ、メロス』の主人公、メロス並みに自分が恥ずかしくなった。
この信頼、命に代えても報いなければならぬ。
きっとあの時、メロスもこんな気持ちになって再起を果たしたのだろう。
「あずみい…」
と、だしぬけに、あずみを見上げて一平が泣きじゃくり始めた。
「脅かすなよぉ、おいら、てっきり死んじまったと思って、これ、形見にもらって、一生抱いて寝ようと思ってさ…。でも、あずみが元気なら、もういいよ。惜しいけど、返す」
鼻水をすすりながら一平が差し出したのは、例のプラチナ製ブラである。
「ありがとね。一平ちゃんって、ほんとは優しいんだね。心配かけて、ごめんなさい」
あずみが一平の頭をなでなでする。
が、その様子を眺めていた光は、相変わらず冷静だった。
「あずみちゃん、一平に気を許しちゃダメだよ。この子もう、ちゃっかりボッキしてるんだから」
「お、おい、姉貴ったら」
うろたえ切って股間を押える一平。
僕は危うく吹き出しそうになった。
光の指摘はあまりにも的確だった。
一平の半ズボンの前が、ぴんとテントを張っている。
きっとやつの背の高さからだと、あずみの生乳がもろに見えてしまうからに違いなかった。
「え? ボッキ? でも一平ちゃんって、まだ子どもでしょ? 子どもでもボッキってするものなんですか? うちのお兄ちゃんは、一緒に住んでる頃、お風呂上がりのあずみの裸見るたびに、よくボッキしてましたけど」
僕と一平は同時に咳払いした。
そんなにボッキを連呼しないでほしかった。
可愛いあずみの口から出る”ボッキ”は、否が応でも本物の勃起を喚起しかねない倒錯的破壊力を秘めていたのだ。
「一平はね、巨乳のお姉さんに弱いの。特にあずみちゃんのおっぱいにはね。だからお願いだから、何か服を着て」
「わかりました」
あずみはにっこり微笑むと、つかつかと僕の元に歩み寄ってきた。
「あずみのバッグは燃えちゃったけど、実はここにね」
僕が肩に下げているスポーツバッグを指さした。
「予備のセーラー服と下着、入れておいたんだ」
「はああ? な、なんで?」
唖然とする僕に、あずみが悪戯っぽい口調で言った。
「お兄ちゃんを、びっくりさせようと思って。それに、そのほうが、お兄ちゃん、喜ぶかな、ってふと思ったの」
僕はため息をついた。
どうやら僕は、妹の服や下着をこよなく愛する変態野郎と思われていたらしい。
そう、わかったからだった。
その認識が全身に行き渡った時の感激を、わかってもらえるだろうか。
厚い黒雲の間から、突然陽が射してきたような、
身体の奥の奥から、突如として輝かんばかりの希望が立ち現れたような…。
おそらく一平も、同じ思いだったに違いない。
だから僕らは、それからというもの、アドレナリン全開で戦った。
相手はあの、異形のリサイクルゾンビたちである。
僕はM19を振り回し、撃って撃って撃ちまくった。
敵が元人間であろうことなど、頭から吹っ飛んでしまっていた。
希望が集中力を増強してくれたのか、弾は驚くほどよく当たった。
隣では一平が雄叫びを上げてレールガンを連射し、前方では今や銀色ベストの美女戦士と化した光が、長い黒髪をなびかせながらヨーヨーを縦横無尽に操っている。
そこに裸同然のあずみが飛び込んできた。
健康的な太腿が宙を舞い、リーチの長いストレートパンチが次々に繰り出され、ゾンビたちの頭蓋を立て続けに粉砕する。
そのたびに焼けて垂れ下がった布切れがめくれ、弾む生の乳房が飛び出した。
僕らがゾンビを殲滅するのに、5分とかからなかったに違いない。
「きっと帰ってくると思ってたよ」
戦いが終わると、死体の山を背に歩いてくるあずみに、光がそう声をかけた。
「あずみちゃんが、あの程度のことで、死ぬわけないもんね」
「やだなあ、光さんたら、死ぬだなんて」
あずみが声を上げて笑った。
「確かに予想よりずいぶん早く火が回ったんで、あずみ、ちょっと焦っちゃいましたけど、運よくすぐ近くにマンホールがあったし…。そのこと知ってて、お兄ちゃんがあずみのこと、試してるんだなって思って、つい、頑張っちゃいました」
そう言いながら、細い首を回して僕を見た。
僕は唖然とした。
その瞳のきらきらぶりからして、皮肉を言っているつもりは全然なさそうだったからだ。
だとすれば、なんという好意的な解釈。
なんという信頼の厚さ。
僕は、『走れ、メロス』の主人公、メロス並みに自分が恥ずかしくなった。
この信頼、命に代えても報いなければならぬ。
きっとあの時、メロスもこんな気持ちになって再起を果たしたのだろう。
「あずみい…」
と、だしぬけに、あずみを見上げて一平が泣きじゃくり始めた。
「脅かすなよぉ、おいら、てっきり死んじまったと思って、これ、形見にもらって、一生抱いて寝ようと思ってさ…。でも、あずみが元気なら、もういいよ。惜しいけど、返す」
鼻水をすすりながら一平が差し出したのは、例のプラチナ製ブラである。
「ありがとね。一平ちゃんって、ほんとは優しいんだね。心配かけて、ごめんなさい」
あずみが一平の頭をなでなでする。
が、その様子を眺めていた光は、相変わらず冷静だった。
「あずみちゃん、一平に気を許しちゃダメだよ。この子もう、ちゃっかりボッキしてるんだから」
「お、おい、姉貴ったら」
うろたえ切って股間を押える一平。
僕は危うく吹き出しそうになった。
光の指摘はあまりにも的確だった。
一平の半ズボンの前が、ぴんとテントを張っている。
きっとやつの背の高さからだと、あずみの生乳がもろに見えてしまうからに違いなかった。
「え? ボッキ? でも一平ちゃんって、まだ子どもでしょ? 子どもでもボッキってするものなんですか? うちのお兄ちゃんは、一緒に住んでる頃、お風呂上がりのあずみの裸見るたびに、よくボッキしてましたけど」
僕と一平は同時に咳払いした。
そんなにボッキを連呼しないでほしかった。
可愛いあずみの口から出る”ボッキ”は、否が応でも本物の勃起を喚起しかねない倒錯的破壊力を秘めていたのだ。
「一平はね、巨乳のお姉さんに弱いの。特にあずみちゃんのおっぱいにはね。だからお願いだから、何か服を着て」
「わかりました」
あずみはにっこり微笑むと、つかつかと僕の元に歩み寄ってきた。
「あずみのバッグは燃えちゃったけど、実はここにね」
僕が肩に下げているスポーツバッグを指さした。
「予備のセーラー服と下着、入れておいたんだ」
「はああ? な、なんで?」
唖然とする僕に、あずみが悪戯っぽい口調で言った。
「お兄ちゃんを、びっくりさせようと思って。それに、そのほうが、お兄ちゃん、喜ぶかな、ってふと思ったの」
僕はため息をついた。
どうやら僕は、妹の服や下着をこよなく愛する変態野郎と思われていたらしい。
そう、わかったからだった。
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