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第七十話 謎の女子小学生

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「今、一馬様の友達に妹さんがいらっしゃると言いました?」

「うん、そういったけど、それがどうかしたの?怖い顔してるけど…」

「姉妹揃って、私の一馬様を取ろうとしてますの…」

とぼやいている。ヤンデレって怖いな…

「僕は別に取ろうとしてるわけではないよ! 妹も別に一馬くんのこと好きじゃないから、そういった面では気にすることないと思うよ」

「…私にそれを信じろとおっしゃるわけですの?」

「いや…」

困った。これどうしたらわかってもらえるんですかね…

「まぁ、今は信じることにしますわ」

「本当!」

「ええ」

僕はホッと息を吐いた。これで、目の敵とされずに済むかな。

「でも…」

「な、何?」

「どうしてあなたがた姉妹は、こんなに魅力的な一馬様のことを好きにならないんですか!」

「え…」

めんどくさい小学生だな。あれで話は終わりと思っていたのに、まさか蒸し返されて、しまいにはなぜ好きにならないんだと怒られる始末だ。もう、いいかな帰って…
僕はめんどくさくなり帰ろうとしたが、後ろに隠れている一馬くんが僕の服の裾を話そうとしなかった。これではまだ帰れそうにない。

「僕は、一馬くんのこと嫌いではないよ」

「だったら、好きということですの?」

ん? 好きか嫌いかで言われたら…

「好きかな」

まぁ、弟のようでかわいいからな。

「やっぱりですの! 本性を現しましたわね」

と案の定誤解をされてしまう。
僕の目の前の小学生は、僕に対して吠える。これはまた面倒なことに巻き込まれてしまったと思った。

「それに、一馬様にも気に入られているようですし、そしかして…」

いらぬ誤解を受けているようだった。

「僕と一馬くんとはそういう関係では…」

「僕? 今思えばどうしてそんな男みたいな喋り方をされてますの?」

え、今頃?それほど僕に興味があまりなかったらしい。

「もしかして、一馬様はこのような男っぽい女の人が好きですの?」

と僕の後ろに隠れている、一馬くんに向かって小学生は聞いた。

「そ、そうだよ。僕はクールな感じの子が、す、好きなんだ」

と明らかに動揺した口調で話している一馬くん。

「そうなのですか…わかりましたわ。今日は帰らせてもらいますの…」

突然帰ると言って帰って小学生は帰っていった。
なんだったんだ…
荒らすだけ場を荒らして帰っていった…まるで、台風のよう子だったな。
僕はホッと息を吐いた。
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