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36-【ダメ見本】アニリングスは危険です。
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「ああ本当に、ゆきなりはこんなところまで綺麗だ」
大悟が俺の尻たぶを撫でながらつぶやいた。どんな近さでそこを覗き込んでいるのか、大悟が喋るたびアナルに息がかかって、腰が勝手に揺らめいてしまう。
こんな、俺の下から大悟がするりと抜けだしただけの、斜めに崩れたままの四つん這いじゃ、興奮に充血したアナルも、緊張に丸く凝った睾丸も、その先で先走りを垂らしているペニスまで、きっと丸見えなんだろう。
「赤く腫れて痛そうだったのが、すっかり治ってるな」
アナルのふちを親指でそっと撫でられ、驚き弾んだ身体がベッドヘッドへ向かって逃げる。けどすぐに腹へとまわされた長い腕に捕まって、腰だけが高いポーズに直されてしまった。
「ボディーソープと、……ゆきなりの匂いだ」
「や、やめっ、そんな、嗅ぐなぁ」
アナルに感じる大悟の呼気がさっきよりも温かい。こいつ、本当に嗅いでるんだ。あんなところを。
『もう恥ずかしいことは何もない』だなんて、俺はまだまだ甘かった。まさかそんな場所の匂いを嗅がれるとは思ってなくて、遠のいていた羞恥がまたじわりと込みあげてくる。
「ここ、美味そう」
「へ? やっ、なにし、ひっ、ぁああッ」
身に覚えのある濡れたものが、充血に膨らんだアナルの上をぬらりと撫でた。アナルのふちに軽くひっかかった舌先がぴちゃりと音を立ててひらめく。その瞬間、快感とも悪寒ともつかないぞくぞくが下半身から全身へと走った。
「だっ、やっ、やめッ、ぅんんーっ」
襞の隙間に唾液を塗り込めようとしてるのか、力の籠った舌先でぐりぐりされる。どれだけやめろ舐めるなと叫んでも、ぬめぬめとそこを行き交う感触は一向にとまらない。
「舐められるの、好きって言った」
一瞬、舌が離れたかと思ったら、そんなことだけ主張してすぐに舞い戻ってくる。
「ちがっ、そ、そこじゃなっ」
ぬらりぬらりと繰り返しひらめく厚い舌の感触は、乳首で感じたときよりも鮮明だった。表面のわずかなざらつきも、舌先に籠る力加減も、こと細かくアナルへと伝わってくる。
アニリングスなんて……そんなプレイがあることは茂兄から聞いていたけど、生ハメ同様衛生面に問題があるからと、したこともなければされたこともない。男漁りのときは事前にローションを仕込んでいたからか、そんなことを仕掛けてくる輩もいなかったし、バリタチばかりを相手に選んでいたから、してくれと要求されるようなこともなかった。
「おしりが好きとも言ってた」
「それっ、ちがッ」
おしりをなめてだなんて、ひと言も言ってないっ。舐められたかったのは乳首で、おしりでイクのが好きだと言ったんだ。
「なにが違う?」
わざとだ。わざと、俺の言葉の切れ端をちぐはぐに組み合わせてる。
からかって、俺の反応を楽しんでるとしか思えない。それが、悔しくももどかしい。でも同時に、あの大悟がそこを舐めながら楽しんでるのかと思えば、否応もなくアナルの奥がざわざわと落ち着きをなくした。
「なかぁ。なか、さわってっ」
乳首を舐められたときから……いや、そのずっと前からアナルの奥が疼いていた。その疼きを宥めるには、そこを硬いもので擦ってもらうほかない。舌なんて頼りないものじゃなく、もっと確かなものがいい。
切羽詰まったような俺の言葉に、「わかった」と大悟が言った。
言ったはずなのにっ。
「ひあッ、なかぁっ、ちがああっ」
尻たぶを撫でまわしていた指がアナルを左右に広げる。ひやりと感じたのは、内側の粘膜が外気に晒されたせいだろう。そこをぺろりと舌先で撫でられた。
「ひぁっ、なめなっ、なかっ、だめぇッ」
来ないで、やめてと、アナルを引き絞ろうとしても、浅いふちをぬぷぬぷと舐められれば、ふわわと力が抜けてその場を明け渡してしまう。ぬちぬちと奥へ進んでくる舌先を追い返したくて反射で息めば、逆にアナルが口を開いて深く迎え入れてしまった。
納得。わかった。認めるよ。アニリングスが危険だとわかっててもなお確立されてるのは、この上もなく気持ちいいからだ。
硬くて太いものに擦られる確かな快感とはまた違う。頼りない何かが這い擦っていく感触が、焦れったくも気持ちがいい。舐めちゃいけない場所を大切な人に舐めさせているという背徳感も気分を盛りあげていた。でも。でもっ。
「やぁ、やめっ、もぐもぐぃやああっ」
キスのとき口いっぱいに受け入れた大悟のあの舌が、いまはアナルいっぱいに押し込まれてる。その舌先で少し奥をくちくちと舐められながら、咀嚼するような顎の動きに翻弄された。
これ以上は入ってこれないと思ってたのに、伸ばした舌先をぐぐっと奥へと押し込まれる。その拍子に、力強い大悟の顎が俺の会陰に食い込んだ。その衝撃が前立腺にじぃんと響く。
「んっ、んんんーーッ」
二、三瞬、全身がククッと硬直し、ひくんひくんと段階を踏んでは脱力していく。アナルがきゅっと締まるたび、その肉が大悟の舌を食んでは味わった。
もういやだ。軽くドライでイッてしまった。気持ち良かったのは確かだけど、中途半端で、物足りなくて、イキきれないのがかなりツラい。
「も、むり。だいご、はやく、はやく……」
大悟が欲しくて堪らない。硬いぺニスで擦られたい。アナルをみっちり塞がれたい。もっとちゃんと感じてイキたかった。
そのためには、まずアナルを解して拡張しないと。
こんなにも欲しがって想うだけでも奥がきゅんとなるのに、大悟もとうに勃起しててすぐそこに望むものがあるのに、それがまだもらえないなんて……。
その道のりの遠さが悲しくなって、ドライの余韻に痺れる身体を無理やり捻り、大悟の膝に触れて先をねだった。
そうしてやっと顔をあげてくれた大悟だったけど、どうやらまだ舐め足りないらしい。サイドテーブルから何かを取りあげながら、「今度は舐めてもいいローションにするか」とつぶやいた。
よほどアニリングスがお気に召したようで……。そのときはまた地獄を見そうだけど、この際、そんな先のことはどうでもいいから。
早く早くと頭のなかで催促していると、濡れた指がアナルに触れてきた。冷たさを覚悟してたのに、ほんのりと温かい。大悟が手のひらで温めたのかと思ったけど、そんな温感でもなかった。
「それ、なに?」
ぬるぬるとした感触をまとって、大悟の指がアナルの周りを行き来する。塗りつけられるというよりも塗り込められるような感覚は、俺がいつも使ってるローションとは明らかに違った。
「保湿成分入りのワセリン。融点の低い特別製だそうだ」
商品ジャンルとしては高級化粧品の部類にあたるが、ネットではアナル利用者がアナル用に開発した潤滑油じゃないかと噂されているらしい。ワセリンを塗り足しながら大悟がそう教えてくれた。
確かに特別製と謳うだけはある。容器から絞り出したときには固形らしいのに、肌に触れた端からとろりと溶けていく。一度塗った場所ではしっとりと馴染み、重ねて塗ることで粘度を増して、充分以上の潤滑性を発揮した。
「どうだ?」
「あ、ふ……ぬるぬるするっ」
ローション特有の水っぽいぬるぬるとは違う、どこか摩擦を孕んだようなぬるぬる感がアナルの表面を行き来している。すでにアニリングスでいくらか解れているそこはふくふくと膨らんでいて、指先で少し押し揉むようにされただけで、すぐにでもそれを飲み込んでしまいそうだった。
もうすぐだ。もうすぐ大悟の指がもらえる。それで、なかを擦って、ひらいて。それから、それから……。
「え、ゆきなり? どうしたんだ?」
いきなり大悟が戸惑いの声をあげる。
「ど、どう、って……なにが」
もう、何がどうでもいいからっ。
「ゆきなりの、おしりの穴が」
ぱくぱくしだした、と続けた大悟が、ひらいたアナルの内側をくるりと撫でた。
大悟が俺の尻たぶを撫でながらつぶやいた。どんな近さでそこを覗き込んでいるのか、大悟が喋るたびアナルに息がかかって、腰が勝手に揺らめいてしまう。
こんな、俺の下から大悟がするりと抜けだしただけの、斜めに崩れたままの四つん這いじゃ、興奮に充血したアナルも、緊張に丸く凝った睾丸も、その先で先走りを垂らしているペニスまで、きっと丸見えなんだろう。
「赤く腫れて痛そうだったのが、すっかり治ってるな」
アナルのふちを親指でそっと撫でられ、驚き弾んだ身体がベッドヘッドへ向かって逃げる。けどすぐに腹へとまわされた長い腕に捕まって、腰だけが高いポーズに直されてしまった。
「ボディーソープと、……ゆきなりの匂いだ」
「や、やめっ、そんな、嗅ぐなぁ」
アナルに感じる大悟の呼気がさっきよりも温かい。こいつ、本当に嗅いでるんだ。あんなところを。
『もう恥ずかしいことは何もない』だなんて、俺はまだまだ甘かった。まさかそんな場所の匂いを嗅がれるとは思ってなくて、遠のいていた羞恥がまたじわりと込みあげてくる。
「ここ、美味そう」
「へ? やっ、なにし、ひっ、ぁああッ」
身に覚えのある濡れたものが、充血に膨らんだアナルの上をぬらりと撫でた。アナルのふちに軽くひっかかった舌先がぴちゃりと音を立ててひらめく。その瞬間、快感とも悪寒ともつかないぞくぞくが下半身から全身へと走った。
「だっ、やっ、やめッ、ぅんんーっ」
襞の隙間に唾液を塗り込めようとしてるのか、力の籠った舌先でぐりぐりされる。どれだけやめろ舐めるなと叫んでも、ぬめぬめとそこを行き交う感触は一向にとまらない。
「舐められるの、好きって言った」
一瞬、舌が離れたかと思ったら、そんなことだけ主張してすぐに舞い戻ってくる。
「ちがっ、そ、そこじゃなっ」
ぬらりぬらりと繰り返しひらめく厚い舌の感触は、乳首で感じたときよりも鮮明だった。表面のわずかなざらつきも、舌先に籠る力加減も、こと細かくアナルへと伝わってくる。
アニリングスなんて……そんなプレイがあることは茂兄から聞いていたけど、生ハメ同様衛生面に問題があるからと、したこともなければされたこともない。男漁りのときは事前にローションを仕込んでいたからか、そんなことを仕掛けてくる輩もいなかったし、バリタチばかりを相手に選んでいたから、してくれと要求されるようなこともなかった。
「おしりが好きとも言ってた」
「それっ、ちがッ」
おしりをなめてだなんて、ひと言も言ってないっ。舐められたかったのは乳首で、おしりでイクのが好きだと言ったんだ。
「なにが違う?」
わざとだ。わざと、俺の言葉の切れ端をちぐはぐに組み合わせてる。
からかって、俺の反応を楽しんでるとしか思えない。それが、悔しくももどかしい。でも同時に、あの大悟がそこを舐めながら楽しんでるのかと思えば、否応もなくアナルの奥がざわざわと落ち着きをなくした。
「なかぁ。なか、さわってっ」
乳首を舐められたときから……いや、そのずっと前からアナルの奥が疼いていた。その疼きを宥めるには、そこを硬いもので擦ってもらうほかない。舌なんて頼りないものじゃなく、もっと確かなものがいい。
切羽詰まったような俺の言葉に、「わかった」と大悟が言った。
言ったはずなのにっ。
「ひあッ、なかぁっ、ちがああっ」
尻たぶを撫でまわしていた指がアナルを左右に広げる。ひやりと感じたのは、内側の粘膜が外気に晒されたせいだろう。そこをぺろりと舌先で撫でられた。
「ひぁっ、なめなっ、なかっ、だめぇッ」
来ないで、やめてと、アナルを引き絞ろうとしても、浅いふちをぬぷぬぷと舐められれば、ふわわと力が抜けてその場を明け渡してしまう。ぬちぬちと奥へ進んでくる舌先を追い返したくて反射で息めば、逆にアナルが口を開いて深く迎え入れてしまった。
納得。わかった。認めるよ。アニリングスが危険だとわかっててもなお確立されてるのは、この上もなく気持ちいいからだ。
硬くて太いものに擦られる確かな快感とはまた違う。頼りない何かが這い擦っていく感触が、焦れったくも気持ちがいい。舐めちゃいけない場所を大切な人に舐めさせているという背徳感も気分を盛りあげていた。でも。でもっ。
「やぁ、やめっ、もぐもぐぃやああっ」
キスのとき口いっぱいに受け入れた大悟のあの舌が、いまはアナルいっぱいに押し込まれてる。その舌先で少し奥をくちくちと舐められながら、咀嚼するような顎の動きに翻弄された。
これ以上は入ってこれないと思ってたのに、伸ばした舌先をぐぐっと奥へと押し込まれる。その拍子に、力強い大悟の顎が俺の会陰に食い込んだ。その衝撃が前立腺にじぃんと響く。
「んっ、んんんーーッ」
二、三瞬、全身がククッと硬直し、ひくんひくんと段階を踏んでは脱力していく。アナルがきゅっと締まるたび、その肉が大悟の舌を食んでは味わった。
もういやだ。軽くドライでイッてしまった。気持ち良かったのは確かだけど、中途半端で、物足りなくて、イキきれないのがかなりツラい。
「も、むり。だいご、はやく、はやく……」
大悟が欲しくて堪らない。硬いぺニスで擦られたい。アナルをみっちり塞がれたい。もっとちゃんと感じてイキたかった。
そのためには、まずアナルを解して拡張しないと。
こんなにも欲しがって想うだけでも奥がきゅんとなるのに、大悟もとうに勃起しててすぐそこに望むものがあるのに、それがまだもらえないなんて……。
その道のりの遠さが悲しくなって、ドライの余韻に痺れる身体を無理やり捻り、大悟の膝に触れて先をねだった。
そうしてやっと顔をあげてくれた大悟だったけど、どうやらまだ舐め足りないらしい。サイドテーブルから何かを取りあげながら、「今度は舐めてもいいローションにするか」とつぶやいた。
よほどアニリングスがお気に召したようで……。そのときはまた地獄を見そうだけど、この際、そんな先のことはどうでもいいから。
早く早くと頭のなかで催促していると、濡れた指がアナルに触れてきた。冷たさを覚悟してたのに、ほんのりと温かい。大悟が手のひらで温めたのかと思ったけど、そんな温感でもなかった。
「それ、なに?」
ぬるぬるとした感触をまとって、大悟の指がアナルの周りを行き来する。塗りつけられるというよりも塗り込められるような感覚は、俺がいつも使ってるローションとは明らかに違った。
「保湿成分入りのワセリン。融点の低い特別製だそうだ」
商品ジャンルとしては高級化粧品の部類にあたるが、ネットではアナル利用者がアナル用に開発した潤滑油じゃないかと噂されているらしい。ワセリンを塗り足しながら大悟がそう教えてくれた。
確かに特別製と謳うだけはある。容器から絞り出したときには固形らしいのに、肌に触れた端からとろりと溶けていく。一度塗った場所ではしっとりと馴染み、重ねて塗ることで粘度を増して、充分以上の潤滑性を発揮した。
「どうだ?」
「あ、ふ……ぬるぬるするっ」
ローション特有の水っぽいぬるぬるとは違う、どこか摩擦を孕んだようなぬるぬる感がアナルの表面を行き来している。すでにアニリングスでいくらか解れているそこはふくふくと膨らんでいて、指先で少し押し揉むようにされただけで、すぐにでもそれを飲み込んでしまいそうだった。
もうすぐだ。もうすぐ大悟の指がもらえる。それで、なかを擦って、ひらいて。それから、それから……。
「え、ゆきなり? どうしたんだ?」
いきなり大悟が戸惑いの声をあげる。
「ど、どう、って……なにが」
もう、何がどうでもいいからっ。
「ゆきなりの、おしりの穴が」
ぱくぱくしだした、と続けた大悟が、ひらいたアナルの内側をくるりと撫でた。
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