郁良月

郁良月

大人も読める小説を書いています。現在は「白路行」と言う小説を執筆中です。 ジャンルとしてはボーイ・ミーツ・ガールです。心理描写や個人と個人との交流、社会との関わりに重きを置いています。
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概要  主人公(修夜)が目覚めるとそこは深い森の中であった。そこにいる理由も、名前すらも忘れていた彼は途方に暮れながらも森を抜け、力になってくれる人を探すために町を目指した。  町に出た彼は屋根の上を跳ねる光の帯を目にした。何かに惹き付けられるように光を追いかけた彼はその先で男と、傷だらけで倒れた猫(癒衣ゆい)を発見する。  修夜が仲裁に入ると、男は彼の顔を見るやいなや襲いかかって来たが、癒衣の助けで一命を取り留めた。彼は癒衣に対し、互いに助け合おうと取引を持ちかける。自身の死を悟っていた癒衣はそれに承諾をした。かくして二人は共に行動をすることになる。  癒衣は過去に光矢社と言う組織と敵対して今は追われる身であった。彼女の命を狙って光矢社の討魔士が襲いかかる。一度は退けた二人であったが、その事で修夜の存在が光矢社の知るところとなった。  光矢社は修夜に対抗すべく、社でも最強の討魔士との呼び声高い、朝霧陽子を二人の元に送り込んだ。彼女は修夜と癒衣とに個々に接触してそれぞれに離れるべきだと勧告した。さすれば修夜の命までは取らないと申し出た。  僅かな時間であったが、既に互いに掛け替えない存在だと認識していた修夜はそれを拒否し、癒衣はそれを承諾した。しかし結局は癒衣の申し出で二人は道を別つことなった。その夜、建築途中のビルの屋上で一人待つ癒衣の前に陽子が現れる。  圧倒的な実力を前にただただ嬲られる癒衣であったが、死を前にして再び修夜が助けに入った。陽子に対して互角の以上の戦いを修夜であったが、一瞬の隙を突かれてビルから突き落とされてしまう。幸運にも一命を取り留めた修夜は、死の淵にあって混濁する意識の中で内に秘められた力を思い出した。  記憶を取り戻した修夜は辛くも陽子を降したが、彼もまた力尽きて倒れた。目が覚めたとき、癒衣はありがとうの言葉を壁に残して消えていた。修夜は心地よさと一抹の寂しさを胸に記憶を取り戻すために霧凪の町へと戻った。
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小説 21,237 位 / 21,237件 現代文学 638 位 / 638件
登録日 2017.03.06
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