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もしも、彼女が武人として生きる、と決めていなかったらーー違った道があったのだろうか。
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七年前より以前の記憶を持たない主人公、イリス。ただ感じていたのは強くならねばならない、という強い焦燥感だけ。そして次第に明らかになる、郷里の滅亡、母の死、仇への憎悪。それらを胸にイリスは仇国へと渡る。
そこに渦巻くは後悔と懺悔の念ばかりーー仇国を救えるのは、仇国にその人生を蹂躙された彼女、だけだった。
登録日 2015.07.04
暮れ六つや、誰そ彼時。
その時間に私は目を覚まし、座敷牢の様な部屋でただ座って時を過ごす。妖が生きる長い時間を。
たった一人だけ、『外』を私に見せてくれるモノがいた。彼は私の全てだった──私が彼の毒だと、知るその時までは。
登録日 2015.10.18
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