――その世界は狂気に満ちていた。ただ一つの違い、たった一つの切っ掛けで争いが繰り広げられ、赤い飛沫ばかりが上がる。 そうして争いの果てに〈魔族〉達は根絶し、残されたのは深い負の感情ばかり。 誰もが上部だけの平和を振りかざし、その日常に身を投じていた。 が、その日、一人の少年によって〈魔族〉の生存が確認された。 少年の名はユウナ・アルセント。かつて戦争を終わらせた英雄〈精霊使徒〉と同じ力を持つ、魔学館の生徒だ。 「魔族だの、零種だの、そんなくだらない差別が、人を傷付けて良い理由にはならない!」 彼はある想いを描き、剣を振るう――この国を潰す為に!