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王都の王立書庫で働く若き魔導書修復師リオネルのもとに、ある雨の夜、騎士団長アルヴィドが傷んだ呪術書を持ち込む。「王宮で最も口の悪い男」と噂される彼は、修復を頼みながらも辛辣な言葉ばかりを浴びせてくる。だが毎晩書庫を訪れる彼は、温かい菓子を差し入れ、指を切ったリオネルを手当てし、眠る肩に外套をかける。言葉と行動の食い違いに戸惑うリオネルは、やがて本の正体を突き止める。それは、心からの言葉ほど裏返って口から出る呪いを刻む『裏言葉の書』。八年前、子どもを庇ってこの本を開いたアルヴィドは、以来誰にも本心を伝えられずにいたのだ。「大嫌いだ」と耳を赤くして告げる彼の想いを受け取ったリオネルは、焼け焦げた最後の頁の修復に挑む。現れた解呪の条件は、裏返った言葉を裏返さずに受け取る者が、彼と並んで名を記すこと。呪いが解けた夜、騎士はようやく「好きだ」と告げ、二人は結ばれる。
文字数 7,228
最終更新日 2026.10.27
登録日 2026.10.27
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