1
件
武に猛り、色に惑う。
絢爛に咲き、泥濘に沈す。
誘われるは修羅か。導かれしは極楽か。
歓喜。悲嘆。野心。絶望。
全てを等しくかき抱き、水はただ流れ行く。
この濁溟の流るる果てに——明星は見ゆるか。
毛皮持つ獣人が紡ぐ歴史。
時は徳川の治世——
関東八州のいずこかに位置する湯の街は、
武芸者たちの伽藍たる「極楽座」を中心とする、
いびつで捻じ曲がった掟に支配されていた。
熊獣人の若き荒武者オドラは、
武芸での成り上がりを目指して湯の街に足を踏み入れ、
その現実を目の当たりにすることとなる。
武芸者の位階が絶対的な権力を持つ閉じた世界。
華々しく躍動する強き武芸者たちと、
その下で踏み躙られ、辱められる弱き者たち。
位階の頂点、免許皆伝の一人たるイサタカに見初められたオドラは、
やがて明確な目的をもって、極楽座での地位を築くことを目指ようになる。
位階を駆け上がることを目指す者。
街の現状を変革せんと立ち上がる者。
恥辱に塗れながらも生きる意志を失わぬ者。
我欲のままに街の闇を喰らい嗤う者。
各々の思惑を胸に、
湯の街を揺るがす騒動が幕を開ける。
※定期的にR-18表現あり
不定期更新
文字数 12,937
最終更新日 2026.10.18
登録日 2026.10.18
1
件