うたたね雫

うたたね雫

世の中にひと匙の非現実を
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夏の高い空には、1羽の鳥が飛んでいる。 季節は幾度となく巡り、時の流れに揉まれ、そうやって今を生きている。 古き良き校舎には、持って帰ってもらうのを忘れられた1輪の向日葵が咲いている。 人々の想いを乗せた風は吹き、太陽に照らされた波に飲まれ、そうやって今を生きている。 賑やかな街並みには、1つの音が刻まれる。 鳥の声も、花の声も、風の声も、みんな街に伝わる舞踊に込められ、そうやって今を生きている。 ふと空を見上げる。 夏の高い空には、2羽の鳥が飛んでいる。 そうだった。 桜も向日葵も金木犀も山茶花でもなかった。 彼女らには夜に咲くあの花がよく似合うーーーー 第1章 パンドラの箱に囚われた彼女 第2章 アリアドネの糸は2人だけ 第3章 シュレディンガーの猫はきっと鳴いている 第4章 ラプラスの悪魔はすでに死んでいる 最終章 レクイエムは火花と謳う エピローグ 前世 不定期更新 各章を分割して投稿致します。
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文字数 13,530 最終更新日 2022.11.08 登録日 2022.04.12
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