唐突に思い付いて徒然
「この音楽、嫌いなんだ」
そういって、君は、クリスマスソングを振り払うように頭をふった。もうその頃には、焦れったい友人関係から、恋人になっていた。高校から、駅に向かう帰り道。
「昔付き合ってたやつが、好きだった歌」
「ふぅん、」
「だから嫌い」
以来、クリスマスでもないのに、俺はその歌を聞き続けた。哀愁のある、昔の恋を懐かしむ、クリスマスソング。
彼をフった、昔の男は、どこか俺に似ているのだと彼はいう。雰囲気も、話し方も、声も。ずっと、比較されて、その度に、俺は違うと腹の底で思う。
君の良さを理解できなかった男と、俺は違う。悲しい曲を聞きながら、どこかで、憎々しくイヤホンをかけて。俺は違う、終わった恋を、こんな歌を好きだったやつと。
***
今思えば。
あの時の俺たちはまだ高校生だった。
前だけ、見ていれば良かったのに。過去にばかりに固執して、結局、彼と二人の未来は描けなかった。
クリスマスになると、あの歌が聞こえる。もう、少しも憎たらしくないことが、じくじくと心を痺れさせた。
ごめん、俺も、君をわからなくて。
ごめん、君を愛せなくて。
---
『終わった歌』
近況:まだタイル工事始まらない……確定申告やらねば(>_<)
そういって、君は、クリスマスソングを振り払うように頭をふった。もうその頃には、焦れったい友人関係から、恋人になっていた。高校から、駅に向かう帰り道。
「昔付き合ってたやつが、好きだった歌」
「ふぅん、」
「だから嫌い」
以来、クリスマスでもないのに、俺はその歌を聞き続けた。哀愁のある、昔の恋を懐かしむ、クリスマスソング。
彼をフった、昔の男は、どこか俺に似ているのだと彼はいう。雰囲気も、話し方も、声も。ずっと、比較されて、その度に、俺は違うと腹の底で思う。
君の良さを理解できなかった男と、俺は違う。悲しい曲を聞きながら、どこかで、憎々しくイヤホンをかけて。俺は違う、終わった恋を、こんな歌を好きだったやつと。
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今思えば。
あの時の俺たちはまだ高校生だった。
前だけ、見ていれば良かったのに。過去にばかりに固執して、結局、彼と二人の未来は描けなかった。
クリスマスになると、あの歌が聞こえる。もう、少しも憎たらしくないことが、じくじくと心を痺れさせた。
ごめん、俺も、君をわからなくて。
ごめん、君を愛せなくて。
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『終わった歌』
近況:まだタイル工事始まらない……確定申告やらねば(>_<)
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登録日 2021.03.17 21:49
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